「ウェイワード・パインズ 出口のない街」シーズン2・第1話のネタバレ

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「ウェイワード・パインズ 出口のない街」のシーズン2がFOXチャンネルとHuLuで配信され始めました!

今シーズンでは、主人公が交代して、テオ・イェドリンという医師が主人公になります。なんでも「スピード2」とかに出てたジェイソン・パトリックが主演なんですって。マット・ディロンは!?もう出ないの!?冷凍保存してないの?

 

登場人物

テオ・イェドリン:医師。やや反抗的な態度は、前シーズンの主人公・イーサンを思わせる。
レベッカ:テオの妻。インド系。テオとは、トラブルを抱えていたようだ。実はテオよりも先に目覚めていたような描写がある。

ベン:前シーズンの主人公・イーサンの息子。現在は反乱組織のリーダーになっている。
ジェイソン:前作にて、ケイトの夫を私刑で殺した青年。現在はピルチャーの後継者となっている。
ザンダー:ジェイソンをスパイしており、本当はベンの仲間。だが、態度が頑な面もある。
ケリー:ジェイソンの恋人であり、街を統治する幹部のような役割も担う。

CJ・ミッチャム:今シーズンから登場する新キャラ。歴史学者であり、作物の研究などを行っている。

メーガン:前シーズンでは教師として子供たちの教育を担っていたが、本当はカウンセラーでもあり、子どもたちを洗脳する役割も担当していた。前シーズンの最終話では、子どもたちを守るためにアビーに襲われたような描写があったが、今シーズンでも生きており、相変わらずのおサイコぶりを見せてくれる。
ケイト:前シーズンの主人公・イーサンの元恋人。反乱組織に所属し、街をかき乱すも、真実(実は街の外は既に荒廃しており、人類は死滅している)を知って絶望していた。今作では、ジェイソンに蘇らされる。
テレサ:前シーズンの主人公・イーサンの妻。ベンの母でもある。第1話では登場しないが、生きているらしい。

 

あらすじ

第1話 掟の街 ふたたび(Enemy Lines )

イーサン・バークが命を捨てて街を守ってから3年の月日が流れていた。ウェイワード・パインズでは、第1世代が実権を握っていてデイビッド・ピルチャーの後継者、ジェイソン・ヒギンズが厳しい掟で街の住民を縛りつけていた。そんな街のあり方に反対するベンやケイトは仲間と共に反乱者としてジェイソンと戦い続けている。そんな頃、医師のテオ・イェドリンが長い眠りを解かれてウェイワード・パインズへやって来る。
http://tv.foxjapan.com/fox/program/episode/index/prgm_id/20547

 

ネタバレ

(ベンのナレーション)
父の死から3年後、第一世代が厳しい掟で再び街を縛り上げている。
「そんな世界を望まない僕は戦いを挑んだ」
「箱舟にいる人類すべてが、人間らしく生きるために」

海から上がってくる男。妻と旅行に来ているようだが、一人でビールを飲みにバーへやってくる。
バーに居合わせた男は、アーノルド・ポープ(前シーズンで保安官をしていた。実は、ピルチャーの手下であり、街ができる前は候補者をさらう役割を担っていた)。2人はすっかり意気投合する。
「時々思わないか、やり直せたらいいって」
「思うよ」
その言葉がきっかけになったのか、アーノルドはこっそりと酒に薬を混ぜる。
「まじめな話だが、“変化の時”が来ている。人類は地球の環境を変えた。そのせいで今、人間は変異しつつある。結果として大きな変革が起きるんだ。(あんたは)人を救ってるよな?」
「それが俺の仕事だ」
乾杯をして、薬の入った酒を飲む男。
「なあ、ドクター。一度に1000人の人を救う方法があるとする。いったん眠らせ、後で目覚めさせるんだ。魔法みたいな方法を使ってね。だが実現できると確信していれば、やるだろ?」
ドクターは信じない。薬が効いているのか、かなりぼんやりしている。
そして彼らはバーを後にする。

