「クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア」

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2002年のアメリカ映画「クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア」を見ました。ヴァンパイア映画でもかなり耽美な話だよなあ、と思ったら「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の続編だったのであります。
・ヴァンパイアが現代に蘇り、V系バンドを結成!
・でも邪悪なヴァンパイア蘇らせちゃった~
という話。当時のファッションが懐かしすぎて……なんとなく、「トレインスポッティング」が流行したことを思い出した。

あらすじ

94年に大ヒットした「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」の続編。原作は前作同様アン・ライス。今回トム・クルーズに代わり新たにレスタト役に抜擢されたのは「シューティング・フィッシュ」のスチュアート・タウンゼント。2001年8月25日、飛行機事故により22歳の若さで命を落としたシンガー、アリーヤの遺作となった。
ニューオリンズの地下墓地。ヴァンパイアのレスタトは100年の眠りから覚醒した。レスタトはそれまで彼が生きてきたどんな時代にも聞いたことのない怒りと官能を秘めた響き――ロックンロールに突き動かされた。彼はその音楽を操る連中の仲間となる。そして一気に世界を魅了するロックスターとなった。レスタトは自らの孤独な運命を呪い、歌詞の中でヴァンパイアの秘密を暴露してヴァンパイアたちを挑発した。そして遂に、レスタトの歌声は全てのヴァンパイアの母にしてもっとも邪悪な伝説の女王アカーシャを、数千年の眠りから蘇らせてしまうのだった…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=239516

ネタバレ

覚醒して、男の血を吸うヴァンパイア・レスタト。かつての自分の家に戻ると、そこでは不法侵入をしてロックバンドの練習をしている若者たちがいた。驚く若者たち。レスタトは「君たちの夢を叶えに来たんだ」と笑う。

時が流れ、バンドは有名になっている。ヴァンパイアだと名乗るレスタトを「偽物」として扱うマスコミ相手に記者会見が開かれる。中継でレスタトが質問に答えるが、どの質問にも挑発を交えるレスタト。

しかし、彼の歌を聞いてその歌詞の意味に驚いた女性がいた。彼女はタラマスカにある頂上研究所に勤めているジェシーだ。彼女は彼が歌の中でヴァンパイアの秘密について歌っていることを知る。彼女自身も、幼少期に不思議な夢に悩まされていた経験を持つ。

レスタトはグルーピーの女の子たちを呼び、彼女たちの目の前で壁と天井をよじ登る。そして上から女の子たちにとびかかり、その血を吸う。

ジェシーはレスタトのことを調査したいと持ちかけるが、上司は彼女に彼の手記を見せる。

そこには、レスタトの過去が記されていた。彼はマリウスという吸血鬼にさらわれて血を吸われ、吸血鬼に仲間入りした。彼は音楽を愛しており、海辺で楽器を演奏している男女とセッションをしようとしたりもする。だが、人間でないことがバレ、殺さざるを得ない。彼は1人でバイオリンを練習する。しかし、そのなかで隠し部屋を見つけてしまう。その隠し部屋の中には2つの石像があった。その石像が動いたように見える。そして、その石像からなぜか血管が浮き出て見えたのだ。彼はその血を吸い、あっという間に倒れてしまう。

その石像はアカーシャとエンケル。エジプトの王女と王の像だ。生きる石像である彼女たちは、人間もヴァンパイアも襲うのだ。マリウスは姿を消してしまい、レスタトは孤独にさいなまれる。

現代。吸血鬼のたまり場のクラブに潜入したジェシー。だが、人間であることを見破られ、吸血鬼たちに追いかけられてしまう。そこに現れて、彼女を助けてくれたのはレスタトだった。ジェシーに冷たいレスタトだが、彼の孤独をジェシーは見抜いてしまう。

