2016年の映画「RAW 少女のめざめ」を見ました。フランス/ベルギー映画。
フランスの女性監督がカニバリズムと女性の性の目覚めを絡めて描いた青春ホラーってことなのですが、ものすごくクセがあるのに美しく、それでいて醜く、すごくいい映画です。フランスらしいよくワカンネーところもありましたが。
登場人物
ジュスティーヌ：主人公。ベジタリアンの優等生。獣医大でもトップクラスの成績を誇るが、融通が利かない性格にコンプレックスを持つ。
アレックス：主人公の姉。同じ大学に通う先輩だが、要領が良くて派手で遊び好きと妹とは反対の性格をしている。
アドリアン：主人公と同室。ゲイだと公表しており、ジュスティーヌと気が合うものの、部屋に何度も男を連れ込むなどだらしない一面が目立つ。
ジュスティーヌの母：非常に厳格であり、娘たちを支配しようとしている印象すらある。
ジュスティーヌの父：空気。ちなみに夫婦ともに娘たちと同じ大学を出ている獣医である。
ネタバレ
大学に入学し、寮生活を始める主人公。母は娘にベジタリアンを強いている。
（そのわりに車で足を上に乗せてかっぴろげるなど足癖の悪さがすごいママさん）
ゲイとルームメイトになったうえに、入寮時の儀式としてマットレスや荷物などを窓から放り出され、四つん這いになって歩かされ、謎の部屋に連れて行かれる新入生。そこで歓迎パーティが始まり（浮かれた女、おっぱいを出して記念撮影。18歳だろ…？）、ジュスティーヌは久しぶりに姉と再会する。
新入生たちはさらに授業前に動物の生き血をかけられ、生の肉（うさぎの生の腎臓）を食べさせられる。ジュスティーヌは拒否するが、姉のアレックスはすでにベジタリアンをやめているといい、妹にも無理やり食べさせる。
優等生すぎてクラスから浮いているジュスティーヌ。
夜中に突然じんましんが出てしまう。食中毒だったらしい。
上級生からの新入生いじめ、姉とのケンカ、男を部屋に連れ込むルームメイト。
ジュスティーヌはなぜかハンバーグを万引きしてしまう。
アドリアンは彼女をかばい、ケバブを食べに連れ出した。
ジュスティーヌはだんだんと肉に取り憑かれていく。
先生にいじめられるジュスティーヌ。ストレスが高まるなか、トイレで髪の毛を吐いてしまった。
姉と仲直りをして、なぜか屋上で立ちションをする2人（女でもできる！っていうことらしいですが…）。
眉毛の整理をしているうちに、アレックスにブラジリアンワックスをしてもらうことになってしまう。だが、ワックスがとれなくなり焦るうちに、ハサミで指を切断してしまった姉。しかも、その姉の指の血を吸い、指を吸い、舐めてかじる。
その様子を姉に見られてしまう。
姉が入院した病院で、入れ歯パカパカおじさんにニッコリされる主人公。
愛犬は安楽死させられた。姉はなぜか、ジュスティーヌが指を食べたことを内緒にしてくれる。
指を食べてしまったことにされた愛犬・クイックは安楽死させられてしまった。
母は狂ったように姉の世話に夢中になる。
動物は1度人間の味を知ったら危険だ。ずっとその味を追い続けるから。
帰り道、アレックスはなぜか突然田舎道で車の前に飛び出し、事故った人の傷口から食べ始める。
「練習が必要だから」
そう、姉もまさかの人肉喰いだったのだ！
だが、姉とアドレアンはいつの間にか仲良くなっている。
新入生いじめはまだ続いており、夜にペンキをぶっかけられ、「ペンキが混ぜ合わさるまで出てくるな」と知らない男と一緒に風呂場に閉じ込められたりする。ジュスティーヌはその男とキスをするが、唇を噛みちぎってしまった。
イライラしているアドレアン。ジュスティーヌと関係を持ってしまう。
ジュスティーヌは彼のことが食べたくてたまらない。自分の手を噛んで我慢をする。
アドレアンはそれを後悔して、ジュスティーヌを避けるようになる。
ジュスティーヌは人が変わったようにパーティ狂いになってしまう（眼球舐めシーンもあります）。
翌日アドレアンはジュスティーヌを呼び出した。彼女が泥酔して、死体の手首を食べようとしている動画が拡散されているからだ。しかもそれを誘導しているのはアレックスだ。姉は妹を犬のように扱っている。
姉妹は喧嘩になり、肉を食いちぎり合いながらつかみあう。大喧嘩の末、なぜか仲良しに戻る2人。
新入生へのいじめも終わり、ジュスティーヌはアドレアンと一緒のベッドで眠る。
しかし目を覚ましたら、彼は足を食いちぎられて死んでいた。食べたのはアレックスだった。ジュスティーヌは姉を殺さず、彼女は刑務所に収容される。
家に戻ってきたジュスティーヌ。母は娘のベジタリアンにこだわり続けている。
父は「アレックスもお母さんも悪くない」という。そして、夫婦のなれそめについて語り合う。母のガードは堅かった。ようやく口説き落とし、結ばれた。彼は妻を愛している。
そう言いながら父はシャツを脱ぐが、大量の噛まれた跡が体の上に残っている。
「お前なら、きっと解決できるよ」