「ゴースト・ブライド」

ゴーストブライド

ロシア映画「ゴースト・ブライド」。2016年の映画です。
結婚予定の女子大生が、彼の実家に行ったら悪霊に乗っ取られそうになるというオカルト。

登場人物

ナスチャ:女子大生だが、結婚予定。処女。
ヴァンヤ:ナスチャの夫。何かを隠しているようだが……?
リザ:ヴァンヤの姉。シングルマザー。いかにも怪しい女性。
ミーシャとターニャ:リザの息子と娘。ヤンチャ。

ネタバレ

撮影用の銀板は、死者の魂を移すと言われていた。なので、ロシアでは死者のまぶたに目を描いて写真を撮影する風習があった。
早死にした花嫁・オルガの写真を撮影している婚約者。だが、何度撮影しようとしても、死体は不気味に首を垂れる。

婚約者は、オルガを生き返らせるため、処女の奴隷にその魂を移す。奴隷に婚約指輪をはめ、棺の中に入れて埋めようとするも、直後に女性の拳が棺を突き破る(ちょっと笑った)。婚約者は、儀式を止めた男を殺しすらするが、儀式の成功に驚くしかできない。

そして現代。
女子大生のナスチャは、結婚を控えていた。恋人は写真家のヴァンヤ。
(どうでもいいが、家でお尻丸出しで歩いているナスチャである)
結婚した2人を、ポップなBGMが包み込む(わりかしアホなシーン)。

だが、ヴァンヤは「日記を見つけた」と姉に電話をしていた。それをきっかけに、夫婦は夫の実家を訪れることになる。助手席でベールをつけ、車から頭を出すナスチャ(この女はアホなのか?)。

実家では、曾祖母が寝たきりらしく、しめきりの部屋がある。突然夫婦の結婚式をすると言い出すリザ。それに反対するヴァンヤだが……?
そして、リザはナスチャに曾祖母の結婚指輪を渡す。

風呂中。なんと、自分の幻覚を見るナスチャ。お互いにびっくりしているが、それをリザに見つかる。

夜、目を覚ますと夫がいない。夫と話している姉はナスチャたちをどうにかしようとしているように見える。ヴァンヤは出ていくつもりのようだが、朝になると姿が消えている。
リザは、曾祖母のドレスをナスチャに着せる。
※すごいフラグの乱立であります。

古代スラブ民族では、結婚式は葬式と考えられていた。花嫁は自分が生まれた家族から切り離され(=死)、夫の家に嫁ぐ。だからウエディングドレスは死に装束なのだ。
死霊は相手の目を覗き込んで、魂を奪う。

通風孔に入っていた兄妹だが、ターニャが出てこられなくなったと兄が助けを求めに来る。ナスチャは代わりに助けに行くが、不思議な部屋に迷い込む(隠し部屋?)。そこでまたもうひとりの自分に会い、倒れる。

ナスチャはオルガの記憶を覗く。オルガの婚約者が、彼女を助けようとオロオロしているのを見つめるナスチャ。

目を覚ますと、親戚のおばはん(正体がよくわからないが、姉の味方である)がそばにいて、彼女が処女かどうか聞いてくる。イエスという彼女に、親戚は大喜びする。
夫は相変わらず姿が見えない。
だが、夜中に彼を見つけるナスチャ。彼は監禁されていた。逃げるように嫁に告げるヴァンヤだが、「目を閉じて、息を止めろ!」としか言わない。
逃げるナスチャ。

また、オルガの過去に迷い込むナスチャだが、奴隷に乗り移ったオルガは、具合が悪くなって倒れてしまう。
「彼女は、あなたをつかまえる」
オルガ(にのっとられた女性)はそうメッセージを残す。

朝。あっという間に捕まっていたナスチャは親戚のおばはんに連れられて外に行くと、夫がいる。
ドレスを着せられつつ、アルバムを見せられるナスチャ。その写真に写っている女性は、全員同じに見える(いや、実際は顔の違いがよくわからないのですが)。そして、そこにいる女性たちは全員彼女の娘だと知り、ナスチャは暴れる。

彼女は屋根裏に縛られ、放置される。すると、奥からミイラの花嫁がはいつくばってやってくる。
ヴァンヤは彼女を助けようとするが、見つかってしまう。車で逃げる夫婦だが、ここで一族の婚約者にオルガが乗り移り続けていること、ヴァンヤはその魂が入った銀板を破壊するために探していたことが告げられる。しかし、次の瞬間、車は追突されて事故を起こす。

ナスチャは連れ帰られ、棺の中に入れられる。彼女は棺の中、足元から這ってくるミイラの花嫁に戦慄する。外から見ていても、棺は揺れていたが、突然静かになってしまう。
だが、中から出てきたナスチャは様子がおかしい。
「この体は汚れている!」(つまり、彼女は処女ではなかったのか)
と叫んだ声をきっかけに、ほとんどの親戚は逃げていく。

マネキンのように白塗りで、目元と口だけがぽっかり黒くなっている花嫁は、親戚のおばはんを捕まえる。彼女は叫びながら、目から血をだらだら流して絶命する。
生きていた夫は戻ってきてナスチャを助ける。
リザは殺されかけている。窓の外に吹っ飛ばされる彼女。兄妹がターゲットになっている!幽霊は息の匂いを嗅ぎ、目を覗いてターゲットを探す。それに気づいたリザは、ナスチャから指輪を取り上げる。子供たちは助かるが、オルガはリザに乗り移り、ナスチャを再度襲う。すると、隠し部屋からたまたま銀板が見つかった!
子供たちの声で、リザはナスチャを殺すのを躊躇する。

ナスチャとヴァンヤ、兄妹は家から逃げ出し、事件現場はメラメラと燃え上がる。
(なぜか家は燃えない)

その後。
ある家族が、例の家を内見にやってくる。
通風孔から中を見つめる少年。両親も同じようにする。すると暗闇から、花嫁らしき女がうっすらと浮かび上がってくる。

感想

幽霊花嫁のファッションがけっこうかっこよかったのと、結婚式と葬式の関連性についての説は面白かったのですが、お話全体はけっこうガバガバでした。
お話自体はかなりベーシック(若くて美しい娘の体を儀式で乗っ取ろうとする一家)な感じですが、「処女じゃないから助かりました」というところがいかにも現代のホラーという感じもする。
ナスチャのドッペルゲンガーの意味をもう少し解説してほしかったのと、オルガのエピソード部分はあまり怖くなかったのがちょっと残念です。