ゾンビに変化する過程より嫁のパンチ力が気になる「アイ・オブ・ザ・デッド」

アイ・オブ・ザ・デッド

2015年カナダ/アメリカ映画。ゾンビ映画なのですが、ポイントは「主人公が人間からゾンビに変化していく様子がPOVで体感できる」というところだそうです。という誇大広告な映画なわけですが…

この映画を語るうえで欠かせないのが、翻訳がクソだということ。いや、一所懸命に作ったスタッフさんには申し訳ないのですが、自動翻訳か?といいたくなるくらいダメ。途中まで敬語を話していたのに突然タメ語になったり、また敬語に戻ったりするので誰がどのセリフを話しているのかわからない(口元も見えてない)。

主人公は農場に住んでおり、そこに友人夫婦とその妹3人が訪ねてきたところゾンビパニックが起こります。その原因は政府がまいた農薬の影響なのですが、この事件を隠蔽しに来たのがMIBのコスプレ風の安っぽいコンビ。トウモロコシ畑でゾンビを探すシーンはなかなかに緊迫していたものの、隠蔽しにやってきたコンビの片割れが最初にゾンビに噛まれるというお粗末ぶりもひどい。

逃げようとする主人公グループですが、車の事故であっけなく計画は頓挫。しかも母親が死んだ少年アダムを助けて、6人のグループになってしまいます。

ここで気になるのは主人公の嫁なのですが、そもそも主人公は酒と薬に溺れた過去があるため「ゾンビが来てるぞ!」と言ってもなかなか信用してもらえないかわいそうな奴であります。しかしそれ以上に嫁のキャラが濃く、諦めようとする女友達を強めにパンチして正気に戻すなど「これは吉本新喜劇か?」という感じ。
そんな夫婦にも流産の過去があり、子供を失った…という話も途中で出てきますが、やっぱり嫁のパンチが強いほうが頭に残っちゃう。

助けた少年アダムは「全員死ぬんだ」と諦めモードに突入した挙げ句どこかに消えてしまい、足を引っ張ります。探しに行った主人公は隠蔽しにやってきたコンビの生き残りのほうと遭遇。実は彼は解毒剤を持っており、感染させられた主人公は男の言うことを聞くしかありません。しかし、実は解毒剤は1つしかなく、主人公はアダムに解毒剤を譲ってゾンビになることを選ぶのであります。

ちなみにこのゾンビ、CGを使用しておらず血糊とメイクだけで演出しているようですが、豚の胎児のゾンビが出てきたのは非常に気持ちが悪かった。ホラー映画らしいっちゃらしいけど、なぜそこに力を入れたのかはわからない。あと、ボンネットに生首がポンと置かれていたシーンも謎。なんで飾ったんだ。ゾンビよ。

主人公はゾンビ化していく様子をご丁寧に鏡でチェック(といってもルックスが変わって視界がぐにゃる程度)。嫁はおかしくなっていく旦那をまたバンバンぶん殴るのですが、あえなくゾンビとなった夫は妻と仲間を襲います。さらに、立てこもっていた家のバリケードがいきなり全壊して他のゾンビもなだれこんできてしまいました。すごい悪運だ。
嫁をしつこく襲ってとうとう食べちゃう主人公。そこにいきなり軍、さらには白衣のセクシー女博士が登場。こんな現場に白衣を着て現れるってどういう了見なのかは不明ですが、非感染者は射殺、感染者はお持ち帰り、家は燃やすという鬼畜の所業で物語を締めくくります。しかも中から火をつけるんですけど、いやいや外からつけろよ。火がまわるの早かったら逃げられないだろアホとは思いました。

ラストは主人公の友達?が研究所にお持ち帰りされて実験材料にされるみたいな流れだったと思うんだけど、POVのせいで主人公の目線なのか、ラストシーンだけ友達目線に変わっているのかが判断できないというガバガバラストであります。しかも研究所の照明が妙にオシャレなのもムカつきました。

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