「ホーム・スイート・ヘル」

homesweethell

2015年のアメリカコメディ「ホーム・スイート・ヘル/キレた私の完全犯罪」を見ました。
このサブタイトル!思わずこみあげてくるものがありますが、涙なのか吐き気なのか自分でもわかりません!
・みんな大好きキャサリン・ハイグル主演
・完璧主義の奥様と、尻に敷かれている旦那。旦那の浮気をきっかけに、殺人事件に発展!?
・奥様は邪魔者をガンガン殺しまくります
という、「シリアル・ママ」を彷彿とさせる映画。とはいえ、あそこまで笑えないですけども。といっても、この映画が面白くないということではなく、下ネタ成分が非常に高いために見る人を選ぶという印象があるのです。

ネタバレ

モナは家具店のオーナーをしながら、夫と子どもに囲まれて暮らしている完璧な女性。神経質で子どもへのしつけに厳しい。引き寄せの法則を信じ、永遠の愛を信じる。健康や美容にも関心が高く、とにかく完璧であることにこだわる美女。
旦那はそんなモナを愛しつつ、疲れ切っている。彼女は決まった日にしか旦那と寝ないし、年に6回しか体を許さない。モナと夫は父親からの援助を受けており、旦那もそのせいで妻に頭が上がらない。

モナがオーナーの店で店長をしている旦那は、ある日、美人が面接にやってきたのを見て採用する。彼女は旦那に気があるようだ。

モナの娘はモナそっくりであり、こまっしゃくれている。息子のほうは父に似たのか、ややぼんやりしている。

美人店員・ダスティは旦那に言い寄る。彼は当初断るが(妻が怖いから)すぐに陥落してしまう。浮気を楽しむ彼だが、娘がまず「パパからいつもとは違うニオイがする」と指摘する。

旦那は筋肉を鍛え、ありとあらゆるところで浮気をしまくり、彼女と愛し合う。
だが、ダスティが妊娠していることを告白。事態は一転する。旦那は上の空になり、モナと決められた日のセックスをすっぽかす。ショックを受けるモナ。

しかし、ダスティは裏のある女だった。シングルマザーだと偽り、美人局をしていたのだ。裏にはいかにもワルそうな2人組の男が控えている。

ダスティに脅迫めいたことをされているとモナに告白するか迷う夫。とうとう、自分の口でモナと浮気したという。するとモナは驚きの一言を告げる。 「彼女を殺して」

ダスティを呼び出し、薬を盛って殺すように命令するモナ。だが、薬はなかなか効かず、彼女は勘づいて逃げようとする。殴られて泣く情けない旦那。
だが、彼はなんとかモナを車のトランクに詰めて家に連れて帰る。
そしてモナに「ハンマーで頭を叩きつぶしなさい」と命令される旦那。「当然だけど、あなたがやるの」。旦那はもちろん怖気づいてしまい、吐きまくる。モナは諦めて下着姿にレインコートになり、モナをブン殴って解体を始める。

チンピラたちは、ダスティが帰ってこないことにイライラしている。

「ゴミ袋を買ってきて(死体を入れたから足らなくなったらしい)」「次の新人は私が選ぶわね」と、平気な顔でモナは旦那の前に現れる。「ちなみに、妊娠してなかったわよ」
また気持ち悪くなる旦那。

次の日旦那が出勤すると、押しこみ強盗があったことがわかる。犯人はもちろん、ダスティの仲間のチンピラ男たちだ。警察もやってきて、旦那はビクビクしっぱなしだ。

旦那は嫁の写真を贈られ、脅される。呼び出された彼。脅迫されつつ、うまくごまかそうとする旦那だが、無理やりドラッグをやらされてぶっ飛んでしまう。

モナは夫を連れてダスティの家に向かう。冷蔵庫にダスティのバラバラ死体を詰めるモナ。だが、そこにチンピラが戻ってくる。チンピラの1人が女の子を連れて戻ってきたのだ。薬をやっているらしい2人はクネクネ踊りまくり、日本刀を出してまたクネクネする。
チンピラは席を外すが、女の子がモナを見つける。しかし、この女はモナを売春婦だと勘違いして、3P要員だと思い込む。しかし、次の瞬間モナは見つかる。それでも冷静に男を刺し、女も日本刀で殺すモナ。血まみれで夫のもとに戻る。
「あの女は悪魔だ……」男はつぶやく。

趣味のバーベキューで使うコンロで、血まみれのモナの服を焼く旦那。

モナの通報で、ダスティの家に警察がやってくる。ダスティの恋人らしきモヒカン男だけが地下の抜け穴から逃げ、もう1人は撃たれてしまう。

性格がキツいモナは、近所のゲイカップルの飼っている犬を自宅の敷地内から叩き出す。そこに警官がやってきて、旦那に話しかける。彼がチンピラ男たちに呼び出されたストリップクラブで、旦那を見たという目撃証言が出てきたのだ。だが、旦那は「浮気を見つかって脅されていた、金を払えと言われた」と言うところまで素直に話し、うまくごまかす。警官もモナの性格のキツさを知っているので、同情して終わりだ。しかし、旦那はここでチンピラが1人生きていることを知る。

夫は妻と向き合おうとするが、やはり彼女が理解できない。

一家主催の誕生日会で、来客をもてなすモナたち。だが、旦那は冷凍庫にゲイカップルの犬が凍らされているのを見て驚く。さらにモナは長男と同い年なのに彼より活発な少年にキレまくり、娘をえこひいきするような行動を隠さない。
旦那は決意して、細工を始める。ガスに穴を開け、電灯にも細工をする。そして、妻にガレージに行くように用事を頼む。おとなしくそれに従う彼女。そのままガレージは爆発し、モナはそれに巻き込まれる。

モナがいなくなった後、楽しそうに暮らす旦那の姿がある。だが、ウキウキしている彼の後を、バイク(生き残ったチンピラ男)がつけていくのが見える……。

感想

・完璧な奥様がシリアルキラーになっていくさまはユニーク。淡々とレールを外れていく様子は「サイコパス」な感じ。
・ダスティも実はチンピラにDVされていて、言うことを聞かざるを得なかった(脅迫は本意ではなかった)わりに、あっけなく殺されてしまったのでひっくり返りました。
・「悪魔のような奥様」っていう響きがもう、下世話ですけど面白い。
ゲラゲラ笑えるタイプでも、ブラックコメディ満載というタイプでもないのですが(どちらかというと、情けない旦那の号泣とか嘔吐とかが印象に残ってます)、キャサリン・ハイグルの眉毛のピクピクだけでもおかしい映画。