男は目が覚ます。ドクター・イェドリンと呼ばれた男の前には、正装した少女・ケリーが座っている。
「やあ、すまない。どうやら飲み過ぎたみたいだ。迷惑をかけてなきゃいいが……」
彼は勘違いしている。ケリーはフラつく彼を見て笑う。
「世話をかけたね」
「目覚めたわ」
ケリーは無線で、どこかに連絡をする。彼は、檻がついた窓に驚く。
「病院から呼び出しよ」
「今は休暇中だ、ここへは妻と来たんだが、嵐があって― 妻は?」
「ご無事です、私と一緒に来てください」
テオ・イェドリンは納得がいかない顔のまま、彼女についていく。

近代的な施設の中を歩いている2人。
「ここは?」
「ウェイワード・パインズ」
彼女はそのドアを開ける。

※OPは前作と同じミニチュアハウスのもの。多少変化がありますが、ベースは同じです。

2人は施設を抜け、車に乗り込む。アナウンスが響いている。
「ウェイワード・パインズの住民に告ぐ。反乱者の破壊行為により、25分後からは外出は禁止」
「どこへ?」
「言ったでしょ、病院よ」
物々しい雰囲気に驚くテオ。外は夜だ。
「俺は大丈夫だ」
「先生は治療するの。首の付け根に被弾した患者がいる」
「分からないな、どうして俺が?」
ケリーは微笑んで答えない。

車を見た青年が無線で連絡している。
「ザンダー、そっちへ行った」
ザンダーと呼ばれた青年は、藪に隠れたまま「任せろ」と答える。と、車から飛び降りるテオ。同乗者たちは後を追うが、取り逃がしてしまう。
「逃げてもムダよ!小さな街なんだから……すぐに見つける」
ザンダーは、車に何かを投げつける。車が炎上したのが、走り続けるテオにもわかる。

民家に助けを求めるレオ。隣家の男が、彼に微笑みかける。
「携帯を貸してくれ」というテオに、夫婦は目を見合わせて何かを察知する。ラジオではショパンが流れており、家の中にはピルチャーの写真も飾られている。
落ち着くように促す夫婦だが、その態度自体がテオを不安にさせる。出て行ってしまうテオを見ながら、夫は「通報しろ」とつぶやく。

逃げ続けるテオ。転んで手をついた先に、薬莢がいくつも落ちている。そして顔を上げた先には、血飛沫が染み込んだ壁が見える。

「壁のところで、何が起きたんだ」
捕まったテオは、ケリーに問い正している。
「これは拘束?」
「違うけど逃げないで」
「ここが病院?」
「唯一のね」
「医師たちは?」
「彼は死んだわ」
「つまり医師は1人だけ?」
「だからあなたが来た」

「ドクター・イェドリン」
彼らの会話に、誰か割って入ってくる。廊下の先にいたのは、ジェイソンだ。
「僕はジェイソン・ヒギンス。よく来てくれた。いろいろなことが起きて混乱しただろう」
「ああ、とても混乱している。壁の弾痕や血痕、それに私兵。どういうことだ」
「戦争による精神的な異教を、政府が極秘で実験しているんだ」
壁にかかった博士の写真を見て「彼が立案者だ」というジェイソン。
「街の住民は融資の被験者よ」
「俺は違う」
「これは緊急時を想定した実験で、あなたはビル・ギボンズの推薦だった」
「ビルの?」
「奥さんも承知だ。普通にお連れしたかったが、嵐のせいで― 記憶が飛んだようだね。とにかく奥さんは、“仕事に戻るのはあなたにいい”と」
「レベッカが?」
やはり怪訝な顔をするテオ。
「もちろん、彼女もこの街に向かっているはずだ」
釈然としない顔をする彼に、ジェイソンは続ける。
「異例の段取りなので、後で詳しく説明しますよ。ただし今は患者の治療に集中してもらいたい。本物のケガ人なんだ、のんびりしていられない」

