「タイガー・ハウス」

tigerhouse

2015年の映画「タイガー・ハウス」を見た。イギリス/南アフリカ映画だそうですけど、南アフリカ要素がどこにあるのかはわからない。
・女子高生VS彼氏の家に押し入ってきた強盗団
・彼女は無事に、カレとカレの母(イジワル)を助け出せるのか?
・そしてこの事件には裏があり……!?
ノーマークで見たら意外と面白かった。ただ、「面白いよ」と言われて見たら面白く感じるか(ハードルを越えられるか)は保証できないような。どうでもいいけど、日本では「MDGP」(世界で最も危険な映画決定戦!!)という、ようわからない映画祭くくりでまとめられて公開されていました。長州力さんがキャンペーンキャラクターだった。長州力さんはすごい人ですが、この人をキャンペーンに起用する企業の「どや、おもろいやろ」感は概ねヒドイですね。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」のニューヒロインに抜擢された女優が主人公を張ってます。「メイズ・ランナー」にもヒロイン役で出ているようですが、この子、顔に特徴があるんですよね。美人なんだけど、ちょっとアクのある顔。細面だからかな。

ネタバレ

当初はカメラ目線でスタート。彼氏が話しているところを撮影しているケリー。彼・マークの家はお金持ちだ。「うちはリッチじゃない、教養があるだけさ」「(早起きは)お肌に悪い」というマーク。ケリーは何かのスポーツに打ち込んでおり(これは最後まで明かされなかったような)、毎日早起きして練習している。ケリーはマジメな子だ。マークがタバコを吸っているのも、本当は嫌。そしてマークが見せびらかしていたボウガンが暴発して、なんとケリーの足に刺さる!
(POVはここで終了する)

立派な一軒家に忍び寄る何か。その人物は家に侵入する。それはケリーだ。マークの部屋に忍び込んで、イチャイチャする。だが、ケリーの古傷はまだ痛むらしい。
彼は母にドラッグを見つかっており、携帯を没収されているので連絡がつかなかったのだ。
と、誰かがマークの家の番犬に肉をあげているのが見える。
イチャイチャする2人だが、マークの母が来る。彼女はケリーのことが気に入らない。彼女が部屋の中にいると知らず、母はケリーを「スーパーの店員なんかと付き合うな」「ドラッグをしたのはケリーの影響だろう」「家はゴミ屋敷」と罵る。ケリーの母は病気であり、貧しいのは仕方のないことだが、ケリーは落ち込む。
そして、マークの父もやってきて「犬を捜して来い」とマークに命令する。彼はかなり横柄だ(マークにとっては義父なのかもしれないが明言されない)。
明日はマークの誕生日だ。彼女は天井裏に隠れ、マークは犬を捜しに行く。

その隙に、マークの母が部屋に入ってきて荷物チェックをする。ケリーのカバンを見つけて、中を見る母。マークへの思いが綴られたノート、そして陽性の妊娠検査薬も見つかる。表情を変える母。

マークは、彼女が件のボウガンの矢を持ち歩いていたことを知って起こる。ケリーは「不運のお守りとして」、それを持っている。マークは、母が浮気しているらしいとケリーに告白する。

家のどこかのガラスを切って、侵入してくる男たち。のっぺりとしたマスクをかぶった4人の男が家に入ってくる。

ケリーはマークに、妊娠していることを告白する。パニックになるマーク。

両親の部屋に、強盗たちが押し入る。それは監視カメラの映像で映し出される。しかし、監視カメラはなぜ、どうやって設置されたのか?

マークは妊娠を聞いて「僕には未来があるし」とモゴモゴしているが、不審な物音を聞いて部屋の外に出ていく。マークは強盗団と鉢合わせして、1人に大怪我を負わせる。マークの部屋にケガをした男を運び込む強盗団。ケリーはベッドの下に隠れる。
ケガをしている男がボスであり、スキンヘッドの男、くせっ毛の男が昔からの仲間だ。一人だけ若い坊主男は、ボスの知り合いの息子らしい。ケガをしたものの、計画は実行することを明言する彼ら。マークの父にスーツを着せ、母と息子を縛り上げる。

ケリーはスマートフォンをとるため、バッグを引き寄せようとする。ベッドの上にはケガ人、机のPCの前には坊主の男がいる(止血手当のやり方を調べている)。ベッドの下に本を積んで、止血しようとする坊主たち。バレると青ざめるケリー。だが、彼らはそれをやめる。マークの母が医者だとわかったのだ。

ケリーのスマートフォンの充電も切れてしまう。マークの母は呼ばれて男の手当てをするが、下に物を落とした拍子にベッドの下を覗きこみ、ケリーに気が付く。
マークの母は、犯人の腹から大きなガラスの破片を引き抜く。

新しい仲間の坊主男が信用できない強盗団。スキンヘッドの男が警官に扮装し、くせっ毛の男がついていく。坊主の男はついていきたがるが、ケガをしているボスの面倒を見るように命令される。ボスは言葉巧みに、彼に残るように命令する。
スキンヘッドとクセっ毛男はマークの父を連れて彼の職場に行き、強盗を働く。

坊主の男は、ベッドサイドでケリーが脱ぎ捨てていた下着を見つける。ふと「ルシールにあったか?」と聞く坊主男。ルシールとは、ボスの思い出の女性らしい。

ケリーは目覚まし時計を鳴らし、それに犯人たちが気を取られている隙にベッド下から抜け出す。そして、縛られているマークたちを見つけて逃がそうとするが、そこに母の愛人が入ってくる。彼は勝手に部屋のなかに入ってきて(浮気で慣れているのだろう)、坊主男の顔を見て殺されてしまう。シャワールームで血を流す坊主男。その時、ケリーはシャワールームのなかで隠れている。足元が見えないように手足で体を支え、踏ん張る。坊主男の手には、自傷した痕のような者が見える。

