「ウェイワード・パインズ」シーズン2・第10話(最終話)のネタバレ

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第10話 未来へ(Bedtime Story )

ケリーと揉み合ったはずみで銃弾を受けたジェイソンは、病院に運ばれるも息を引き取る。しかし、すでに住民の選別は完了しており、選ばれた者から本部へ集められていた。表向きは順番に全員を避難させるというものだったが、取り残された住民は、次第に自分たちの置かれた状況を理解し始める。一方、ジェイソンと自らの関係を知ったケリーは、動揺を隠せない。そんな時、テオが密かに立てていた計画に気づき、ある行動に出る。
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ネタバレ

ジェイソンは病院に搬送され、手術室へ運ばれていく。ジェイソンの状況は厳しい。研修医も狼狽しているし、廊下で運ばれるジェイソンを見送っている血まみれのケリーも放心している。

精気を取り戻したマーガレットは、崖の上で立ち上がり、咆哮する。それを聞いたアビーたちは次々に、森に散っていく。
1人のアビーが辿り着いたのは、アビーの集落を見渡せる崖だ。彼は崖の上で木の枝を叩きつけ、仲間に合図を送る。アビーたちは次々と、移動を始めているのが見える。

住人たちは、本部へと移動を続けている。

ジェイソンの手術をしているテオ。弾を摘出するが、彼の心臓はあっけなく停まる(薬品が足りないせいだ)。ケリーもそれを知る。
病院の前には、たくさんの人が集まっている。テオは彼らに異動をするように促しつつ、ジェイソンの死を伝える。ざわめく彼ら。
「彼の望みに応えることが一番の恩返しになる。生き延びよう。この街にはリーダーが必要だが、誰もが理解している。だが、我々が求めるリーダーとは独裁者ではない。住民の多くは、拉致されてこの街に連れてこられた。私もその一人だ。だが、我々は最後の人類として生き残った。生き抜いて再び繁栄しなければならない。それが宿命だ。本部で会おう」
テオは病院に引っ込み、住人たちはまだざわめいている。

研修医は、テオがジェイソンにすべき処置をしなかったと指摘する。もしや、テオはわざとジェイソンを殺したのか?テオはポーカーフェイスでそれを否定する。アーリーンもそれを見ている。
だが、アーリーンはテオのスピーチに感動したとかけより、テオと自分の“未来”を夢見ていることを明かす。
「先生と私が人類を変えるかもね」
その剣幕(?)に、さすがのテオも驚かされる。
「本部で会えるのを楽しみにしてるわ」

ジェイソンの遺体が眠る手術室。研修医はまたテオに話しかける。だが、今度は違う話だ。ジェイソンはRHマイナスという非常に珍しい血液型で、このウェイワード・パインズでも他に4人しかいない。3人は家族で、もう1人はケリーだ。これは偶然なのか?
そこに、テオのもとへミッチャムが到着したと連絡が入る。

ミッチャムは、テオにジェイソンの計画を打ち明け、相談する。
ジェイソンの計画では、両親が揃っていて子どもがいる家庭が優先される。それで571のうち、約300が埋まる。子供が優先で、役に立たない大人は置いていくのだ。
だが、テオは「住人たちに話すべきだ」と譲らない。
「避難が完了した頃には、彼らも気付くさ」
ミッチャムは、ジェイソンの計画にあくまで従うつもりだ。
「彼を知ってるだろ」
「子供の頃からね。だがどう育つかは……」
「未熟者だ」
「死んだ者のことを話し合っている場合か?あんたも決断を下せ。誰を連れて行きたい?」
「クジを提案したが―もう遅いな」
「アビーが迫っている。リスト通りに進めたほうがいいが、変更は可能だ。装置で眠ったままの者が300人以上いる。彼らを何名か起こせば装置は空くが、すべての作用には同じ大きさの反作用が働く。救う人を選ぶことは、見捨てる人を選ぶことだ。恩赦を与えるのと同時に、死刑を宣告するのさ