病室にいる3人。
「彼女は重要人物だ。そりゃ、街の誰もが重要で、その命は尊く大切だがね。それがこの街の精神だ。しかし、彼女は今、誰よりも重要なんだ」
「感染症を起こしている。なぜ処置しなかった?」
「看護師は揃っているが、医師がいなかった」
この患者こそ、ケイトだ。
「ブラックコーヒーを頼む、砂糖はなし」
「すぐ用意する」
ケリーはコーヒーを用意するため、立ち去る。

手術が始まっている。それを白衣を着た、多くの若者たちが見学している。ジェイソンもいる(彼だけは黒ずくめである)。

ミニチュアの街の模型に、赤と緑の旗を立てる手が見える。
「反乱者の家を4軒発見ね」
「そうです」
ケリーが兵と話しているところに、ジェイソンがやってくる。
「手術は?」
「数時間かかる」
「どうした、ケリー」
ケリーは表情が暗い。
「今夜また、仲間が死んだ」
「ザンダーはずっとどこにいた?」
「今戻ってきた」
「あいつは怪しい」
彼らの目線の先には、赤いバッテンがついた顔写真が何枚も貼られている。
「今日、病院で2名死んだわ」
「合計3名か」
「この数週間で何人も死んでる」
ジェイソンの前には、大きくプリントされたベンの写真がある。
「ベンはどこだ」
「マリオの報告によれば、壁の外側では大きな活動は見られないそうよ」
「彼に失望されるよ」
「あなたは良くやってる」
ジェイソンを慰めるケリー。
「彼らはピルチャーに協調すれば、よかったんだわ」
そこに現れたのはメーガンだ。車イスに乗っている。
「“命を慈しめ”が彼の教えだ」
「だけど最も重要なのは大義よ。ピルチャーだって、それはわかってくれるわ。反乱者は根絶やしにしなきゃダメ。明確な掟と厳罰が必要よ」
「明確に、厳しく」
「それが唯一の道」
メーガンは微笑む。ケリーがそこに割り込んでくる。
「マリオが呼んでる」
立ち去るジェイソンと、なんだか彼女に距離をとっているようにも見えるケリー。ケリーが背を向けると、メーガンの顔から、笑顔が剥がれ落ちていく。

山奥では、男たちがウロついている。
「ベン、敵を1人ずつ始末していくんだ。数での優位を失えば、ジェイソンはお前と話す」
ザンダーがベンを説得している。ベンは髪の毛がボサボサで、ひどく考え込んでいる。
「ザンダー、それだけじゃ“処分”はなくならない。僕たちはこの街を内側から変えないと」
「俺は今夜、少し変えた」
「僕が言いたいのは、“いかに生きるか”だ。そうでなきゃ父や仲間の死は、ムダになる」
「目標を少し下げろ。俺はもう寝るぞ、敵に潜入している者は明日も仕事があるからな」
ザンダーは出ていく。
「それに、“規則正しい生活は幸せの基本でもある”。ピルチャーの教えだ」
という皮肉を残して。

手術を終えたドクター・イェドリンのもとに、若者がやってくる。彼はテオの手際の良さに感動したようだ。
技術指導を頼みに来た若者に、「自分はここの医者ではない」と断るテオ。
だが、青年は「この街での職業は、塗装業とか?」と口走る。
そこにケリーがやってくる。手術の成功を祝う彼女に、テオは確認する。
「妻はいつここへ?」
「街に着いたらお連れします。病院内の部屋に先生の荷物を運びました」

