2020年の『ダーク・アンド・ウィケッド』を見ました。アメリカ映画。
う~ん、非常に見るのが苦痛で(ヒドイ!グロイ!とかではなく、だらだらしていて飽きちゃって…)つらかったんですけど。最近の若い人は倍速で映画や動画を見るんですって!という話がありましたが、この映画ならいいと思うよ。
ひとつだけ、映画をたくさん見た人間として言いたいことは、これ面白いな。好きだな。カッケーな。と思ったら、絶対に倍速で見ないからね。倍速にするの忘れるからね。見とれるから。
でも、倍速で見られたからといって、悪い映画というわけでもないんですけどね。
この映画では田舎町を舞台に、介護中の父と精神を病んだ母のもとにかえってきた姉と弟が直面する恐怖が描かれております。
いい点を挙げるとすれば、
- 非常に陰鬱である(悪く言えば、画面が暗くて部屋を真っ暗にしないとよくわからないレベル)
- 家畜の皆殺しシーン(DVDジャケットにも採用されている)はショッキング(まぁ…合成なんだけどさ… そのせいか、わりと見にくいです)
くらいかなぁ。
- 帰郷して早々、母親が自死。自分の指を包丁で刻んだ後に首を吊る
- 父親の口から虫(クモ)が出る
- 起きられないはずの父が姉のシャワーを覗いている
- 牧師がかどわかしにくるが偽物。本物は自死
- 父の幻覚、今度は天井に張り付いている
- 恐怖に怯えた弟は家に帰るが、自分の子供たちが死んでいる幻覚を見せられ自死
- 介護のヘルパーさんも狂って死
- 取り残された姉と父… 絶望…
おかしくなった母親、包丁で手を刻みがち。ホラー映画あるある。というのはおいておいて、父親の幻覚の出方がわりとエキセントリックなので怖いというよりも「おっ、おおっ…」となります。
天井で張り付いて寝るのって忍者ハットリくんの寝方だったよな…とか思い出すと怖がれないよぉ!
ただ、老々介護や介護うつのような状況を扱ったホラーというのは今後も増えそうですし(身近な問題だから)、もしかしたら先駆けのような存在になるかもしれませんねこの映画が… という嘘はおいといて。
最後まで何が家族を脅かしているのかははっきりしないタイプのオカルトです。田舎町とオカルトは親和性が高いとはいえ、まっったく正体がわからないのもスゴイ。
私はもうちょい田舎町の風景を見たかったですね。
『秘密の花園』という子供向けの名作小説がありますけれども、この海外映画?ドラマ?が大好きで、録画して何度も見ていたのですが。この時に、イギリスの荒れ地のおそろしさ、冷え冷えとした冷たさみたいなものは叩き込まれたのです。イメージとしてですが。そういう、土地の持つ恐ろしさというか、人間が抱いてしまう畏怖のような感情をもっと見られたらうれしかったです。