エリート寮を舞台に高慢高校生を化け物が食いまくる『スローターハウス・ルールズ』

更新に時間が空いてしまった!

2018年のイギリス映画『スローターハウス・ルールズ』を見ました。前半はイギリス映画らしい雰囲気の、エリート寮を舞台にしたサスペンス風味の青春劇なのですが、後半はモンスターパニックになります。

ノーチェックだったのですが、サイモン・ペッグとニック・フロストが出演していてビックリ(製作総指揮の一員でもある)。サイモンは気の小さいマジメ教師・ハウスマン、ニックはぶっ飛んでる環境活動家・ウディ(でも実はキーマン)を演じています。

しかし、ヒロインを演じている女優さんの本名がハーマイオニーというのがすごい。

主人公のドナルドは父親を亡くしてエリート校に転校してきた普通の青年。ルームメイトのウィルは偏屈でシニカル、以前学校で起きた自殺騒動について重く口を閉ざしています。

ヒロインはクレムジーという超お嬢様で、その彼女に一目惚れする主人公。でも彼女にはスマジャーというイケメンの彼氏がいるようで…!?

寮のお荷物である少年・ウートン(常にいじめられている)、メガネっ子のハグリーブス、ガチガチいじめっ子の最上級生至上主義のクレッグもいますが、前半はひたすら最上級生にしごかれ、クレムジーにキュンキュンして… と、ホラー展開を期待している身にはつらい場面が延々と続きます。

しかし、近隣の森の中に作られた水圧破砕タワー(ってなんだ?)がガス採掘した地下空間から化け物が次々登場。

休暇中に学校に残っていたメインキャストはもちろん、金儲け大好きな学園長や乱〇パーティ中の最上級生たちを化け物が襲いに来ます。

そして学校を右往左往することになる主人公たち(主人公、ウィル、クレムジー、クレムジーの親友のケイ、ハグリーブス、ウートン)。

まず学園長が食われ、脱出する予定が「実はスマジャーは私の兄貴(最上級生同士ということは双子なのか?)。助けに行こう」とパーティへ救助へ突入。しかし化け物がそこにも襲来。で、兄貴を救って昏倒していたハウスマン先生を助けて武器の銃を探しに行くも、今度はキチ化したクレッグが登場して主人公を殺そうとします。まぁ化け物に食われるんですが。

生徒を守ろうとした先生もここで脱落し、今度こそ脱出するために学園の地下トンネルへ。しかしトンネルこそ化け物の巣窟だったというズコー展開が待っています。ここで環境活動家(ニック・フロスト)が再登場して、彼もかつては学園の生徒であり、地下トンネルに入って学園を爆破しようとした時に兄弟のテディを失ったことを語るのです。

化け物に襲われてピンチになった主人公チームですが、ウィルが犠牲になって他全員が脱出。しかし主人公は彼を助けに戻り、ガスに引火させて巣ごと爆発させることに成功。学校も爆発。

最後は生存者たちがカッコよく道を歩いていき、実は先生も生きていた… みたいなオチでした。

ウィルと以前のルームメイト・シーモアは実はゲイカップルで、そのことでイジメられていたシーモアが自殺したというのが自殺騒動の真相なのですが、主人公とウィルの間に生まれる友情は非常に感動的ではありました(まぁ、ゲイ要素はあってもなくてもいいとは思いますが)。

また、あたおかキャラのクレッグくんですが、軍服マニアの超サディストで、非常にバカバカしいキャラクターでよかったですね。いい役だなあ。ウィルを演じていたエイサ・バターフィールドもすごくよかった。繊細な少年を演じられる俳優さんに好感度が高まるのはなぜなのだろう。

サイモンとニックのファンは間違いなく楽しめると思います。また、化け物の造形は素晴らしいとも思う。ただ、楽しいけど惨劇が始まるまでの待ち時間にボーッとしちゃうのも事実なんですね。