ホラー映画のセオリーを無視する流れ、嫌いじゃない『カッターヘッド 真夜中の切断魔』

カッターヘッド

2018年の映画『カッターヘッド 真夜中の切断魔』を見ました。

別荘に行ったら殺人鬼に襲われるという、真っ向から挑んでくるホラー映画。ただ、ホラー映画らしからぬひねりも多く、苦笑するシーンも多い。

ちょっと面白かったので(※純粋な意味ではない)ここに記しておきたいのです。

主演は『ハンズメイド・テイル』に出演している女優さんらしいのですが、見てないのでわからない。ごめんなさい。

別荘地に遊びに行った主婦・ローラと、その娘ケイラとマディ。しかし夜中にマディが吐き戻してしまう。その理由は、森の中に置かれていたカップケーキを食べてしまったから。

娘の口の中からローラが見つけたのは、「ハロー」と書かれたリボンだった…

もうこの時点で怖いというよりおかしい。「HELLO」じゃねーよ!イットのピエロとか、フレディとかに「ハロォ…(ニヤリ)」と言われたらそりゃ怖いわよ。ただ、子供の口の中から出てきたリボンに書かれていてもさぁ… シュール!

ちなみに夫のショーンは遅れて別荘にきましたが、あっさり殺されます。

逃げようとしたら車は脱輪するし(このシーン、タイヤが飛び散っていく様がダイナミックでびびった)、ローラの顔以外は消された家族写真が家の前に掲示されるわ…で散々。

ローラの顔だけを残しておいたのは僕のママになってぇ~ということなのでしょうか(なお、理由はよくわからないまま映画が終わった)。

管理人も殺され、夫も腕と目をもがれて発見され、ローラ本人も捕まって車のトランクの中に刺された状態で監禁されます。残された娘たちが逃げ惑うのですが…

なおこの時、監禁されたローラの顔に赤い毛糸が巻き付けられているのですが、なにこれ性癖なの?殺人鬼(ジョン)くん、性癖エグくない?とモヤモヤしちゃう。

子供を車で追い掛け回し、ベッドをひっくり返して子供を狩るというシーンにも驚くしかない。

ベッドの上からナイフがグサ!マットレス越しに貫通する刃先!叫ぶ子供!

とか

足から引きずり出される子供たち!泣き叫ぶ!

とかじゃなく、ベッドがバッカーン!とひっくり返されるのは新しい。すごい力業。

そもそもこのジョン、もともと別荘に前に住んでいた子供(今は大人)らしいのですが、失踪したこと以外よくわからず。この家族を襲った理由もよくわからず。ずっとローラを見ていたらしいが。

とりあえずジョンくんは湖畔に置いた4体の木彫りの人形(手作り)に人間のリアルパーツをつけてティーパーティごっこがしたいらしい。なにいってんだか自分でもよくわからないですけど。

まず一体にショーンの目と腕をつけ(グロいけどなんで目と腕だけ…??)次は娘たちだぜ!となったところで、急にローラが反撃。彼女たちは車で逃げますが、ジョンはすぐにいなくなっていて…

そもそも、ローラは刺されて何時間も経っているのにどうして男のジョンに勝てたのか?

ジョンもオノで叩かれてぶっ倒れたのにどうしてサッと姿を消せたのか?

あと、ジョンのマスクがガビガビに乾いた包帯フルマスク(もしかして樹皮かも?)に豚鼻を彫り込んだみたいな謎デザインなのもよくわからない。目と鼻しか穴ないと息しにくそう。フガフガと鼻息荒そうな殺人鬼だな。コロナに配慮??

など、ちょこちょこおもしろいんですよね。

姉妹の会話シーンでも、怯える妹に「じゃあ、これもってていいよ!」と姉が母に持たされた包丁を渡すところがあります。えっ、これ嬉しい?40センチくらいの刃物、持っててもこわくね? などなど。

製作陣はホラー映画らしいものを作ろうとしていない気がする。それが新しい。わりと好き。