ラストは狂気のドリフにしか見えないという悲哀作「サスペリア」

サスペリア

2018年のイタリア/アメリカ映画「サスペリア」。かの有名なカルト映画のリメイクなのですが、なかなかの怪作です。
正直に言いまして、終盤ものすごく笑いました。

ティルダ・スウィントンのための映画という印象ですが、気になるのはクロエ・グレース・モレッツが出演しているということ。この方、本当に出演する映画を選ぶのがヘタクソというか…いい女優さんだし大好きなんだけど。

あらすじ。
1977年、ベルリン。世界的舞踊団“マルコス・ダンス・カンパニー”のオーディションを受けるためにアメリカからやって来たスージーは、カリスマ振付師マダム・ブランの目に留まり、晴れて入団を許される。折しも舞踊団では主力ダンサーのパトリシアが謎の失踪を遂げる事件が起きていて、彼女のカウンセリングに当たっていた心理療法士のクレンペラー博士がその行方を追って独自の調査を進めていた。そんな中、マダム・ブランに才能を見出されたスージーは、目前に迫った次回公演の大役に大抜擢されるのだったが…。(出典:allcinema)

物語はパトリシアが精神医に相談にやってくるところからスタート。狂人にしか見えない彼女ですが…?
主人公のスージーはメノナイトの実家を捨てるように祖国アメリカを脱出、ベルリンのダンス団のオーディションを受け、合格。しかしその舞踏団はめちゃくちゃ怪しいところなのであります。

突然の団員の脱退により、主人公を演じることになったスージー。しかし、スージーの踊りとともに脱退して逃げようとしていたオルガの体がバッキバキに折れて死亡。ダンス団のスタッフたちはその死体を秘密の部屋にこっそり隠します。

スージーと友達になったサラは、失踪したオルガを探すことに。しかし、オルガの実家の住所を探しているうちに、スージーは同じくオルガの捜査にやってきた刑事で遊んでいる(男性刑事の下半身をむきだしにして笑っている)スタッフたちを目撃。そしてそれを知らないスタッフたちは、オルガを儀式で捧げることに決めるのです…

やはり失踪したパトリシアを探す精神科医は、サラに接触。当初は医師を信用しないサラでしたが、秘密の部屋を見つけてからは俄然ダンス団を疑いはじめます。一方で、スージーはダンス団にのめり込んでいき…

そしてダンス団の発表会の日、主演で見事なダンスを見せるスージー。そしてサラはみんながいない間に秘密の部屋に忍び込み、パトリシアや諸悪の根源・マルコス(スタッフたちのボス)も見つけてしまいます。逃げるサラですが、力に負け、洗脳状態になって発表会にやってきてそのまま転倒。
精神科医も亡くなった妻の幻覚を見せられてダンス団のスタジオに呼び寄せられ、儀式の証人にさせられることに。

儀式で激しく踊りまくる全裸の団員たち(操られているため意識がない)。死んだような状態で生かされているパトリシア、オルガ、サラ。スージーを儀式に使うことに反対するマダム・ブランはマルコスに殺されるも、スージーはめちゃくちゃノリノリで儀式に参加。そして突然、自分がマルコスよりも偉い存在だと独白します。そしてやりすぎているスタッフたちをバスバスと殺しまくり、死にかけのパトリシアやサラを死に導き、最終的には自分の胸を裂いたのでありました。その隙間でブンブン踊りまくる団員たち。ここでポイントなのが「裸」なのですが、恐怖や狂気を強調しようとするも、「裸で頭をブンブン振り回すとなんだかマヌケ」のほうがなんとなく勝ってしまっているという悲しい事実。

生き残ったスタッフは精神科医を解放し、スージーは改めて巻き込まれた彼に謝罪に行き、彼がずっと探していた亡くなった妻の死に様について伝えてお話は終了。という感じのお話。

「サスペリア」のオリジナルもみているけれど、こんな話だったっけ??

もっとどことなく卑猥で、生々しくて、おぞましかった気がするんだけど。同窓会で久しぶりに出会ったマドンナ(ってのも古いね)の目尻にくっきりシワがあったのを発見したような気分。うーん。

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