音楽を聴くと怯むゾンビ、というのは聴覚特化型なのだろうか。
ゾンビでも
- 視力が変わらない
- 嗅覚が優れている
- 聴力が優れている
この3パターンだと思うんですよ。さすがに味覚に優れたゾンビはいねぇだろ(食べてから判別するゾンビも理論上はいそうではあるが)とも思うし、触覚に優れたゾンビってもうわけがわかんねぇなでしょう。
でも、目が普通に見えるゾンビって面白味がないから、やはり耳がいいゾンビっていうのが多くなりますよね。目はよく見えない、代わりに耳がいい。
だから「音楽を流して妨害だ!」みたいなパターン。
そのせいか、音楽そのものを嫌うゾンビ設定も多い気がする。人間の作り上げてきた文化を拒否する、退行しようとする存在という意味付けもしやすいし。
「音楽を楽しめるのは人間だけの特権だぜ!」みたいなノリ。こういう映画ってロック好きなイメージ。そしてこちらの映画もそんな印象がある。
2018年『インフェクテッドZ』を見た。アメリカのゾンビ映画です。
ゾンビ映画というより感染系の映画ですね。
新種の狂犬病が流行したことで感染者は狂暴化、人間は地下施設に潜み対抗策を練っていた。しかし、感染者と意思疎通ができる主人公・モーガンは、感染した妻を助けるためのヒントを探し続ける。一方、彼と研究を続けるローズ博士は、モーガンへの気持ちを抑えられず…
その一方で、高い知性を持つ感染者のリーダー・マイケルが地下施設を襲撃するように指示。人間の拠点は襲われてしまう…
という話。
で、この映画に出てくる感染者は音楽が苦手なんですね。主人公は音楽マニアで、いろんな音楽を聴かせて拷問めいたノリも出したりするのですが。演奏したりするノリがあってもよさそうだけど、それはなかったですね。オーディオマニアってわけでもないし。
とはいえ、著作権の都合上、有名な曲を出せるわけではないらしい。その時点でちょっと尻つぼみなのが悲しい。
もちろん狂犬病が軸になってゾンビが出現するというのも面白いとも思うのですが、それよりも気になるのは。
そう、三角関係なのである。主人公のモーガン、その妻(感染したけど妻を監禁して治せないか四苦八苦中)、ローズ博士の三角関係。モーガンは妻大好き、でもローズ博士の気持ちにも気付いている…
明らかにローズ博士が余計なことをしている気がするのですが、最後に人間の拠点が崩壊した後、妻はモーガンを守って脱落、ローズ博士とモーガンはさっそくイチャつきながら(※個人の感想)バイクで旅に出る… みたいな終わり方なのがね…
バイクで旅に出るのが絶妙にムカつくんだよな。
なぜかキャスティングは豪華なのですが、感染者とモーガンが対峙するシーン以外はふんわりしていてあまり印象に残らず(モーガンの親友が死ぬシーンなんて悲しいんだけど)。
あと、モーガンのどこがいいのか全然ローズ博士が教えてくれないから、なーんか腑に落ちないのもある。何が彼女の琴線に触れたのか?それをはっきりさせてくれれば、彼女の弱さも見えた気がするんだけど。特殊能力持ちなのも説明がないし。なんか、浅い少年漫画みたいな話だな。
音楽でゾンビを倒せるという展開があった場合、生き残りにオーディオマニアが混ざっていたらすごいこだわりのもと人間は自滅しそうだなとふと思った。いや、意外とそれで生き残れるのかもしれない。ふと『7人のおたく』が見たくなったよ。