レスタトのバンドはコンサートを控えている。だが、そんな彼のもとを訪ねてきた男。マリウスだ。彼は、アカーシャがエンケルを殺して蘇ったことを知らせる。その頃、アカーシャは吸血鬼のたまり場のクラブに潜入する。彼女はレスタトを敵視するヴァンパイアの心臓を引き抜き、次々と気に入らないヴァンパイアを殺す。燃え上がるヴァンパイア。

レスタトはまだ仲間を挑発する。彼はアンテナの上に乗っかり、そこからメッセージを送信する。
「彼らが殺しに来る」
「孤独よりマシだ」

ジェシーはまだレスタトをつけまわす。だが、彼女は彼に手記を返したのだ。最後の夜だから一緒にいさせてというジェシー。彼らは抱きあって空を飛ぶ。
だが、レスタトは公園で女の血を吸い、ジェシーがひるんだら置いて帰ってしまう。

そして、待ちに待ったデスバレーでのコンサートが始まる。ジェシーは客席にいる。上司のデイヴィットも彼女を心配してやってくる。
マリウスは「近いうちに、新しい彼をお見せしましょう」と語る。
客席には、悪魔のヤリやらオノ(もちろん全部フェイク)を持ったファンがいる。

ライブが始まると、客席にいるヴァンパイアがチラチラ姿を現す(ちなみに野外コンサートで全員立ち見)。そして、襲ってくる!マリウスが彼らを撃退し、バンドメンバーは逃げてしまう。しかし、最後にアカーシャが襲撃してきてレスタトを連れ去ってしまう。彼女は海辺まで逃げ、レスタトを「永遠の時を分かち合う伴侶」として選ぶ。

一方、ジェシーは夢に出てきた場所(モハーベ)を実際に訪れている。そこにいるのは、彼女の「おばさん」だ。彼女はジェシーの先祖だと語る。

レスタトはアカーシャの能力を分けてもらい、太陽の光が大丈夫になる。だが、アカーシャは人をたくさん殺している。そのことで嫌な気持ちになるレスタト。
彼は人間を殺したくないが、アカーシャは人間なんて生きる価値がないというのだ。

ジェシーのおばの仲間にはマリウスもいる。彼らは、人類を守ろうとしているヴァンパイアだ。

アカーシャとジェシーのおばの対決が始まる(おばの家に侵入した)。
アカーシャに言われ、ジェシーの血を吸うレスタト。そして、レスタトはアカーシャの血を吸ってパワーを得るようにも命じられる。だが、彼はいつまでたっても牙を剥がそうとしない。レスタトの意志に気が付き、アカーシャにむらがってその血を吸う吸血鬼たち。彼らはアカーシャに吹き飛ばされて死んでしまう。ジェシーのおばも彼女の血を吸い、殺される。
しかし、アカーシャのエネルギーを奪うことに成功した彼ら。彼女は真っ黒な像になって、死んでしまう。反対に、ジェシーのおばは真っ白になってしまい、眠ったように静かだ。
倒れているジェシーを優しく撫でるレスタト。

後日。幻覚剤入りの水が販売され、レスタトのバンドのライブで客たちが幻覚を見たと報道されている。その新聞を読んでいるジェシーの上司のデイヴィットのところに、レスタトが現れる。ジェシーを伴って。彼女もヴァンパイアになったのだ。
彼らはさよならを言いに来たのだ。2人が去った後、そこにはマリウスが現れる。
「やあ、デイヴィット」
(彼も仲間に引き入れたのか?とようなエンド)

そして2人は町を彷徨う。

感想

・90年代のクラブの感じとお耽美ヴァンパイアがまあ相性が悪いこと。
・こういうバンドのライブに悪魔のヤリとかオノとかのおもちゃを持ってくのって何なのでしょうか。もしかして公式グッズだったのかなあ。
・ジェシーのおばさんの正体の説明が簡略化されすぎていて、結局よくわからない。まあ、白い吸血鬼と黒い吸血鬼の戦いみたいな感じか。吸血鬼ってどうして同種で争う展開が多いのでしょうか。