「エクストラ テレストリアル」

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2014年「エクストラ テレストリアル」。カナダ映画です。
・絵に描いたような宇宙人(グレイ型)とケンカになる若者たち
・逃げたりさらわれたり死んだりと大忙し
・おバカな若者たちの映画なのですが、負の連鎖が凄すぎる
「グレイヴ・エンカウンターズ」の製作スタッフが関わっているそうですが、個人的には続編が大好き。こういうちょっと変わったホラーを作らせたら天下一品!

あらすじ

「グレイヴ・エンカウンターズ」のクリエイターコンビ、ザ・ヴィシャス・ブラザーズが贈るエイリアン・アブダクション系ホラー。大学生のエイプリルは、恋人のカイルや友人ら5人で郊外の別荘に遊びに出かける。するとその夜、炎に包まれた何かが近くに落下するのを目撃する。急いで駆けつけた一行が目にしたのは、地球のものとは思えない飛行物体の墜落現場だった。恐怖を覚え、慌てて別荘を後にして街への帰途につく一行だったが、そんな彼らの頭上に巨大な飛行物体が出現したかと思うと、友人の一人がその中に吸い込まれてしまうのだった。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=353268

登場人物

エイプリル:主人公。両親の関係が悪いせいで、彼からプロポーズされても前向きに受け止められない。
カイル:エイプリルの彼氏。彼女と結婚したいと願う。
メラニー:エイプリルの親友。愛犬がいる。
セス:カイルの悪友。口が悪く、人の気持ちを無視することが多い
レックス:セスの彼女。かなりのアホ美女。

トラヴィス:エイプリルの子ども時代も知る近所のおじさん。

ネタバレ

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夜道で助けを求める女性がいるが、雑貨店の店員は「クローズの時間」と彼女を見捨てる。電話ボックスに駆けこむ彼女だが、そのボックスごと宙に吸い上げられ、下に落ちてくる。

主人公は離婚する両親のため、今は誰も住んでいない実家に戻ることになる。
(なお、実家に散弾銃があることもここで明かされる)
カイルは友人たちを誘い、5人で実家に行くことになる。

家に到着した彼らだが、メラニーの飼い犬のラスティが消え、エイプリルとメラニーが探すことに。彼女たちはドラッグの栽培をしている小屋に入ってしまう。つい盗もうとするエイプリル。そこに、オノを持ったおじさんが出てくる。だが、それはエイプリルの知人(両親の友人?)のトラヴィスだった。彼にドラッグを売ってもらうメラニー。

楽しく過ごす彼らだが、エイプリルはカイルに突然プロポーズされ、それを断る。自分が結婚生活を維持できる自信がないのだ。サプライズパーティを企画していたセスはエイプリルに毒を吐く。
喧嘩する2人。
だが、ここで何かが地面に墜落する!家を飛び出す彼ら。UFOだ。大きな足跡が見え、UFOの破片らしき物が燃えている。

観察を終え、帰宅する彼ら。だが、何かが彼らについてきていた。「何も起きない」と強がる男たちだが、あっという間に停電する。
散弾銃を手に入れようとするエイプリル。だが、犬の声が消えてしまい、何かがいる気配がする。エイプリルは襲撃者を撃つが、プールの底に沈んだのは宇宙人の死体だった!(グレイ型の銀色の宇宙人、けっこうデカイ)

彼らは慌てて車で逃げるが、倒木のせいで逃げられない。セスは、倒木を眺めているエイプリルたちのところには雨が降っていることに気が付くが、車で待っているメラニーたちのところには雨が降っていないことに気が付く。
車にはUFOが迫り、パニックとなったレックスは自ら外に出て吸い上げられていく。

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保安官は放置されていたキャンピングカーを調査しているが、失踪した一家のうち、妻だけがボロボロの状態で見つかる。

エイプリルたちはトラヴィスの家に行く。

エイプリルたちは、あるタブーを犯したのだ。宇宙人と政府はとりきめを交わしており、地球人はある程度のルール違反(人間を誘拐したり、地上に着陸したり)を見逃し、彼らを傷付けない。その代わり、宇宙人たちも地球人を傷付けない(はず)。
だが、エイプリルは宇宙人を撃った。彼らは怒って、追ってきているのだ。

