「独房の生贄~悪霊が棲む213号室~」

dokubounoikenie

2011年のカナダ映画「独房の生贄~悪霊が棲む213号室~」を見ました。
・勧善懲悪にも近いストーリー
・オカルトと思いきや、さほどオカルトではないような気もするけれど、気味悪いシーンはやっぱりある
・なんとなく、刑務所映画としてのカラーのほうが濃い感じ

ネタバレ

弁護士のグレイは、妻がいるのに部下に手を出している。傲慢だがやり手の彼は、犯罪者を無罪にするので有名な男でもある。証人を裁判に出さないように手回しすらする。だが、今回はどうやらやりすぎたようだ。

ある囚人が、213号室で叫んでいる。「悪魔が~!」そこには女の子の姿が見える。

グレイは刑務所に向かう。サンズという刑務所長が彼を出迎える。依頼人のチャーリーは小児性愛者であり、少女を強姦した罪で捕まった。だが、グレイが無罪にしたようだ。出所手続きをしているチャーリー。
突然、チャーリーはグレイに自分が強姦した女の子を殺したことを告げる。慌てるグレイ。
告白した理由を聞かれたチャーリーは「次は……あんただからだ」と告げる。そして、グレイの持っていたボールペンを、自分の喉に刺す。
「自分の依頼人をブッ殺しやがった!」
グレイのことが気に食わない看守・レイが、大げさに騒ぎ立てる。

弁護士は逮捕され、囚人として刑務所に戻ってくる。213の独房に入れられるグレイ。
「地獄へようこそ、先生」
レイは彼が逮捕されたのを喜んでいる。

一方、刑務所の内情調査にやってきたオードリー。州立刑務課に勤務している彼女は、この刑務所で暴行の噂があったので調査に来たのだ。

グレイは独房の中から、通路を歩く男を見かける。彼の後ろには、不気味な男が立っている。

オードリーはモーテルに滞在している。

グレイは自分が上訴されなかったことを知る。上司たちがイメージダウンを恐れ、事件をもみ消したのだ。彼は離婚をしており、浮気相手にも見捨てられる。
レイはわざとグレイにつらく当たる。

グレイはサンズと面会する。彼はタナトフォビア(死恐怖症)なのだ。そのリハビリとして、刑務所内にある死体防腐施設で働くことになる。先輩囚人のジェファーソンが働いている(ちなみに、チャーリーもここで働いていた)。恐怖で逃げようとするグレイだが、殴られる。気が付いたら彼は、死体を入れるロッカーの中に閉じ込められている。しかも死体に重ねられて。

オードリーはレイと面談をしている。レイは挑発的だ。
グレイは独房にいるが、トイレがボコッ、ボコッと水を噴き出させるのに驚く。彼はトイレに詰まっている何かを拾い上げるが、そこからは人形が出てくる。人形の目からは虫が這い出してきて、たくさんの蛾が彼を襲う。

ケガをして医務室に運ばれたグレイは、オードリーと対面する。彼は助けを求めるが、サンズがやってきて話が中断される。

運動場で、ジェファーソンと話すグレイ。彼はチンピラたちにからかわれて、紳士らしく返す。だが、その態度で「舐められた」とジェファーソンは断言する。

グレイについて調べるオードリー。
独房の中では、グレイは「黙れ!黙れ!」と叫び続けている。

死体の処理の仕方を学んでいるグレイ。死体が動いているのを見て驚くグレイだが、「人がすべて死ぬまで数日かかる」とジェファーソンは言う。
血抜きに防腐剤を注入して、目を縫い合わせる作業があることを知るグレイ。

オードリーは古い資料を調べている。

ジェファーソンに自分は冤罪だと明かすグレイ。
「いざって時に弱気になるな」
というジェファーソン。グレイはシックスという囚人に目を付けられている。彼は舐められっぱなしだ。

オードリーは213号室にいた囚人が次々死んでいることを知る。それは何故なのか?
彼女は旧棟で作業をしているが、そんな彼女に誰か迫る!と、それは事務の女の子だった。

