Huluで配信されていた2003年のJホラー『渋谷怪談』を見ました。
渋谷を舞台にした都市伝説ホラーなのですが、もちろんしっかり怖いと感じられるシーンもあります。あと、当時の渋谷の雰囲気を感じられるだけで懐かしい。ファッションとかエモすぎる。ヒステリックグラマーとか懐かしいわ（といっても、この間たまたまHP見たら懐かしすぎて1枚買ってしまった…）。
ただ、一方でどうにもならないほどダサく感じるシーンもあり、演技が拙すぎてこちらがキョトキョトしてしまうようなシーンもあり…
まずほめるところを探してみよう。若い頃の堀北真希がかわいい。
あっ、終わっちゃった… まあ、令和に見るとつっこみどころ満載なんですよ！
水川あさみの変わらない演技力（上手なんだけど鳥のような声の高さに時々驚かされる）、ノースリーブ姿を見せてくれた柏原収史（途中まで玉山鉄二だと思っていた）、下ネタ担当のキャラをやらされる森下千里、そしてよくわからない役で出ている原史奈などなど、キャスティングも当時のイケイケメンツで固めている感じ。
ストーリーは都市伝説をテーマにしているのですが、首無し地蔵の話と見せかけて、実は… というドンデン返しがあります。いや、ドンデンなのか？
女の子の幽霊が出てくるのは『仄暗い水の底から』とか『着信アリ』のヒットに影響されているのかもしれない。それにしても、本当に女の子？ってくらい、正体がよくわからない幽霊が迫ってきます。毛がもしゃもしゃなのね。
まずこの映画は、河原で行われている合コンから始まります。
か、河原で合コン…？
しかも、森下千里が肉食系女子みたいなことをやらされていて、それに役者として食いつかなければならない俳優たちのヒャッハー感がもう気まずい。
森下千里が盛り上げようと「～～だっちゃ（ハート）」と謎の語尾で話しているのもカロリー高めでこみあげてくるものがあります。すごく頑張ってるよ森下千里！私ならゲーしそうな空気感。
そもそも、キャストがあんまり仲良くなさそうなのが透けて見える。初対面とは別のギクシャク感があるので、会話シーンはアドリブも多いのかもしれない。
しかも、近くに首が転がっている首無し地蔵の真横で合コンをするという罰当たり感。この地蔵がまた、作り物感がすごい。軽そう。
この合コンで知り合った面々が、怪奇現象に巻き込まれます。
まず主人公・リエカの友達の愛、合コン相手の一人の彰彦が失踪。彰彦は愛の部屋で見つかるも、リエカに発見された途端にウォウウォウ言いながら突然死（ちなみにこの役、現在も俳優として活躍中の和田聡宏がやってます）。
個人的には、リエカが愛のマンションを訪れた時、彼女の部屋の前に下げられたネームプレートが気になりました。昭和の子供部屋の前にかけてあるみたいな、ファンシーグッズのような丸文字字体とコルク素材のプレート。き、きつい…！私が男子学生ならたぶん萎える、あれが玄関にぶら下がってたら…
落ち込むリエカですが、今度はもうひとりの友達の夕栞（読みを忘れたが、すごいキラキラネームすぎて忘れちゃった）が洋服屋の試着室で失踪。服の中から赤ちゃんの泣き声と腕が…
合コン参加者の残りであるリエカ、良平、圭太郎はお地蔵さまに謝りに行くことに。その直後にイタリアンで酒盛りをする3人ですが（友達が失踪中なのでは…？）、圭太郎は突然ヘッドバンキングを始め、そのまま止まらずに首が折れて…
という、開いた口が塞がらない死因。首振り死…？
一方、消えた愛はナンパ男をコインロッカーの前に連れ込み、そのまま男はコインロッカーに吸い込まれてしまいます。
そう、実は地蔵はお話にほぼ関係なく、このコインロッカーが元凶！「渋谷に使うと幸せになれるコインロッカーがある」という都市伝説が流行っていたのですが、実はそれは嘘で「不幸になるコインロッカー」だったというわけ。そのコインロッカーを使用したリエカたちに次々おそろしいことが起きているという話だったんですね！
幸せになれるコインロッカーって響きがもう、薬物売買の取引に使われていそうで怖い。
この愛ちゃんは倒れているところを発見され病院に運ばれるのですが、まさかの自死。この退場の仕方はなかなか凄まじいものがありました。病院の自分の部屋の窓辺にいる愛と目が合ったリエカ。「起きられるようになったんだ！やったあ！愛、待っててね！」と部屋に走っていくと、彼女は窓辺に立っていたのではなく首を吊っていたっていうね… このシーンはめちゃくちゃ怖かった。
リエカはコインロッカーに原因があるはずと直感を働かせ（にしても直感が鋭すぎる）、コインロッカーの前（なぜか高架下にある）に舞い戻ります。
このコインロッカーではかつて新生児が遺棄されるという事件があり、遺棄された子供の幽霊がこの世を恨みまくって、男はあの世に送り（ロッカーに吸い込まれた後はどうなったのか不明）、女性は男をコインロッカー前に連れてくるためにひたすら渋谷を徘徊させるという、半グレも真っ青の敏腕ぶりを発揮。
結局良平もコインロッカーに吸い込まれ、リエカは彼女を受け入れて昏倒。リエカの教え子である女子高生（堀北真希）にコインロッカーの鍵が渡り、続編に続く… ということらしいです。
コインロッカーに子供を遺棄するというのは普通に胸糞案件なのですが、母親は無理やり…されて、その後妊娠が発覚して…育てられないわ… みたいな流れだったと記憶しています。いや、だからってこんなことをしてはいけませんよね…？？
でもそこからどうして、自分とは関係ないイケイケ女子大生や男子大学生を狙うんでしょうか？チャラい奴が許せない？陰キャの中学生みたいなノリはよくないぞ！
あと、良平を演じる柏原さんがロッカーに引きずり込まれるシーンがシュールでしたね。くまのプーさんが横穴にはまってお尻が抜けなくなるシーンは有名ですが、まさにあんな感じ。上半身はロッカーの中、下半身はロッカーの外でジタバタモゴモゴ。
マ ヌ ケ 以外の何物でもない。これ、天下のイケメン俳優がやってもこれなんですから。もうどうにもできないと思う。
この映画には教訓がないってところも頭悪い感じで好き。コインロッカーを使っただけなのに。もちろんホラーは理不尽であるべきではあるのですが、それにしても限度がある。
徘徊している愛ちゃんは超薄着（すけすけキャミワンピみたいな服）にミュールで渋谷を延々と歩かされていたようで、か、かわいそうすぎる… 休足時間とか使ってくれ。