テオはケリーのもとへ向かう。彼女は泣いている。
「彼は苦しんだ?」
「苦しめたかった?」
「分からない」
「装置がひとつ空いたな」
ケリーはショックを受ける。
「ひどい言い方ね」
「君は独裁者の片腕だった」
「独裁者じゃない。彼なりに正しいことをしてた」
「正しい?この街は全てが変で、腐ってる。何もかも嘘だ」
「嘘はもうたくさんよ。真実だけを知りたいの」
「そうか。ピルチャーは君のファイルを改竄してた」
「知ってた」
「ジェイソンが生後数日で装置に入れられたことは?奇遇にも出産の数日後、君も装置に入っている。君たちは同じ血液型だね。それも非常に珍しい型だ」
すべてを察するケリー。彼女はゴミ箱に吐き戻してしまう。

アビーは森を走り続ける。

自分のオフィスに戻り、隠していた銃を持つテオ。ついでに、ピルチャーの肖像画の額を割って出て行く。

住人たちは列を作り、診断を受け、機械の中へと進んでいく。
ミッチヤム、ケリー、マリオ、テオが本部に入っていく。
293名が本部に到着し、手続きをしている。残りも避難させるというが、テオは聞いていないように見える。
ミッチャムはケリーを気遣うが、彼女は「(自分は)大丈夫じゃない」と断言する。

避難をしている住人たちだが、子と妻は車に乗せられ、自分だけ置き去りになる父。全員が不安そうだ。
学校でも避難が始まっているが、ルーシーは避難組、フランクは“待機”を命じられている。フランク以外にも少女と少年が1人ずつ、アジア系の男女学生がいるが、5人だけが校舎に取り残されている。バスの中で泣きだしたルーシーを追いかけるフランクだが、彼は兵士に殴られ、昏倒する。号泣するルーシーを押さえつけ、バスは走り出す。
レベッカとザンダーの家にも兵士が来るが、ザンダーは待機組だと告げられる。

ザンダーとレベッカは事態を察知するが、彼は彼女をなだめ、装置に入るように勧める。
「一人ではいかないわ。また一人になるのはイヤよ」
「君が眠りにつく時、必ずそばにいるよ。君が眠りから目覚める時もね。どこにいようと、いつの時代でも、ずっと一緒だ」
ハグする2人。レベッカは車に乗る。

ミッチャムは研究室にいるテオのもとを訪ねる。
「命の保証はない、外科医ならわかるだろう」
「人の命を握ってきた。鼓動する心臓をね。今朝も握ってたよ。だが今は、1つの命ではなく、人類を救ってる」
「同じことだ」
「まったく違うね」
「1つの魂を破壊する者は全世界を破壊する者で、1つの命を救うものは全世界を救うものだ。あんたは自覚はなくても、最初から世界を救ってた」
「ただの治療だ。神経の修復やがんの除去は、神とは何の関係もない。だがピルチャーは神を気取って我々をここへ」
「彼が人生の運命を変えたのが誤りだと?」
「ある男に1000人の命を救えるなら救うかと聞かれた。もちろん救うさ。そして俺は拉致されてこの街へ。だが“全員が死ぬ”という男の話は、正確ではなかったんだ。元の世界で我々は普通に行き、自然な死を迎えるはずだった。今我々がやってるのは、ピルチャーと同じことだ」
「治療をしてきたんだろ。目覚めた後の世界で治療をする気はないのか?」

アビーたちは移動を続けている。大量のアビーが、さらにマーガレットのもとに集まる。
マリオは監視カメラを見に来るが、そこには大量のアビーの数が感知されている。

病院の前には、患者たちやアーリーンがいる。来るはずのない迎えを、花束をちぎりながら待つ彼女。

♪一歩だって引くものか
絶対に引き下がりはしない

街では、やけっぱちになった人たちが小さな犯罪をしてまわっているようだ。ガラスの割れる音が聞こえるし、放火も見える。彼らは武器を持ちだしているのか。メインストリートを、銃を持ったザンダーが横切っていく。ピルチャーの銅像が引き倒されているのも見える。

