「ジョーカーゲーム 脱出」

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「ジョーカーゲーム」の続編「ジョーカーゲーム 脱出(エスケープ)」。2013年の邦画です。
・エビ中の子が主演のアイドルホラー
・脱出ゲームが本筋で、おまけでババヌキがついてきます
・基本的に女子しか登場しないわりに、テンションが上がらないのはなぜだろう……

あらすじ

突然“ババヌキ”による死のゲームに参加させられた高校生たちの運命を描いた学園ホラー「ジョーカーゲーム」の続編。全国の高校で実施された“ジョーカーゲーム”で敗者となった7名の女子高生が集められた“矯正施設”で繰り広げられる新たな死のゲームの行方を描く。主演は私立恵比寿中学の鈴木裕乃、共演に松野莉奈、宮武美桜、水澤紳吾、日向丈、原史奈。監督は「マメシバ一郎」の芦塚慎太郎。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=346435

登場人物

マキ:友達に裏切られて、ゲームに負けた。
ノリコ:友達に刺されてしまって敗者となった。
サオリ:ゲームに参加するのを拒んだ。口が悪く、自己中心的。ビッチでもある。
トモミ:「焼肉をおごってもらう」と言われ、負けを選んだ食いしん坊。
アスカ:クラスの半分と契約するも、負けてしまった。策略家。
リエ:クラスメートとカードを交換してもらえなかったため負けた。暗い性格。
チヒロ:前作の「ジョーカーゲーム」でパニックとなり、負けた。自分からは何もできない、引っ込み思案な性格。

ネタバレ

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文科省認可教育強化プログラム。
ババヌキで優秀な人間を選出するというプログラムだ。

その「ジョーカーゲーム」で負けた女生徒たちが集まる施設。眠りながら友達のことを思い出している主人公・マキだが、目が覚めると朝だ。施設で朝食をとっている生徒たち。「人と人との絆、思いやりを学ぶため」に、彼らは施設で集団生活を送る。
※ちなみに、この撮影地は年末の「笑ってはいけない」シリーズの某ロケ地だと思う。

身体検査のために呼び出されたマキたちのグループ。注射を打つと聞き、わがままなサオリは文句を言い出す。だが、優しかった担当官は彼女にスタンガンを当てる。彼女たちは次々と倒れてしまう。先ほど飲まされた水に薬が入っていたのだ。
「テストをはじめますよ、しっかりね」

彼女たちは次の瞬間、廃墟で目が覚める。

そしてテレビがつき、指示が始まる。血まみれの男が説明役だ。彼女たちは、制限時間内に閉じ込められた部屋から脱出しなければならない。2時間で、先般注射した毒が体にまわって死亡すると告げられる。
脱出するためのヒントは全員が持っている。棄権することもできるが、棄権すると前回同様処分されると聞かされ、震える女子高生たち。処分対象となった女子高生(エキストラ)が、モニター越しに見える。カッターで足を切られ、薬品をかけられる彼女。最後に首を切られてしまう。

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サオリはひとりで騒ぎ出す。彼女たちはポケットを探り、ヒントを出す。ワイングラスの持ち手部分、カギ、聖書、リモコン、携帯、ドライバーなどがそれぞれ出てくる。ノリコは彼女宛のメモを見つけるが、それを隠してしまう。チヒロはカードだ。「THE BEAR」というカード。

ドアの手前には足形が描かれている。そして、脇にはピエロのマークが見える。出ていくにはカードキーが必要だ。
と、モニターにある教室が映る。その教室の黒板には数式が描かれていることから、「64」という答えが導き出される。「64」、つまりムシ、虫。作り物の虫が落ちていることに気が付いた彼女たちだが、その糸を辿っていくと、壁にかかっている絵に気が付く。壁にかかった真っ白な絵を、サオリのドライバーを使って外すメンバーたち。だが、そのトモミの顔に何かがかかる。薬品だ。彼女は苦しみながら死んでしまう。

彼女たちはトリックにひっかかったのだ。携帯電話の変換機能で数式をそのまま入力してみると、「とむそーや」という単語が出てくる。部屋の中にある本棚のところへ向かう面々。すると、トムソーヤの本の裏表紙にカードが入っている。
「持っているべきものに配れ」。そのカードが7つの大罪に基づく者だと理解する彼女たち。

