「マーターズ」(ハリウッドリメイク)

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2007年の映画「マーターズ」をハリウッドリメイクしたのが2015年の映画「マーターズ」です。
ビジュアルは焼き直しに近く、原作ほどの鮮烈さはありません。
・ある事件に巻き込まれた少女が大人になり、リベンジである家を襲う
・友人はそれを知り、咎める
・だが、真実が明らかになっていき……
原作を見たことがないなら、かなり衝撃的。でも、原作を見たことがあるとなんだかぬるーい感じの映画です。
「パラノーマル・アクティビティ」と「インシディアス」の製作陣が手掛けたんですから、そりゃあ中途半端かもしれない。なぜこれをこの製作陣でリメイクしようと思ったんだ……?
(まあ、まともな映画人なら安易なリメイクには走らないでしょうが。原作越えなんて異常に難しいでしょうし)

ネタバレ

何かから逃げ出している少女。その少女が隠されていた家に警察が行くが、そこはもぬけのからだ。
保護された少女・ルーシーは施設でも心を閉ざしているが、同じ施設にいるアンナが彼女に話しかけてくる。
夜、アンナはルーシーの叫び声を聞く。彼女はパニックを起こしているのだ。だが、アンナは彼女に寄り添い、クッキーを挙げたりもする。
ルーシーのことを聞き取りされるアンナ。ルーシーは「モンスター」の話をしていたようだ。
ルーシーは夜寝ていると、そこにモンスターが現れる。ものすごい顔の女が彼女に迫り、ルーシーはクローゼットに飛び込む。アンナはそれを優しく慰める。
彼女たちは友情を育みながら成長していく。

10年後。ある家で、家族たちが普通の会話をしている。両親、息子、娘。平凡な朝。だが、、そこにある少女が入ってきて、彼らを次々射殺する。
両親を殺し、息子に銃を向ける少女。
「年はいくつ?答えろ!」「17歳、撃たないで」「あなたの両親が何をしたか知ってる?」
少女は彼の表情を見ながら何かを察して、少年を射殺する。
そして、ベッドの下に隠れている娘を、その上から射殺する少女。
「ごめんなさい」と何度もつぶやく。

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少女はどこかに電話する。その相手は、大人になったアンナ。
「奴らを見つけた。あなたにも見てほしいの」
少女こそ、ルーシーだ。彼女は死体をアンナに見せる。驚き、逃げ出そうとするアンナ。だが、ルーシーは謎の女に襲われる。真っ黒な女と揉みあいになるルーシー。アンナは戻ってきて彼女を救う。ルーシーはひとりで暴れている。彼女は幻想を見ているのだ。それでも、アンナは「もう誰も襲ってこないからね」と彼女を慰める。
昔の思い出が蘇る2人。
ルーシーは死体を処分する。

死体を庭にあった穴に投げ込むルーシー。
(この家族は庭に作業用の穴を掘っていた)
アンナはこっそり通報する。
彼女はまだ生きていた母に足をつかまれ、助けようとするがルーシーに見つかってしまう。彼女は奥さんにとびかかって殺す。そして、アンナにブチ切れる。
ルーシーはまた悪魔のような女に襲われているが、アンナから見ると、彼女がひとりで暴れているようにしか見えない。ルーシーは家の2階踊り場から飛び降り、アンナはその手当てに追われる。

アンナは倉庫の中に、隠し扉があるのに気が付く。地下には秘密の部屋があった。そこには、拷問されている女の子の写真や死体写真らしきものが飾られている。さらに、サムという名前の少女が鎖でつながれている。怯えているサムをなだめるアンナ。
「奴らが来た!」
家に、たくさんの車がやってくるのがわかる。逃げようとするルーシーとアンナ、サムだが、あっさりと捕まってしまう。

翌朝。アンナは床に転がされていることに気が付く。ソファーの下に昨日自分が隠した銃があることに気が付くアンナだが、手が届かない。そして、この誘拐と拷問をしている組織のボスらしき女性も現れる。

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ルーシーとアンナはバラバラに拘束される。ルーシーはドリルを使い、すさまじい拷問を受けているようだ。アンナも電気を流され「目を開けていたら死ぬ(目を開けていたら殺さない、という意味)」と脅される。

拷問は続く。
アンナは部屋から連れ出され、ボスの女性・エレノアと話をすることになる。
エレノアはアンナが通報したから、彼らは異変に気付けたのだという。警察も彼らに通じているのか?組織は、何としてもルーシーを連れ戻したかった。彼女には能力があるからだ。
「つらい拷問を受けても、生を選択し続ける」からだ。そういう女の子は、死ぬ瞬間も何かを見ている。そんな目をしているのだ。それを再現したいというエレノア。
だから、ルーシーを生きたまま火あぶりにするという。
「境界線を越えなければならない。死後の世界には何があるのか?目の奥には何が見えるのか?」エレノアはうっとりしながら、ルーシーを殺して見えるはずのものに思いを馳せる。
彼女の処刑には、たくさんの人が集まる。見物人ももちろん納得している。

エレノアはアンナに感謝している。ルーシーを返してくれたから。だが、知ったからには彼女を元の家に帰せない。アンナを生き埋めにしてから、ルーシーの最終準備をするという。

アンナが目を冷ますと、たくさんの女の子の死体がある庭の穴の中で目を冷ます。ショベルカーが土をかぶせるが、たまたま残されていたパイプの中にアンナは逃げ込む。

ルーシーは準備をされている。背中の皮を剥がれている彼女。

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アンナは生きており、リベンジを始める。穴から出て、シャベルで男をボコる。銃を回収して、3人の男を次々殺していく。左手を撃たれるが、彼女はやめない。
別の男があの所を殺そうとするが、捕らわれていた少女(ここで初登場)がその男の首を自分に巻きつけられた鎖で締め、アンナを援護する。
サムを見つけたアンナは、彼女を逃がす。
「大丈夫よ、もう恐れるものは何もないの」
彼女は助けを呼ぶために、走り続ける!

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アンナはさらに刺されるが、また相手を射殺する。
サムは人を見つけ、助けを求める。
ルーシーを助けるために、奥へと入っていくアンナ。ルーシーは磔にされたまま、上を見て恍惚としている。アンナは彼女を助け出すが、何かを呟いている彼女の言葉を聞き、神父は「私は聞いた!」と自殺する。
「何を見たの?」と詰め寄るエレノアを、アンナは射殺する。
警察がやってくる音がする。
子供の頃、回転する遊具の上に寝そべって過ごしていた幼い2人の姿に、磔にされたルーシーにすがっているアンナの姿がかぶさっていく。

感想

・こんな話だったっけ?という気持ちが強い映画。
有無を言わさぬ恐怖感が薄れてしまっています。
・ちなみに、ポスタービジュアルの姿は出てきません。
・ただ、ラストの映像はけっこうキレイです。
・女の子はカワイイ。
・そういや、この映画って男性がほとんど出てこないんだな。