「ホラー喰っちまったダ!/やめられない、とまらない人肉バーベキュー」

ホラー喰っちまったダ

「ホラー喰っちまったダ!/やめられない、とまらない人肉バーベキュー」。1979年のアメリカ映画。DVDになったのは最近だと記憶している。
もう、この映画はあきらかにおバカ、とうよりもそれ以上の「低能」「アホ」ホラーなのですが、タイトルからしてものすごい。
「ホラー喰っちまったダ!」というタイトルがもう、意味が分からない。そして「やめられない、とまらない」はおそらく、カルビーのかっぱえびせんのCMのパロディなのでしょうか。営業妨害で訴えられてもおかしくないレベルであります(カニバリズム映画だし)。

ネタバレ

工事現場で働いている主人公・ドナルド。だが、冒頭からブリブリと胸を振りながら歩いてきた女が、突然工事現場で胸を晒し、胸の形にくりぬいてある穴からそのおちちを出すという謎シーンが飛び出します。おちちを見た工事現場の人たちがそこにかけより、変なことをしようとするけれど、女性は逃げ出します。どういうことなの……??※本編と全く関係ない
主人公のおっさんはそれより、自分のサンドイッチを見て落ち込んでいました。なんと、パンの間にまるまるカニが挟まっているというすさまじいサンドイッチがお弁当になっていた。そう、彼女の嫁はむちゃくちゃメシマズだったのであります。

嫁は当時最新家電と思われる電子レンジを購入し、料理も大好き。でも、とにかくむちゃくちゃまずい。なので、主人公はなかなか家に帰ってこないし、メシも食おうとしないのであります。
バーでくだをまく主人公。マスターと話すのは、なぜか痔の話です。

家に帰ってきても「汚い体でソファに座るな」と命令して来るし、「電気を消してろうそくをつけて飯を食う」と言い張ってテーブルを炎上させる妻。そんな妻にストレスがたまった主人公は、泥酔して帰宅した時、妻のごはんにツバを吐きかけてパンキッシュに反抗!部屋を荒らす夫にメシをぶつける妻、怒った夫はそのまま妻を殴るわ首を絞めるわで殺してしまいます。

翌朝。二日酔いの夫は、妻を殺して電子レンジに入れたことを思い出します。
「メメ……メメ……メメ……メメ……メイ!?」
と、やたらと長く驚く主人公のおっさん(ハイセンスなギャグだ)。
嫁をバラバラにしてなぜか保存する主人公ですが、アクメ保険会社の番組で、死体処理には食べるという方法もあると知り、実践することにします。もう、狂気を何周するんだというくらいマジキチメーターが振り切れていますが、とにかくコツコツ嫁を食べる主人公。

そしてバーですごい髪型(多毛のソバージュ)をひっかけ、お持ち帰ってエッチに持ち込み、そのまま殺し、食材にするドナルド。えっ!?いつの間に食人に目覚めたんだ!?と思ったのですが、なぜか貴重なはずの女性の腕をそのまま捨ててしまい、それをホームレスが拾って、その腕を使って自慰行為を行うというさらにムチャクチャな展開。

ドナルドは料理に目覚め、調理器具のお店に行き、数メートルサイズのでっかいクッキーシートがないか聞くが、店主には変人扱いされる(この世界線ではかなりまともな部類の人である)。
ドナルドは、脳内で女子の裸にクリームをぬりぬりする妄想を楽しみます。
さらに、鳥の被り物をしている女性(チキンの宣伝バイトだっけ?)をまたお持ち帰りして、殺していきます。

しかしながら主人公は自分の行いが怖くなり、カウンセリングを受けることに。しかし、カウンセラーは居眠りしていたうえ、彼の話を冗談だと思ってしまう。

ずっととっておいた嫁の頭が瞬間移動していて驚くドナルド(この嫁の頭が紙粘土みたいに見える)。彼が嫁の頭を持ってウロウロしている時に、ちょうど嫁の妹が襲来し、ギャンギャン騒ぎまくります。妹を拉致監禁し、口にパンを詰めて閉じ込めるドナルドくん。

食生活が良くなり、元気になっていくドナルドを、同僚たちも頼もしげに見つめます。
ちなみにドナルドは近所のセクシーお姉さんが大好きなのですが、このお姉さんのキャラも頭がおかしく、りんごを食べながらパンツをはいたまま放尿したりしています。この女の正体もよくわからない。

ドナルドは殺人を続け、「一番」と漢字で書かれたオシャレエプロンで調理をする(誰かの日本土産なのだろうか?浅草土産っぽい)。
同僚を招いてパーティをしようとしていたが、電子レンジのせいで心臓のペースメーカーがおかしくなり、突然死したドナルド。家に遊びに来た同僚たちは、自分たちがおすそわけされていた食べ物の正体が人肉だと知り、吐き戻す。

その後。売り家になった家から、家具を運び出す業者たちは、ようやく嫁の妹を見つける(なぜかこのおばさんだけ生きてる)。そして、冷蔵庫の奥にある嫁の目がギラギラ光り、オレンジの光を放つ。そのオレンジのシルエットが画面に残り、突然暗転する。

感想

まず、バーベキューしてねぇじゃねえかというツッコミをするのも野暮なのかもしれない。
そして、電子レンジでいろんな料理をしている主人公なのですが、どう見ても製作陣がオーブンと電子レンジの性能を混同しているように見えるのが悲しい。それとも、電子レンジとオーブンが合体している製品は既に79年以前にあったのでしょうか?
メイの生首の出来がすさまじく悪いのも、最後オレンジの発光でシメられるのも、ツッコミ疲れていてもうどうでもよくなってきます。
とりあえず、嫁のメシがめちゃくちゃまずいという描写がリアルでした。嫁のメシより人肉のほうが美味しかったのかな。そんなことあるか?にしても、カニのサンドイッチのくだりとか、嫁の名前をどもりすぎるくだりとか、コントとしては超一級だとも思います。アホホラーが好きな人はぜひ。