クマ(怠惰)のカードは何もしないチヒロを体現している。ライオン(傲慢)は人を見下すアスカ。ヘビ(嫉妬)は自分の好きな教師をさらったサオリをねたむリエ。オオカミ(憤怒)は友達を許せないマキ。ブタ(暴食)はトモミ。キツネ(強欲)は自分だけ生き残りたいノリコ。ヤギ(色浴)は、男なら誰でもいいサオリ。

そこで、施設の台所に忍び込み、盗み食いをしているトモミの映像(盗撮)が流される。リエの好きな男性担当官を誘惑するサオリの映像も続けて流れ、彼女はゲームで負けたのは彼氏に裏切られたからだと告白する。ノリコは「生き残れるのは2人だけ、ジョーカー(ピエロマーク)に気を付けろ」と書かれているメモを1人だけ発見して、それを隠したことがバレてしまう。実はジョーカーマークは危険なものにプリントされており、目安になっていたのだ。ノリコがカミングアウトすれば、チヒロは死ななかった。
アスカは他のメンバーを見下して、女性の担当官にこびていたことがわかる。マキは親友2人のために負けたものの、諦めの境地に達していることが映像からわかる。

彼女たちはそれぞれカードを配る。そして、チヒロが犠牲者を1人選ぶことになってしまう(そう指示された)。混乱するチヒロ。「映画だとヤリマンは必ず死ぬんだよ!」と叫ぶアスカだが、自身がボウガンに射抜かれてしまう。「これは映画じゃないんだよ」と言い捨てるサオリ。

ふと、壁にハートマークがあることに気が付いた彼女たち。「心に従え」というメッセージ通り、ドライバーを使ってマークに沿って穴を開ける。壁の中からは箱が出てきて、その中のパーツを彼女たちがヒントとして持っていたパーツと組み合わせればグラスとなる。
「血の犠牲者」というワードから、グラスに血を入れることを指示されているのだと気が付く彼ら。躊躇する女の子たちだが、サオリは率先してアスカの血をかき集める。
「そんなことまでして、人間じゃないよ」
という声が飛ぶ。結局、グラスには「JOKER」という単語が浮かび上がる。

別のフロアに移動することができた女の子たち。そこにはナイフや2本の注射器(解毒剤)が用意されている。サオリは自分が解毒剤を打つと暴れ、チヒロとサオリが刺し違えることとなる。実は、チヒロが皆のポケットにヒントを入れていたのだ。2人は死亡する。マキは最期までチヒロを気遣う。

その頃、同じタイミングで、他の女の子(別の施設にいるらしい女子高生たち)たちもテストを受けている。その中から、大野香菜という女の子がクローズアップされる。

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生き残りをババヌキで決めることにしたマキ、リエ、ノリコ。
「怒りはサタン(を意味する)。あなたはサタンじゃないよね?」
と、リエに言われるマキ。だが、マキはノリコにジョーカーを引かせないように導く。信じて、カードを引くノリコ。マキが敗者となる。そして、勝ち残ったリエは真っ先に注射を打つ。しかしその直後に、リエは苦しんで死んでしまう。彼女の注射にはジョーカーマークがついていたのだ。マキはとっくにそれを知っていた。知っていて、リエが注射を打つようにしたのだ。
「裏切り者」
「信じるのが悪いんだよ」
ノリコはマキの豹変が信じられない。刺されたチヒロを抱き止めたように見えたが、とどめを刺していたのもマキだった。暴言を耳打ちすらしていたのだ。

彼女はジョーカーゲームに囚われた妹を助けるために、このゲームに本気で参加していたのだ。

だが、このゲームの裏で、妹の香菜は死んでいる。それも知らず、マキはノリコを後に残し、次のゲームへと歩き出す。

感想

・マキの影が薄すぎるので想定内のオチ(ゲームに憤慨するでもなく、淡々としていた)。実は黒幕が主人公だったというのもアイドルホラーのセオリーですが、こういう構成は主人公がいい子すぎて目立ちにくいのが難点か?
・脱出ゲームの謎解きは、映画で見ても「ヘー」としか思わないのが哀しい。自分でやるならまだしも。
・ババヌキというイージーなゲームでの駆け引き、知能戦が見どころの映画かと思っていたのですが、どんどん脱線していった印象。次は人狼ゲームとのコラボがありそう。
ただ、雰囲気は嫌いじゃないです。