壁紙がボロボロになっている小部屋で、テオは自分の私物を確認している。それはパッキングされている。財布や服のほかに、結婚指輪も出てくる。

妻と話しているテオ。
「誰かに相談しよう」
「もうやった」
「ほかに誰かにだよ、俺たちは乗り越えられる」
「そうね、妥協できることもあるわ。でも子供の件は?持つか、持たないかよ」
「君と出会った頃、俺はどんな奴だったか……」
「だから恋に落ちたの」
その会話を思い出し、彼は考え込む。

テオは部屋を抜け出し、病院内で飲み物を買う。ピルチャーのロゴがついた自販機だ。
ふと、彼は何かに吸い寄せられるように歩いていく。
その部屋の中では、若者たちがある女性に電流を流している。苦しんでいる女性と、目が合いそうになるテオ。
「いい調子よ、アーリーン」
テオに気付いた若者たちは、カーテンを閉めてしまう。

朝が来る。ケリーに起こされるテオ。
テオは手術をしたケイトに話しかけている。
「執刀医のドクター・イェドリンです」
「イェドリン。知ってる名だわ」
「ボストンに?」
「昔、いたことが」
ケイトは笑う。
「あなたはCグループね」
「Cグループ?」
「目覚めたばかりね。何と言われた?」
「政府の計画のこと?聞いたよ」
「“これは実験で、街の住民は融資の被験者”?ジェイソンがそう言った?」
外にケリーが待っている。
「ホテルを用意したわ。奥さんと合流したら、家に帰る準備を」
テオはケイトと目配せをする。
「ご協力ありがとう、ケイトも感謝してるわ」

「最寄りの空港は?ボイシかな?」
ドクターは、車を運転する兵士に話しかけている。
「たぶん」
「ここからの距離は?」
「行ったことがなくて……」
「出身は?
「ウェイワードです」
「どこかほかの場所に行きたいと思ったことは?」
「ありません」
「俺も小さな街の出身だが、世界は広いぞ」
「ウェイワードで幸せに暮らすことが、人類存続への貢献です」

ケイトの病室にいるジェイソン。
「死なせても良かった」
「じゃあ、なぜ助けたの」
「君はリーダーのひとりだ。ベンや仲間の居場所を言え。それですべてが終わる」
「追跡用のチップや監視カメラがあるでしょ。そうだ、私たちが監視システムを破壊した。ねえ、無益なことだとは思わない?殺し合うのって。奴らの思うつぼよ。フェンスを越えなくても、人類は自滅する」
「俺は人類の存続を目指しているんだ」
「それで私の夫を処刑した?」
「すべてはピルチャーの遺志だ」
「でも状況は変化する。奴らは進化してるのに、あなたは変わらない。命を大切にしているつもりでしょうけど、教えられたのは“管理”よ。そして無理だわ」
ジェイソンは出て行ってしまう。

ドクターは街の様子に驚く。閑散とした街を歩いていくドクターの後ろを、兵士のマリオもついていく。その横を、ジープが走り抜けていく。街は全てが古臭く、くすんだ色合いをしている。ホテルに向かうテオだが、ある親子の会話が耳に入る。
「ママ、行かないでよ」
「ダニー、ママは行かなきゃ。それが掟なの、わかって」
女性(カフェで働いていた女性で、反乱軍にいたルビー)は連れていかれる。
「さあ、行こう」
促されるドクターだが、「手荒なことはやめろ」と軍と女性の間に割って入る。だが、ルビーはおとなしく連れていかれてしまう。
「行きましょう」
マリオが再度、ドクターに促す。

ホテルについたテオ。
「明朝7時に、先生と奥さんを迎えに来ます」
「さっきの女性はどこへ?“掟”って何だ?」
「食事を運ばせます」
マリオは話さない。

部屋の中には、荷物が置かれている。
ドクターは、妻との会話を思い出す。
旅行先で、「おなかがすいたわ」と微笑む妻。
その時彼女が書いたイラストが、服の間に挟まっているのが見える。