地獄の入口に立たされても
俺は諦めたりしない

残された住人たちは、武器になるものを盗んでいるようだ。ザンダーは驚きながら、その光景を見つめている。

一歩だって引くものか
なあ ベイビー
楽な逃げ道などない

住人が、店のガラスを叩き割る。

テオは研究室で、モニターを見つめている。
彼はふと、録音機で自分の声を録音し始める。
「私はイェドリン医師。この状況が理解されることを願う。1つ明白なのは、ピルチャーは間違ってたということだ。彼は人類を救うために、人間的とは言えない街を作り上げた。そんな権利は彼にはない。我々がいるこの街は食料が底をつき、アビーも迫ってきてる。街の人間を皆殺しにするために。将来の生物戦争に備えてか、ピルチャーは病原体を用意していた。そこで毒性の強いものを自分に注射する。腺ペストに、腸チフスとマールブルグ病だ。役3時間の潜伏期間が過ぎたら、フェンスの外に出て息、アビーに襲わせる。私の見立てでは、専門分野ではないが、約3~5割のアビーが腺ペストで死に、腸チフスとマールブルグ病で残りも死ぬだろう。推測の域を出ないが、これが最善策だ。住人たちは眠りから覚めたら、新しい生活を始められる。そして……それだけだ。最後に1つ。“より大きな善”などは、存在しない。あるのは善だけ。大きさは関係ない

マリオがそこにやってきて、レベッカが本部に着いたと報告する。そして、問題が起きていると告げる。

第2グループの者たちが、本部に押しかけてきている。レベッカを中に押し入れる兵士たちだが、怒れる住人たちがこの兵士を刺し殺す。驚くレベッカ。ミッチャムとテオが外に出て行き、ミッチャムが銃を乱射する。逃げて行く住人たち。

本部の中。ルーシーはレベッカを見つけてかけよる。彼らはお互いに、ここにいないフランクとザンダーを探す。そしてお互いに理解する。
フランクはフラフラと街を歩いているが、そこで破壊された店の中で酒を飲んでいるザンダーと出くわす。酒をねだるフランク。だが、ザンダーはまだ子供だと断る。
「別の街で生まれたかった」
「残念ながら、別の街なんてない」
「壁の外はどうだった?」
「怖かったよ」
「この街と同じだね」
それを聞いたザンダーは、フランクに酒を渡す。彼は一口飲むが、顔をしかめる。
「妹にとって、レベッカは母親同然だ」
「よかった」
車が走ってきて、ピルチャーの像の頭を破壊していく。それを運転しているのはテオだ。彼は、ザンダーとフランクに車に乗るように呼び掛ける。
「時間がない、急いで……」
だが、そこに火炎瓶を持つ住民が現れる。車をよこせと叫ぶ彼ら。
ザンダーは自分にまかせるように言い、火炎瓶を銃で撃つ。そのまま炎上する男。ザンダーは笑って車に再度乗り込む。

本部に到着する車。だが、その前にはアーリーンが現れる。
「ドクター・イェドリン。なんで黙ってたの」
「すまない」
「先生の役に立っていたと思っていたのに。私の分まで未来で生きてよ」
彼女の顔には、黒い涙の筋がいくつもついている。
「アーリーン。彼(死んだ兵士)の装置が空く、来い」
去ろうとしていた彼女だが、テオに抱きつき、熱烈なキスをお見舞いする(少し嫌そうなテオ)。彼女は何度もテオに感謝する。
テオとアーリーンが本部に走り込んだ瞬間、ミッチャムはドアを固く締める。

エレベーター。
ザンダーはテオにどうして自分を助けたのかを問う。
「自分でもわからん」
「うまくいくよな?」
「いかなきゃ困る」
その後ろでは、アーリーンが化粧を直している。

ザンダーはレベッカと、フランクはルーシーと再会する。レベッカはテオに気付き、はっとする。

装置用のスーツを着ているケリーだが、その彼女の後ろ姿を研修医がじろじろ見ている。ケリーの肩を叩く誰か。それはミッチャムだ。
「君は悪くない。我々は嘘を信じていた」
「あなたは何も」
「わかるさ。ピルチャーもジェイソンも死んだが、君はここにいる。すべてを生き抜いた。その知性と生まれ持った才能でね。その能力を善いことに使え。人類の役に立てる。君が必要だ。君には、やり直す価値がある」
「一度で充分よ」
ケリーは立ち去る。

テオは、血まみれのウェイワード・パインズの模型を見ている。そこにレベッカが来て、彼に抱きつく。ハグをする2人。
「ありがとう」
「未来でもアイスは必要だ。そうだろ?」
「結婚はダメだったけど、街は救えるわ。あなたならね」

