「フリークス・シティ」

フリークスシティ

2015年の「フリークス・シティ」を見ましたナ・ヒルが製作に関わっていた気がする(忘れた)ホラーコメディ。ヴァンパイア、人間、ゾンビ、宇宙人が入り乱れてサバイバル!というユニークな作品ですが、パワフルな印象で面白い。

登場人物

ダグ:人間。野球部に入っているが、ノーコン。ローレライのことが好き。
ペトラ:人間→ヴァンパイア。ミランに恋して、流されて吸血鬼になってしまうが……。
ネッド:人間→ゾンビ。学校イチの秀才だが、教師からもいじめられ、体育会系の父と兄とは不和。最下層でも明るく、家族仲良く生きるゾンビに惹かれ、自らゾンビになる。

リック:人間。自信満々の食品メーカー社長。ダグの母をクビにしたことから、ダグは彼を嫌っている。
ローレライ:人間。ダグとは仲がいいが、異性として意識はしていない。モテ女子。
ミラン:ヴァンパイア。女たらしである。ネッドをしつこくいじめる。
チャズ:ネッドの兄。ダグと同じ野球部で、父のお気に入りである。
ダグの両親:ヒッピー系でドラッグ大好き。だが、子供をとても大切に育てている。

ネタバレ

ディルフォールドの街。
ゾンビに襲われている男女。家に逃げ込むが、そこにもゾンビがいる。ヴァンパイアも入り混じる中、家にパトカーが突っ込んでて、さらに家に空いた穴からは宇宙船が見える。
呆然とするダグ、ペトラ、ネッド。

時間が巻き戻る。
ダグは冴えない高校生。ローレライに恋している。
ペトラはミランにヴァンパイアパーティに誘われて有頂天だ。
ネッドはヴァンパイアの教師にいじめられ、単位がもらえずに留年の危機を迎えている。

野球の試合。スポンサーのリックはダグを散々バカにする。
プレッシャーをかけられたダグは、チャズに暴投してしまい、大ケガを負わせてしまう。

ヴァンパイアパーティ。ペトラは緊張するが、ミランは彼女の体ではなく、血を飲みたがっている。つい許してしまうペトラ。
チャズがケガをしたことで、大学への進学資金もなくなったネッドの家。父の店で働かされることになったネッドは、絶望するしかない。

ローレライが部屋に遊びに来たので、ダグは彼女に告白する。だが、笑われて終わる。

プチ家出中、ゾンビの女の子に話しかけるネッド。いじめられても笑顔だし(何も感じていないように見えるが、脳みそを食べると思考が鈍ることが後々語られている)、家族も仲がいい。ネッドは彼女に足を噛んでもらい、ゾンビになる。

ペトラはミランからの連絡を待っているが、放置されたままだ。彼女はとうとうヴァンパイアになり、鏡に映らなくなる。友達にヴァンパイアになったことがバレ、笑われる(ヴァンパイアは精力旺盛なので、その相手をしてヴァンパイアになった女性=ビッチみたいな風潮があると後で語られる)。スーパーで販売されているヴァンパイア用の血液を啜って、みじめさを噛み殺すペトラ。

ネッドは初脳みそに恍惚とし、ダグはピッチングの練習をするが相変わらずノーコンなのに苛立つ。

だが、そこに宇宙船がやってくる。
人間はそれがヴァンパイアの仕業だと思い、ヴァンパイアは人間の仕業だと思う。ゾンビはなにも考えていないが、ネッドがリーダーとなり、差別されている環境を打ち破るべくゾンビたちも動き出す。

ネッドをいじめた教師がヴァンパイアのリーダー、ネッドの父が人間たちのリーダー、ネッドがゾンビを率いて、彼らはぶつかる!
その頃、ドラッグを吸っているローレライは「ダグを童貞のまま死なせたくない」と彼をベッドに誘う。大急ぎで帰宅する2人。
ペトラはミランを待ち伏せるが、彼は別のガールフレンドを連れている。ペトラは「血液」目当てで誘われたのだ。ドリンクマシン呼ばわりされるペトラは彼に殴りかかるが、ミランは彼女を跳ね飛ばす。

家に隠れようとする(ついでにセックスも)ダグとローレライだが、その庭にネッドの父が乱入し、ヴァンパイアや人間をなぎ倒す。非常に強い父だが、彼もゾンビに噛まれて食べられてしまう。

ストーリーはOPに戻る。ある家に隠れるダグたちだが、そこにはネッド率いるゾンビがおり、ミランとセックスしたローレライを追いかけてくるパメラの姿もある。パメラはローレライを噛んでしまう。