シックスはグレイに「お前は俺の女だ」という。死体防腐施設にまで来て彼を抱こうとするシックスだが、死体が動いて逃げてしまう。

夜、腕に勝手に文字が浮き上がる夢を見るグレイ。幽霊をはっきりと見る。
グレイは自殺を図る。だが、それは床の底が抜けている妄想が見えているせいだ。足元がなくなったような感覚のせいで、彼はロープにしがみつくように首を吊った。
だが、彼は助けられる。

213に収監される囚人は、自殺する物ばかり。オードリーは囚人から聞き取り調査をしようとするが、囚人に揉みくちゃにされ、ケガをさせられ、シャツをはぎ取られそうになる。

グレイは病室にいるが、部屋の隅にシーツが見える。その塊の裏から、女の子が覗いている。独房に「サタンの座」があると知るグレイ。

告解するグレイ。
オードリーはサタンの座について書かれているヨハネの黙示録を調べている。その部分こそ、第2章13節。

グレイは浮気相手と再会する。そして、冒頭の裁判の証人が殺されていたこと、その商人の家族も皆殺しにあっていたことを知る。非難される彼。彼は証人を裁判に出られないようにしてくれと依頼していたが、殺せとは言っていない。だが、グレイのせいで彼らは死んだ。
夜。213に現れたのは、その家族だった。グレイは「俺は殺してない!」と叫ぶ。

オードリーは、サンズにグレイへの処置について厳しく詰問している。
グレイはかつて、殺人犯を無罪放免する弁護士として知られていたと言うサンズ。
しかしオードリーは、レイに飲酒歴や暴力で告訴された過去があると告げる。

ジェファーソンは、「自殺するなら安置所の薬を使え」とほのめかす。彼は独房からはもう出られないと告げる。おそらく、死ぬまで。
2人は刑務所内に墓穴を掘っている。

レイはオードリーが何を調べているのは気になっている。レイは奥さん思いのようだ。

レイはシックスをわざとグレイのもとに連れてくる。グレイは彼を眠らせて、殺してしまう。

シックスの死体が見つかる。死体防腐施設で働いているスタッフが犯人だと睨むレイ。ジェファーソンとグレイも、もちろんその中に入っている。

ジェファーソンはレイに拷問される。グレイは、幽霊の姿が消えないことに困惑する。彼らの求めるままに、シックスを殺したのに。
ジェファーソンはグレイの所業について何も語らない。グレイは「傷つけた人の言うことを聞いただけだ」と言う。だが、「魂は売り渡すな」とジェファーソンに怒られる。

オードリーはサンズと連絡がとれない。レイの家にまで行き、覗くオードリー。レイは甲斐甲斐しく料理をして嫁に話しかけている。だが、そこには誰の姿もない。レイは出てきて、覗いていたオードリーの首を絞める。そして、レイは刑務所に戻る。

グレイもレイに連れられて独房に戻される。レイを説得しようとするグレイ。
サンズとオードリーも後を追う。
「これは、犯した罪への罰なんだ」
レイはオードリーを撃とうとするが、それをグレイがかばう。彼は死んでしまう。

救急車や警察が来ているなか。レイは逮捕されている。オードリーはサンズと話している。サンズはどちら側の人間なのか。処刑者?それとも悪魔?
彼は意味ありげに微笑み、「おやすみ、デイビスさん(※オードリーの苗字)」と言いながら去っていく。

感想

・結局、チャーリーの見ていた女の子は強姦して殺した子。グレイが見ていたのは証人の家族の子どもということだったのか?
・しかし、なんでシックスは殺されたんだ。
・ジェファーソンがやたらと意味ありげでしたが、実はサンズが黒幕?っぽかったという。
・「サタンの座」は、聖書を読み込まないとよく意味がわからないと思う。私もちょこっと調べましたが、まぁ~難しいです。
・レイが一番頭おかしいのはわかりますが、それにしてもこの話はなんなんだ。一番ワルそうなレイは死なないのか。あと「タナトフォビア」の設定はなんだったんだ。
・ストーリー展開があまりにも読めないですが、女の子がシーツの後ろから覗いているシーンなどはかなり怖い。ただ、死体の防腐処理の施設とか、カビだらけの旧棟とか、もっと見たかったな。