「死の恋人ニーナ」

shinokoibitonina

ゾンビ映画化と思いきや、変わった手触りのオカルト映画。2015年のイギリス映画「死の恋人ニーナ」。原題は「NINA FOREVER」。
・恋人が死んだせいで落ち込む青年にムラムラきている主人公、彼のことを好きになる
・付き合うことになるも、死んだはずの彼女が蘇ってきて、2人の前に姿を現す
・美女のおっぱい!おっぱい!おっぱい!
と、おっぱいがいっぱいです。死とエロティック(性欲やリビドー)を直結させており、ぞわぞわと気持ち悪さを感じさせる映画。最近では「ゾンビガール」という映画も出ていて、そちらも死んだ恋人と新恋人の三角関係に悩む男の話で、似た映画かと思いきや違いました。(ゾンビガールはコメディです。面白いよ。)
こちらの映画は、主人公が女の子です。「ウジウジしている男が好き」な女の子です。

登場人物

ホリー:主人公。看護学校に通っている。
ロブ:恋人を事故で失い、自身も落ち込み続けている青年。
ニーナ:ロブの死んだはずの恋人。ホリーを挑発し続ける。

ネタバレ

事故っているバイクが見える。倒れている男が起き上がる。ロブだ。

ホリーは救急救命士を目指しながらスーパーでアルバイトをしている。そこで、ロブもバイトをしているが、あまりの暗い性格にみんなから笑われるような存在だ。だが、ホリーはそんな彼のことが気になっている。悲壮感のある男に惹かれるからだ。

ロブは店長と喧嘩をして、ケガをしている。彼の様子をバックヤードまで見に行くホリー。ザクロを分け合って食べるうちに、セクシーな雰囲気になる。

デートをする2人。ホリーは期待を高め、彼が自分を思っていることを確信する。だが、セックスをしている2人の前に、ニーナが(シーツの内側から)現れる。シーツが徐々に血で染められていき、ホリーの足をニーナが掴む。驚くロブとホリー。ニーナは、彼を独占しようとする。ホリーは傷付いて部屋を出ていき、ロブも戸惑う。

ロブの前からホリーは姿を消す。ニーナも消えてしまう。ロブは自分の部屋を片付け、迷った挙句に血まみれのシーツを捨ててしまう。
ニーナの墓参りに行き、ロブは彼女の母親と遭遇する。
ロブはニーナの両親に依存されている。毎週日曜日には、彼女の父の書いた小説を読まされているし、定期的に食事をすることもある。そうしなければ、既に心が離れている両親は向き合うことができないのだ。

ロブがもともと研究者であり、数学を学んでいたこともここで明かされる。

ホリーはまた、ロブの前に現れる。セックスする2人。ニーナがまたベッドの下から現れ、ホリーに触れ始める。ホリーはニーナを受け入れ、キスをする。ホリーはニーナをこの関係に巻きこもうとするが、ニーナは懐柔されない。
「私が死んで、全ては彼の中で永遠になった。私に次はない」

ホリーはロブと付き合い始める。
「ニーナ フォーエバー」のタトゥーをわざわざ入れるニーナ。だが、また現れたニーナはホリーに怒っている。

ニーナの親に、ホリーを合わせることにしたロブ。だが、うまくいかない。
・ニーナの親が料理を用意したが、ホリーはベジタリアンだった
・ロブが日曜日にニーナの両親を訪問していることを、ニーナは初めて知る。また、数学博士であることも初めて知る
・ニーナの母親が、必要以上にロブにベタベタしている

ホリーはロブに怒る。帰りのバスでも、わざわざ隣に人がいる席を選んで座る(痴話喧嘩に巻き込まれて困惑するデブ客はコメディ要素なのだろうか)

ニーナに復讐するため、ホリーはニーナの墓の上でロブを誘う。ベッドの形をしているお墓の上でまぐわう2人。だが、ニーナは墓石の上からロブを覗きこむ。
ホリーをいじめるニーナ。だが、ホリーはロブと別れない。
ニーナはいったん、消える。

同棲することにしたロブとホリー。大事なバイクを売って、ホリーのために車を購入したロブ。ホリーはニーナの私物を捨てまくる。だが、ニーナは彼女の前から消えない。ロブの前には姿を現さず、ニーナの前にだけ姿を現すのだ。
ホリーは部屋を白く塗り替え、ほとんどのものを捨ててしまう。

ホリーとロブは、ドライブにでかける。だが、ホリーは助手席に座らず、後部座席に腰かけ、ロブは絶句する。
モーテルで印刷機(e-bayで売るつもりだったものを、直接届ける予定だった。ニーナの私物?)を使ってお互いの体にハンコのように印字をしたり、印刷機の上でイチャイチャしたりしていたら、そこにニーナが出てくる。ホリーの腕を機械に挟み、切断しようとするニーナ。
「あなたは私を勝ち取った。永遠に一緒よ」
ロブはなんとかニーナを止めるが、ニーナはロブとホリーの関係にほころびが出ていることを指摘する。

1人で海にいるロブ。(2人が別れたことをうかがわせるシーン)

ホリーは救急救命士になっている。事件現場にいるホリー。ふと、ニーナとロブの事故がダブり(彼女は現場にはいなかったが)、ケガしている人がニーナに見える。
「どうなってるの、ロブ、助けて……」
だが、それはやはりニーナとは別の女性だ。ホリーはケガ人を励まし、見事に役目を果たす。

初仕事の後、興奮して話している仲間とバス停にいるホリー。ふと、彼女は仲間の男と手をつなぐ。

ホリーはその男に目隠しをして、寮でセックスする。だが、セックスをしている途中にニーナが出てきて、彼女を見ている。ニーナはせせらわらう。
「つまんねぇ男」
「こんなの、私、望んでない」
「私だって」
ニーナは、無表情でホリーの顔を覗き込む。ホリーはニーナを蝕んでいく。

ロブはニーナの両親に就職した報告をして、さらに決別宣言をする。とっくに、ニーナの両親の関係も壊れているのだ。

ロブはホリーの寮の部屋を訪れ、やり直したいと告げる。だが、ホリーはそれを断り、部屋を見せる。ロブは、彼女の部屋が血まみれなのを見て驚く。ニーナはロブではなく、ホリーを選んだのだ。そのまま、ロブは去っていく。

感想

・ホリーのしたケガがやたらと早く治っていた気がするのですが、それがニーナのせいなのか、時間がたったという描写なのかイマイチ判断できず。
・ロブは恋人が死ぬわ、死んだ恋人が出てくるわ、今カノに振られるわ、今カノに元カノがくっついちゃうわで踏んだり蹴ったりですね。
・ホリーが、「暗くて傷付いている男好き!」「元カノを成仏させるために、3PLAYすればいいんだ!みんなでたのしんじゃお!」みたいな女の子で、珍しい?設定。しかしお墓の上でやったらいけないと思います。自業自得感がすごい。
・ニーナの両親までロブに依存しているのが、なんだか悲しい。
・個人的にいいなあと思ったアイデアは、ニーナがベッドの中?シーツの下から現れるのですが、血が白いシーツにジワジワと滲んできて、ベッドがぐちょぐちょに汚れるのが生理的に気持ち悪かったです。マットレスにも汚いシミがあって、リアリティがあったな。
・ただ、ホリーのボディがめちゃくちゃキレイなので、それだけでも見る価値があるかもしれない。