トラヴィスは宇宙人と戦うことを決め、エイプリルたちを逃がしてくれる。ドラッグを栽培する小屋に入っていき、追ってきた宇宙人を射殺する彼。だが、撃った穴からドロドロと何かが零れ落ちてきて、飛び出したところを掴まってしまう。

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UFOは人間をさらい、地上に返す。だが、帰ってこない人間もいる。UFOの中には、数百人の人間が監禁されている。

保安官がエイプリルたちを見つけ、話を聞くが、宇宙人の死体を見せようとしてもプールには何もない。倉庫には、犬の死体がある。
(ちなみに、宇宙人がちょこちょこ出てくるが彼らは驚くほど足が速い)
若い警官はエイプリルたちを信用していないが、年配の警官は彼らの言うことを信じる。年配の警官もまた、10年前に恋人を拉致され、失っていたのだ。だが、保安官が車を運転するためにライトをつけたら、彼らは車の前にいる。年配の警官は操られるように若手警官を射殺し、自殺をする。恋人の写真に、彼の血が散っている。

セスは気持ちを昂らせ、自分だけ森に飛び出していく。

UFOが襲来し、エイプリルとカイル、メラニーは苦しめられる。カイルは彼女をかばって犠牲になることを選ぶ。「精一杯楽しむよ!」と叫ぶカイル。そして、宇宙人がそこにやってくる。
セスは森の中で逃げながら暴れているが、宇宙人に捕まってしまう。

メラニーは恐怖のあまり、エイプリルの腕の中では自殺してしまう。
電気がつくと、カイルが連れ去られ、エイプリルだけが生き残っていた。彼女は改めてカイルのことを愛していたと気付き、外に飛び出す。だが、UFOはそれを待っていた。姿を現したUFOは彼女を吸いこんでいく。

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気が付くと、エイプリルはねばねばの何かに取り込まれている。膜を破り、そこから飛び出す彼女。UFOの中には、倒れている人や取り込まれている人がたくさん見える。

セスは手術台のようなものに拘束されている(ただし、横に寝かされているのではなく、タテに立たされている)。ヘソからは虫が入りこみ、レーザーで模様を焼きつけられるセス。彼の尻に、ドリルが入っていく。絶叫するセス。

顔半分がない人を見つけてびびるエイプリルはカイルを見つける。「結婚するって言えばよかった」と泣く彼女だが、彼は息を吹き返す。抱き合う2人。だが宇宙人がそこに登場し、光が彼らを包み込む。

気が付くと、彼らは地上に戻っている。森をウロウロして、軍隊を見つけて駆け寄る2人。だがそのまま、彼女も射殺されてしまう。倒れながら、結婚指輪をはめられるエイプリル。そのまま、頭をも撃たれる。

「いつも通り処理しろ」
宇宙人の死体を回収して解剖し、人間の死体は穴の中に捨てられる。エイプリルとカイルの死体もまた、火炎放射器で燃やされていく。

感想

・日本では珍しいタイプの話(たぶん、日本でUFOに誘拐される内幕の映画って相当金を投じないと笑えるレベルの映画にしかならなさそう)なので、新鮮な感じで見ました。おバカな若者、地元で恋人の帰りを待つ保安官、ドラッグ漬けで政府を憎むおじさんと盛りだくさん。
・主人公は「ジェサベル」の主演女優かと思ったけど違いました。
・大学生でプロポーズされるって、たしかに大変そうな気もする。躊躇する理由もわからなくはないような……。
・セスの手術は、有名な「体の中に○○(チップとか)を埋め込まれた」「尻に○○を指しこまれた」的な体験談からきているのか。にしても、痛そう。
・絶望の差し込み方がうまい。ぬか喜びと絶望の繰り返しって感じ。
・宇宙船にさらわれるときのスポットライト感は、「どこかに行って消えてしまいたい」人にはたまらないのでしょうか。でも、高度な技術があるなら対象物をライトで照らすよりも、普通に暗視カメラか熱探知で拾い上げたほうがよさそうなどと、文系人間ならではのガバガバな理論を思いついた次第。