「ねえ、テオ。あなた本当は不満なのに……」
「そんなことはない。俺は心から願っているんだ。君の成功を」
「仕事は関係ない」
「別に反感も……」
「何を言ってるの?」
「状況を改善したい」
「その気持ちは嬉しいけれど、結婚は手術と違うの」
「分かってるさ、手術よりずっと難しい」
「何もかも解決しようと思わないで」
「そういう性分なんだ」
「私は違う、ただ受け入れてよ」
「できない」
テオは出ていく。

ふと、テオは窓を開けようとするが、外から閉められていることがわかる。と、そこにザンダーが現れる。窓の外に突然現れた彼に、驚くドクター。
「心配ない、あんたを助けに来たんだ」

路地裏を歩いている2人。
「ケイトはジェイソンに話した?」
「誰?」
「ケイトだよ、病院の女性は助かっただろ?」
「ああ」
「彼女はジェイソンに何か話したか?名前とか、住所とか」
「俺は知らない」
「あんたには?」
「“Cグループ”と。妻を捜す。家に帰るんだ」
と、その目の前の通りを、たくさんの人が通っていく。
「ここが“家”さ。ついてこい」
通りを進んでいく人に、目を奪われるテオ。
「見ないほうがいい」
だた、テオは進んでいく。

ケリーとジェイソンも通りを進んでいる。
「本気なの?」
「一時の痛みで、統制が保てる」
「住民の反感を買う」
「別に構わないし、これはケイトのせいだ」
その先には、メーガンがいる。

ジェイソンは演説を始める。
「皆さん。よく集まってくれた。街の住人すべてに聞いて欲しい。外出禁止令や配給制など、ここ数年の街の運営に反対者がいるのは知っている。私がピルチャーのような指導者でないことも承知だ。しかし、ピルチャーなら、数ヵ月に及ぶ反乱を望みはしない。我々は手を携えて、本当の敵と戦い、勝たねばならないのだ・人類を襲ってきた、あのケダモノに!たとえ数点意見の相違があっても、街の存続には全員が賛成のはずだ」
「そうよ!」
拍手が巻き起こる。メーガンも張り切って拍手している。
「投降する者には大赦を― だから武器を捨てて出てこい。今こそ街が再び、ひとつになる時なのだ」
そのラジオを、ベンやケイトたちもそれぞれ聞いている。
その話を聞き、ガヤつく住人たち。
「投降者は?ベンの支持者や仲間は、前に進み出ろ。流血の惨事は終わる」
誰も出てこない。
「温情は示した」
ケリーに言い捨てるジェイソン。数人の男女が車から引きずり出される。そこにルビーもいる。
「平和的な提案を無視するなら、もやは選択の余地はない。ピルチャーに代わって、街にとっての最善策をとる」
台の上に、3人の男女が連れてこられる。

「ルビー」
ジェイソンは彼女の肩に手を置く。
だが、その直後にマリオはルビーの頭を撃ち抜く!

テオは私兵たちにくってかかる。そこに、妻がやってくる。
「テオ!?」
捕まっているテオ。驚いているレベッカ。
「レベッカ!」
「続けろ」
ジェイソンは命令する。「お願い、やめて」という声も住民から聞こえてくる。

「もう殺すな。僕たちは投降する」
通りには銃を下に置くベンと、その仲間たちの姿が見える。
「連行しろ」
ジェイソンはマリオに囁く。
「あの医師も」
テオの前で、レベッカもどこかに連れていかれる。

「ウェイワードの住民よ、反乱は鎮圧した」
黒人夫婦の隣人の男(ドクターと目が合って、彼に微笑みかけたことがある男)も捕まっているなか、アナウンスがまた流れている。
「反乱者たちは拘束され、尋問を受ける。街はもう安全だ。仕事に励み、幸せに。ウェイワード・パインズで」