坊主は顔を隠すのをやめ、ママさんをねぶりだす。窓から逃げようとするケリーだが、手元にある小さなハサミを見ながら、迷う。そして坊主男の首元にハサミを突き立てる。
坊主男に追われるケリーは、そのまま屋根裏に逃げ込む。ただ、「助けて!」と叫ぶしかできない。屋根裏に上がれない坊主男は、工具箱から機械を出してきて天井に穴を開けようとする。ケリーは天井裏でマークのボウガンを見つける。彼は「捨てる」といいながらもそれを保管していたのだ。
「私の人生を狂わせたんだから、今度は助けてよ」
(このセリフ以前にも、ケリーはボウガンで負ったケガでかなりのリハビリを必要としていること、まだ後遺症で足がしびれること、そのせいで夢を諦めたであろうことは描かれている)

天井に穴を開けている坊主男を見ているボス。彼は失血したせいか、だいぶ弱気になっている。意識も朦朧としているようだ。「庭につれていってほしい」と願うも、坊主男はそれを断る。その間も、ケリーはイメージトレーニングを続けている。

屋根裏に上がってくる坊主男。彼は、以前の犯行で少年を見逃したが、その少年の通報で足がついた。今度は同じミスは繰り返さないという男。だが、ケリーは見つからない。彼女は天井の梁の上に隠れており、彼の隙をついて下に降り、そのまま彼を屋根裏に閉じ込める。なぜか、鼓笛隊のコスチュームを着ているケリー(本当に意味がわかりません)。だが、下では銃を持ったボスが待ち受けている。

ボスは坊主男が親友の息子であること、親友が死にかけている時に頼まれて彼を殺したことを告白する。そして、面白いジョークを言うようにケリーに要求する。
彼女はボスに見逃してもらえる(金魚の水槽のタンクと、戦車のタンクをかけたギャグのおかげか)。彼女は鏡を割り、それでマークとその母の拘束を切る。

今度は階段のところに座っているボス。
「怖いんだ、悪いことばかりしてきた」
「愛する人を思うの」
死の恐怖に怯えるボス。

マークと母は先走り、戻ってきた強盗団の男(警官のコスプレをしている)に助けをもとめてしまう。彼らはまた捕まる。
「女を捜して、殺すしかない」
という彼ら。ボスはケリーのことをしらばっくれるが、彼女は螺旋階段の上に隠れている(なぜか内側でなく、外側に引っかかって隠れている)
ボスは仲間に、ルシールのことを頼む。
ケリーはその隙に、マークの部屋の窓の小さな隙間から出て屋根の上に隠れる。しかし強盗団が部屋から出ていくと、また部屋の中に戻り、ボウガンと矢を回収して彼らと戦い始める。

まず、スキンヘッド男をボウガンで撃つ彼女。男は倒れるが、そのまま放火する。マークの部屋の自転車を窓から放り投げ、割れた窓の外側のフチにつかまって爆発を回避するケリー(爆発物があった模様)。
足は悪くても腕の力が強すぎるだろという疑問が浮かぶ、素晴らしいアクションが続きます。

ケリーはクセっ毛おじさんもボウガンで撃ち、プールに突き落とす。水中で首を絞められるが、ボウガンの矢をグリグリと手で押し続け、この男を殺してしまう。家のなかの火は燃え広がっている。

マーク親子は食糧倉庫に隠れているが、坊主男はもう彼らに興味がない。彼らを発見しても自分が食べたい缶詰だけを取り出して扉を閉め、朝食のサンドイッチを作っている。

ケリーは車の中で拘束されていたマークの父を助ける。

ケリーはマスクをかぶって、窓を叩く。坊主男はそれに気が付き、仲間だと思い込んで家の外に出てくる。2人の攻防は続く。
だが、誰かが背後からケリーを殴りつける。それは、なんとマークの父だった!彼のこの強盗の仲間だったのだ。だが、マークの父は全てを録画していた(証拠が残ったら、マークの父も不利なのではないだろうか?という疑問も残るが)。

坊主男と結託して、ケリーを殺そうとする父。だが、ここでまだ生きていたボスが蹴りw-助ける。坊主男は倒れるが、マークの父はまだ生きている。
「サイコ女と、バカ息子とおさらばしたかったのに!」
と、マークの母がショットガンで彼をぶっ放す!
「銃を下ろして、私を信じて」
「もう誰も信じられない」
だが、彼女たちはようやく正気に戻り、炎上している家から逃げ出す。

ケリーは車に金を積み込んでいる。
「一緒に行くよ、リオなんかどうだろう」
マークが話しかけるが、ケリーは拒否する。彼女は強盗団の金を持って逃げるようだ。妊娠のことで躊躇したマークを捨て、自力で子どもを育てるつもりだと語る。マークと彼の母は、ケリーに協力することを決めている(ケリーの存在を隠して証言する)。彼の母は「ケリーなら乗り越えられるわ」と励ます。
そして彼女は車を出す。パトカーのサイレンが近付いてくるなか、車は走り去っていく。

感想

・鼓笛隊コスプレはかわいい。
・「足のケガで将来の夢を諦めた」のはまだしも、この子が何をしていたのか(なんとなく、身が軽いから新体操系なのだろうか?)があまりしっかり描かれていないので、ちょいちょい身軽すぎて驚く。足が悪いことは何のマイナスとしても描かれていないのにも違和感。また、豪邸というわりにセキュリティがザルだし、隣の家とは距離が離れすぎているというわけでもなさそうだし、家の一部が爆発したらさすがにもう少し早く警察がくるんじゃないかな。というつっこみどころは満載な映画。でも好きなところも多いです。