「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~」から感じる、普通に生きていくことの美しさ

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2013年のイギリス映画「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~」を見ました。この邦題のひどさがなかなかにダメな感じですが、この映画はホントーに、泣ける。日常のささいな生活すべてが、愛おしくなるようなそんな感じの話。「ラブ・アクチュアリー」の監督が撮影したらしいですが、この映画に関しては何回も見てるのに全然覚えてないんだよなあ。

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あらすじ

「ラブ・アクチュアリー」のリチャード・カーティス監督が贈るタイムトラベル・ロマンティック・コメディ。代々、タイムトラベルの能力を持つ家系であることを知らされた青年が、過去を変えて思いを寄せる女性との関係を進展させようと悪戦苦闘する中で、やがて人生のかけがえのなさを学んでいく姿をハートウォーミングに綴る。主演は「アンナ・カレーニナ」のドーナル・グリーソンと「きみに読む物語」のレイチェル・マクアダムス、共演にビル・ナイ。

イギリス南西部コーンウォール。何をやっても上手くいかない冴えない青年ティム。いまだ恋人もいない21歳の誕生日、父親から思いも寄らぬ事実を告げられる。それは、一家の男たちにはタイムトラベルの能力があるというものだった。驚くティムだったが、その能力を活用して恋人作りに奔走する。やがてロンドンで働き始めたティムは、チャーミングな女性メアリーと出会い、恋に落ちるのだったが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=349124

ネタバレ

冴えない青年・ティムは、ある日父親から「タイムトラベルする能力がある」ことを告げられます。
使うのはやっぱり、女の子を口説く時!しかし、カワイイと思った女の子に夏休みの最後に告白したら「もっと早く言え」と言われ、早く告白しても結局フラれちゃう。タイムトラベルできてもなかなかうまくいかない、という教訓を彼は得ます。

そして、ロンドンでかわいい女の子・メアリーと出会うティム。
しかし、下宿している劇作家のためにタイムトラベルをしたせいで、メアリーと出会えなくなってしまいます。なんとか彼女を探し出したものの(彼女がくるであろう展覧会に先回りした)、今度はもう恋人ができています。そこで、その恋人と出会うパーティで彼よりも先にメアリーに声をかけ、食事をして、あらかじめもう知っている彼女が好きなことをたくさんおしゃべりします。そうしてようやく、彼女と向き合えたティム。

初めての関係を持った時には、何度も時間を巻き戻していろんな初夜を楽しむティム。
そして二人は同棲し、結婚するのです。子どもができた二人。関係は変化していくものの、やはり仲良しです。

しかし、子どもができる以前の時間軸にタイムトラベルすると、何らかの影響が出て「子どもが別の外見、性別に変わってしまう」ことが発覚。つまり、子どもができた時点でそれより過去には戻れなくなるのです。

ダメな恋をしてきて、結果として交通事故を起こした妹のために、過去を変えようとしたティム。でもその行いのせいで、自分の子どもが女児から男児に変化。慌てたティムは、全てを元通りに修正し、リアルタイムの妹を更生させるようにもっていきます。

そして発覚する、大切な父親のガン。父の死は、ティムにとって大きな変化となります。しかし、それでもちょくちょく時間を巻き戻して、父に会いに行っています。父の助言通り、1日が終わったら、もう一度その日をループして人生をより楽しむ生活をも送ってみます。

でも、ティムとメアリーにさらに子どもができてしまいました。子どもが生まれたら、もう父が生きている時代には戻れない。父との最後の時間を楽しむティム。そしてティムは、父と最後のさよならをして、生まれてきた子どもと対面します。

ティムは、タイムトラベルすることをやめてしまいます。失敗をしても、落ち込んでも、そうやって生きていくことを決めるのです。

イギリス郊外の風景が非常に美しく、めちゃくちゃきれいな映画。ヒロインのレイチェル・マクアダムスがとにかくキュートですし、パパもかわいらしいです。
これはずばり、父親とかおじいちゃんとかの優しさを感じて、思い出して泣ける映画。恋愛映画じゃないのですが、まあ恋愛要素が大きいのは認めるけど、テーマは「人生をどう生きればハッピーなのか」ということなのだと思う。
こんなバカみたいな邦題に惑わされず、男性にも見てほしい映画です。