だが、結局残ったのはダグ、パメラ、ネッドだけ。そしてこの家は、ダグがピアノを習っていた先生の家だった。地下室に隠れている先生に頼みこみ、地下室に入れてもらうダグだが、目を離した瞬間にネッドとパメラは先生家族を食べてしまう。
実はペトラと幼なじみだったダグ。さらに、ネッドとは子供の時に親友だった。だが、彼らは今、仲良くない。オタクのネッドを、ダグが切り捨てたのだ。
ダグはふと、ネッドが脳みそを食べなければ賢さを取り戻すと気付く。脳みそはドラッグのように、ゾンビの考えを停止させるのだ。だが、そこにエイリアンが攻めてくる。
日光を浴びて死にそうになるパメラのために、自分の服を全部着せるダグ(なぜかパンツまであげる)。素っ裸で逃げるダグだが、エイリアンはダグを無視している。

3人は学校に逃げ、合流する。ダグとネッドは喧嘩になり、ダグはいたたまれなくなる。
ペトラはダグを慰めるが、ダグは自分を恥じている。ペトラも、ビッチのローレライが清楚だと思われていて(特にダグに)、処女の自分がビッチ扱いなのに傷付いている。だから、嫉妬でローラレイを噛んでしまったのだ。いいムードになる2人だが、ダグはこっそりとペトラが自分のことを噛まないかどうか心配しており、それがバレてペトラから怒られる。

エイリアンの総攻撃。彼らは宇宙人が無機物をとらえて襲ってくるのだとわかり、裸になって移動する(ネッドの眼鏡は……?)。エイリアンに襲われる3人だが、ネッドはダグを庇う。
ネッドは消えてしまう。
ダグはかつて、ネッドも野球チームにいたとペトラに話す。だが、彼の手柄を兄が横取りした。ネッドは深く傷ついたが、親友の自分は彼をフォローしなかったことを後悔している。
だが、ネッドがまた現れる。宇宙人に捕まると、ビームを当てられて消えてしまうが、それは分離されて別の場所に移され、再組成されているからだ。再組成される前に宇宙人を倒したので、ネッドももとに戻ったのだ。
彼らは、宇宙人が欲しがっているものが何かあるはずだと推測し、それを与えれば彼らは地球を出て行くのではと考える。

ネッドは、それが「リブレット」(この地域で作られている食品)の中に入っている薬品だと推測する。彼は宇宙人に捕まった時にアレルギーが出たのだ。それは、リブレットに入っている薬品を食べた時に出たのと同じアレルギーだった。つまり、彼らはその薬品を求めて地球を襲っているのだ

だが、工場長のリックは工場に立てこもっている。母をクビにした傲慢なリックとは折り合いの悪いダッグ。しかも、ネッドはリックの秘書・デイジーを食べてしまう。交渉は決裂する。

そこで、ダグはわざと宇宙人に転送され、仲間を増やすことにする。
転送された先には皆がいた。人間・ヴァンパイア・ゾンビに分けられている彼ら。喧嘩ばかりしているが、ネッドはゾンビになった父と兄と再会して、仲直りする。ダグやネッドは3種族が力を合わせるべきだと主張し、バリアーに同時にぶつかることで負荷をかけ、バリアーを破壊しようと持ち掛ける。それが成功し、彼らはまた工場に向かう。

リックを説得する住民たち。リックはよそ者の自分を仲間外れにしてきた住民たちに対してすねていたが、宇宙人に薬品を渡すことに合意する。宇宙人(よつんばいの獣っぽい造形)の中から小さな宇宙人(クリオネ風)が出てきて、薬品槽にダイブしていく。宇宙人は友好的だが、「君たちが話を聞かないからさ~」とふざける態度に、みんなが怒り出す。
今度は宇宙人と喧嘩になりかけるが(ヴァンパイアの先生がここで死んでしまう)、彼らがアンモニアに弱いことを知ったダグたちは、工場にあったアンモニアをかけまくる。大活躍するネッドのママ(彼女は人間)。

その後、ミランとダグはパメラを巡って喧嘩になる。圧倒的に不利だったダグだが、彼の中で何かが目覚める。そう、ダグは狼男だったのだ!跳ね飛ばされたミランは灰になって死に、ダグの両親は息子が大人になったと喜ぶ。

その後、宇宙人は死亡。ボール状の核が工場に落ちてくるが、すんでのところでダグが拾い上げ、プレッシャーをはねのけて宇宙船に投げ当てる。見事、宇宙船は爆発する。

その後、リグレットは野菜を配合したヘルシーな食品になり、ダグはパメラと付き合っている。ローラレイはダグに未練があるようだが、相手にされていない。ネッドは兄と仲良くなり、彼女もできている。彼らは全員、ハッピーエンドを迎えている。

感想

・ヴァンパイア、人間、ゾンビ、さらに宇宙人に狼男と盛りだくさんで展開。青春コメディ映画なのですが、ラスト間際があまりにもすごすぎる内容です。核を手でとってそのまま投げ返すなんてできるのか?
・裸なら見つからない!という設定は何だったのでしょうか。
・意外とネッドがいっぱい人食べてましたね。そりゃあゾンビ怒られるよ……。
・ペトラのファッションがかわいいです。