「ロスト・リバー」

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2014年の映画「ロスト・リバー」。アメリカ映画。
・ライアン・ゴズリングが初監督
・幻想的な映像、ダンスとBGM
・底辺のエリアで暮らす家族のあがき
とはいえ、こちらが期待している「湖底に沈む村」が「池の底がヘドロだらけで何も見えない」というシーンばかり。我々の想像していた「幻想」とはかけ離れた、想定外の世界を見せられます。でも嫌いと言えない映画。ちなみに女性は美人しか出てきません。

あらすじ

「ドライヴ」「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命」のライアン・ゴズリングが、記念すべき監督デビューを飾ったミステリアス・ドラマ。ゴーストタウンと化した廃墟の街に暮らす少年が、衰退の原因である湖底に消えた街“ロスト・リバー”の謎を探るさまを、美しく幻想的な映像で描き出す。主演はTV「エージェント・オブ・シールド」のイアン・デ・カーステッカー、共演にクリスティナ・ヘンドリックス、シアーシャ・ローナン。

経済破綻とともに住人が次々と去っていったとあるゴーストタウン。この街に取り残され、2人の息子を抱え極貧生活にあえぐシングルマザーのビリーも、自宅に住み続けられるかの瀬戸際に追い込まれていた。そんな中、10代の息子ボーンズは、近所に住む少女ラットと知り合い、次第に心通わせるようになる。ある日ラットは、貯水池の底に沈んだ街の一部“ロスト・リバー”には、この街を衰退に追い込んだ呪いの秘密が隠されていると語る。そこで、自らロスト・リバーの秘密を探ろうとするビリーだったが…。

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=352317

ネタバレ

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・シングルマザーのビリーに育てられている長男・ボーンズ。幼い弟を抱え、生活は苦しい。近所の住民も出ていき、ゴーストタウン化する街。
・廃屋から銅を集めて(配管など)売るボーンズ。だが、チンピラのブリーはそれを横取りする。
・家のローンのことで銀行と揉めるビリーは、その担当者・デイヴに新しい仕事を持ちかけられる。
・ボーンズの家の近くに住むラット。彼女は夜な夜な、ピアニカを弾く。
・隣の空き家が急に取り壊しになり、ボーンズの家もおそらくもうすぐ、壊されることがわかる。自分の家が逼迫していることを知るボーンズ。ブリーにとられた廃材を取り戻すが、目撃された上に買い取ってもらえない。ブリーの手が回っているのだ。
・ビリーは仕事を引き受ける。
・ラットはボーンズの家にテレビを見に来る。ラットは貯水池の底にある街の呪いについて語る。
・ビリーは新しい職場に出かける。そこではまがい物の殺人ショーが行われている。舞台で殺されたキャットは、死体の姿で客席にウインクをする。ビリーは何もすることができないが、ここで働くしかない。
・ラットはおばあちゃんの面倒を見ている。彼女は唯一の慰めであるペットのねずみをかわいがっている。
・ボーンズはラットから聞いた呪いの話を聞き、ボートを出す。だが、水の中に何も見えない。呪いを解くには、湖底から何かを持ち帰るしかないのだ。
・ラットは彼女の祖母が祖父を亡くしたショックで話せなくなり、それ以来面倒を見続けていると語る。祖父はダムの工事でなくなったという。その時の記録映画に出ている祖父の姿を、祖母は繰り返し眺めている。
・キャットの店で舞台に経てるような特技を持ち合わせていないビリーは「シェル」の中に入ることになる。人間の形をしたケースの中に入り、ひたすらその中で我慢する仕事だ。彼女は家賃を払うために、そこに入るしかない。
・ラットは、ボーンズがブリーに殺されるという。2人は夜の街に出かけて、そこで踊り出す。
・ビリーは楽屋に子どもを連れてきて、デイヴに怒られる。
舞台上では、自分の顔の皮をカミソリで切り付け、それを剥ぐ女の芸が披露されている。客席にはガイコツのかぶりものをしたウェイトレスも見える。
・ラットとボーンズはコンビニにいるが、そこでブリーと遭遇する。ラットはボーンズを助けるため、彼の車に乗ってしまう。オープンカーに乗せられたソファー(ブリー曰く『特等席』)に座り、連れていかれるラット。ボーンズはそれを必死で追いかけるが、追いつかない。
・ラットはブリーにペットのネズミを殺されてしまう。
・デイブはビリーを家まで送り、口説く。だが、彼女はそれを拒否する。デイブにはサディスティックな一面があるようだ。
・ボーンズは母に届け物をしに来て、母の仕事をなんとなく知ってしまう。彼は呪いを解くために、「ロスト・リバー」に潜ることを決める。弟をラットに預けるボーンズ。
・ブリーの手下であるフェイス(マスクをとると、顔にお化けのようなタトゥーが入っている)がラットの家に侵入して、放火してしまう。祖母は動かない。そして、火は広がっていく。夫の映像を見ながら、燃えていく祖母。
・ボーンズは潜り、何か(樽のような、マネキンのようなもの)を持ち上げて浮上する。そして近くに停めていた自分の家の車のところに戻るが、それも炎上している。道の遠くから、ブリーが車に乗って突っ込んでくるのが見える。
・その車に、ロスト・リバーから拾って来た何かを投げつけるボーンズ。ギリギリまでひきつけたせいか、ブリーの車はそのまま炎上しているボーンズの車に突っ込む。
・ラットは炎上する家の中から祖母を連れ出そうとするが、うまくいかない。ボーンズの弟を連れ出し、彼の家のポーチで、燃える家を見続けている。
・ビリーは「シェル」の中に閉じ込められるが、恐怖で息が詰まる。そのまわりをダンスしながら、挑発するデイブ。彼女が出ようとしても、出させない。シェルの中で、ビリーはナイフを抜く。
・ラットの家が燃えているなか、ボーンズ、そしてビリーも帰ってくる。「全部終わったんだ」
・ビリーは、親切なタクシー運転手(彼女を愛しているのか?)に協力してもらい、街を出る。ラットもボーンズも、弟も乗せて、タクシーはロスト・リバーのある街を後にする。

感想

・キャットという女性がいるSMレストラン?みたいなシーンはすごくよかった。セットもかわいいし。急に惨殺された後、かわいらしくウインクするキャットや、顔の皮を剥ぐシーンも素晴らしい。
・ダンスシーンがちょくちょく挿入されていたのですが、想定外に短かったです。
・「沈んだ街」のビジュアルにもっとも期待していたのですが、どちらかというと淡泊。「水の中に沈んでいる街頭が、夜になると点滅する」のも、街灯が水面からつきだしているので「あんまり沈んでないんだな」とわかる。あり得ないことでも、水の中に沈んだ街灯が瞬いているのを上から見ている、というシーンのほうが見たかったかも。ただ、安易にCGに頼っていないのはいいですね。
・「呪いを解く」というのがどういう意味なのかな?といろいろ考えたのですが、まさかこういう結末だったとは。