好きなタイプは藤原紀香の謎「香港ゾンビ」

香港ゾンビ

98年の香港映画「香港ゾンビ」。
ホラーコメディです。香港のゾンビ映画はさほどタイトルが多くないはずですが、この作品はそのなかでも歴史が古い方に分類されるのかもしれません。しかしさすが香港クオリティ。なんかしょっぱい感じがするのであります。

舞台はショッピングモール?風なのですが、どう見ても中野ブロードウェイにしか見えないです。

チンピラ崩れのモーディとビーは、映画館で盗撮して作ったDVDを売りさばいて生活しているしょうもない男。
その一方、ゾンビが国内に持ち込まれ、感染が(地味に)広がっています。
しかしモーディとビーはそのゾンビを車で轢いてしまい、その遺体をトランクに詰めてモールに持ち帰ってしまうのです。

どうしても金が必要な2人は、同じモールのエステで働くサイギュンから強盗を働くものの、すぐに疑われてしまいます。サイギュンは彼らが犯人か確かめるために飲みに誘いますが、ベロベロになって関係を持ちそうになってしまいます。一方、サイギュンに惚れている寿司屋のあんちゃんは、ゾンビに襲われてトイレの便器の蓋でゾンビの頭部を割るというすごい反撃を見せます。しかし、彼もまたゾンビになるのですが…?

ゾンビ映画は感染が拡大していくさまが見どころでもあると思うのですが、この映画はしばらくこの寿司屋のゾンビの独壇場です。急にゾンビが増えるのはカットされたのか?

なんだかんだでゾンビが襲来してきたうえ、モーディとビーは警備室で捕まっていたせいで手錠をかけられているというハンデありの脱走。
寿司屋のところにはゾンビがたまっており、寿司屋ゾンビは人肉をふるまっています。なぜかサッカーユニフォームのゾンビもいます。しかし、彼は好きだったサイギュンだけは襲いません。

ここらへんで登場人物のまとめが出てきます(公式)。
モーディ:武器は電気ドリル、好きなタイプは藤原紀香
サイギュン:武器は糸鋸、好きなものはハローキティ
ビー:武器は肉きり包丁
ジュリア:サイギュンの友達
コイ:モーディとビーの上の立場。モールで質屋をしている。
コイの妻:武器はスパナ。

エステサロンに隠れる面々ですが、コイは女性を見捨てようとする冷たい一面を見せます。おまけに嫁にビンタシーンまで出てきます(かわいそう)。

情けないコイは単独行動に出て、缶ジュースを飲もうとするもののゾンビと遭遇。必死で隠れますが結局自販機に挟まれてしまいます。コイ夫婦はあっさり死んじゃいますが、ビーも死亡。しかもビーの死体をゾンビがガラス越しに手を突っ込んで通路側に引き抜き、そのままバックブリーカーをかけてとどめをさします。死んでるのに。なんでだろ。

モーディとサイギュンは戦い続け、逃げることに。
車で逃げようとすると、寿司屋ゾンビがその前に立ちふさがります。しかし、シャッターをあけて車を逃がそうとして、襲ってくるゾンビを自分の体で食い止めるなど、こちらが求めていない純愛モード。ゾンビですが「ガ、ガクッ」と事切れて死んでしまいました。

外の世界もゾンビだらけになっており、ニュースでは細菌がジュースに混入されていたせいでゾンビ化が進んでいるという報道がされています。しかしそれを既に飲んでいるサイギュン。なので、モーディはそのことを隠したまま、自分もジュースを飲んでしまいます。いや、飲むなよ。

とにかく全体を通して画質が悪く、かつファッションや編集にも時代を感じるものの人を惹きつける雑さ、みたいなものが溢れているパワフルな作品。ラストはん?と思ったけど、こういう終わり方もありだとは思う。