レベッカとテオは再会する。
「テオ、無事でよかった」
「レベッカ、聞いてくれ。街を出よう」
「聞いて」
「奴らを信じるな。この街は危険だ。何かが腐ってる」
彼は囁く。
「ドクター・イェドリン。ザンダーも」
兵士が彼を呼ぶ。
「ジェイソンが呼んでる。行きましょう」
「あなたを待ってる」
彼は、ジェイソンのもとへと出ていく。

「諸君、反乱は鎮圧された。これから山へ生き、一緒に食事をしながら街の将来を語り合いたい」
ジェイソンは学校から出てきたテオにそう言う。
「この街の実情を話してくれ。何もかも」
「わかった。では、車に乗って」
テオはそれに従う。ザンダーもついていくが、手を拘束される。
「何の真似だ」
「念のためさ」

ケリーとジェイソンも話している。
「第一世代は……」
遮るジェイソン。
「ベンは安全だ」
「テオは?また眠りにつかせると言ったわね。彼は優秀な医者よ」
「医師なら我々の仲間から育てる」
車に乗り込む2人。
「イェドリンは危険だ、第二のイーサン・バークになる」
「こんなの間違いよ」
車は走り出す。

車イスを走らせるメーガン。
「反乱は鎮圧されたわ」
彼女はケイトの病室を訪れている。
「ベンたちは投降した。お互いに死力を尽くして戦ったわね。でもあなた方の大義は捨て、街のためにみんなで前に進むべき時だわ」
「なぜここに?」
「ジェイソンの指示よ。あなたが回復したら、街の将来を話し合ってくれと」
「過去の話は禁止だけど、未来ならいくらでも話していいのね」
「いろいろなことが起きたし、互いに非難し合った。死者まで出たわ。でも私たちは協力し合えるはずよ」
「私もそう思う。過去を水に流す時が来た」
「あら、鎮痛剤が足りないわね、どういうことかしら。訓練を受けたから、私も薬の量を調整できる。パムがいなくなってから、看護師は早く帰ってしまうの」
彼女は自分の膝に乗せてきた薬を、点滴の管の中に注入しようとする。と、彼女に体当たりするケイト。車イスごと倒れた彼女に、ケイトはメスを突きつける。
「ここから逃げるのは無理よ」
「人類は偉業を成し遂げた。多くの偉業を。ピラミッドの建造、月面着陸、ビートルズ。私たちにも可能性があった。だけど今や、あなたたちの世界と未来。そこには……そこにはいたくない」
ケイトは、自らの首をかききってしまう。

塀のそばに、車が近付いていく。
「フェンスの向こう側は?」
話しかけたドクターをブン殴るマリオ。フェンスの一部分が開いていく。マリオは、運転席から出て、車のアクセル部分に石を置く。ザンダーは怒鳴る。
「マリオ、何だよ!戻ってこい!」
勝手に進み、フェンスの外の木に激突する車。フェンスはまた閉じていく。

真夜中。ウェイワード・パインズの住宅地で、電話の音が1軒、また1軒と響いていく。ケイトが死んでいる病室でも、電話の音は日々響き続けている。
そこには、車イスのタイヤの血の筋も見える。メーガンは既に、病室から逃げているようだ。

意識を取り戻したドクターだが、目の前にはアビーが牙を剥いている!驚く彼。だが、アビーたちは彼を攻撃することなく、電気フェンスに直行して、そのまま倒れていく。累々と積み重なる死体。だが、アビーたちは突撃をやめない。

 

まとめ

・主人公はこれからどうなるのか?というのはもちろん、ベンとテレサがどうストーリーに絡んでくるのかが気になります。
・ジョナサンはピルチャーの後継者ですが、メーガンがその裏についており、シーズン1前半のパムのような感じのキャラ付けがされています。しかし、前シーズンであんなにピンチだった(アビーに突撃されてた)んだから、もう誰が生きててもおかしくないじゃんと思いました。
・前シーズンの終わりだと、子どもだけの街になっているのかな?と思ったらそんなことはなかったですね。大人もけっこういました。