アビーたちはまだまだ森を走る。フェンスの外は信じられないほどのアビーが広がっている。研究室に戻るテオだが、先ほど録音した自分の計画を話す声が流れてくる。それは、ケリーだ。
ケリーは自らが犠牲になると申し出る。
「もう失うものは何もないし、人の役に立って物事を正したいのよ」
テオはそれを止めるが、彼女は「もう遅い」と言う。彼女は既に、それを注射したのだ。
「あなたは必要な人よ。あなたのような人が増えてほしいわ。いないほうがいいのよ。息子みたいな人は」

ケリーにモルヒネを渡すテオ。
「壁の外に出る2分前に、全部注射しろ。感覚は残るが」
「これでよかったのよ、お互いにとって」
彼女はエレベーターに乗る。
「心配しないで、私みたいな田舎娘は未来に必要ない。さよなら、テオ」
そのまま、扉が閉まる。

ミッチャムは、町全体への電気の送信を停止したとテオに告げる。装置とフェンスを除いて。テオは振り返り、後方にいた(装置に入る予定の)住人たちに告げる。
「スピーチは苦手だし、今朝やったばかりだ。未来を知る由はない。だが、手は尽くした。なぜならそれが人間の特質だからだ。我々には欠点もあるが、美点も持ち合わせている。その美点をぜひ未来へ持って行こう。我々の幸運を祈る。未来で会おう」
ケリーは、本部の外に出て行っている。
そのスピーチが終わると、彼らは装置へと進んでいく。ザンダーとレベッカは抱き合い、フランクとルーシーもハグをしている。

街の電気は少しずつ、消えて行く。

置いていかれた住人(テオがこの街に来たばかりの時、目が合った住人。ペンキ塗りをしていた)はペンキを塗っているが、次の瞬間、縄で首をくくる。

ミッチャムの小屋では、待ち望んでいた苗が1つだけ芽吹いている。
住人たちは装置の中に入り、また眠りにつく。もちろん、テオも。

アビーたちが集まり、騒いでいる。マーガレットはただそれを睨んでいる。

機械を操作し、最後に自らも装置に入ろうとしているミッチャム。
「停止しますか?」
という選択肢を眺めている。
「疲れているみたいね」
ミッチャムが顔を上げると、そこにはかつての恋人の姿がある。
「間違いだった?あなたは思うがままの世界を作れるのよ。その力がある」
機械の操作を躊躇するミッチヤム。

ケリーはフェンスの外に出て行く。

ミッチャムはふと笑い、機械の作動を始める。そこにはもう、恋人の姿はない。彼も住民たちも、全員眠りにつく。

ケリーを外に残して、フェンスの扉が閉まっていく。
「この先にいけば命はない」
という看板が見え、アビーたちの唸り声や何かを引き裂く音が聞こえてくる。

森の中で赤ちゃんが泣いている。抱いているのはアビーだが、その子はまるで、人間の赤ん坊のように見える。

感想

・ズシンときた最終回。「選別」で選ばれなかった人間は本当に切り捨てられ、死んでいった(のだと思うが、もしかしたらドンデン返しがあるのだろうか?)。しかし、ケリーの選んだ選択肢が重すぎる。すごくモヤモヤ考えさせられた。
・今回は退場者は少なめ。メーガンとジェイソンというピルチャー派のみ死亡。また、ケリーも死んだんでしょうね。ハスラーはどうなったんだ?ラスト、一瞬ハスラーとアビーの子じゃないでしょうね……と思ってしまった。
・テオ、ミッチャム、レベッカ、ザンダー、フランクとルーシー、マリオ、おまけでアーリーンも延命。アーリーンが前シーズンよりギャグ要員なのがいいですね。この人、レディースコミック読んでそうなキャラだよね。
・ただ、やっぱりベンとテレサの扱いがなぁーとか、食糧問題でもめるのかと思いきや全然違うオチがきたなぁーとか、テオって結局ジェイソン殺したのかしら……にしても、前話から最終話へのキャラの揺り戻しがスゴイなあ(いい奴になったりワルくなったり)と思ったり、多少のモヤつきはあります。
でも、そういう感情も含めて面白いなあ~と思う。あと、街の造形もいいんですよね。しかしまだまだ続くようです。このぶんだと、原作を購入してしまいそうだ……。