「ウォーキング・デッド」シーズン6・第13話のネタバレ

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第13話「張り詰めた糸」

※今回はキャロル、マギー主役回です。

前話のキャロルとマギーの押し問答に、時間は巻き戻る。
「助けに行く」
マギーの後ろのウォーカーを倒したキャロル。
「ここにいなさい」
次の瞬間、キャロルは血相を変えて銃を抜き、マギーも振り返る。敵だ。キャロルはその男を撃ち、マギーも銃を出す。後追いしようとするマギーに「やめて、行くわよ」と声をかけるキャロル。
「終わらせる」
マギーは暴走しようとしている。誰かが飛び出してきて、キャロルに銃を突き詰める。
「やめなさい、彼女を殺す」
それは女だ。
「銃とナイフを置いて」
マギーの前にも、銃を持った若い女が現れる。
「いい上着だね」
年配の女性が銃を突き付けながら、マギーの上着を褒める。
「人殺しども」
若い女は吐き捨てる。
「撃つ前に脱がせる」
キャロルも銃を置く。

既に明るくなっている森。双眼鏡が何かを探している。
「血が止まらないぞ」
「縛るから待ってな」
「きつすぎる」
「それでいいんだよ」
どうやら、キャロルに撃たれた男の手当てをしているのか。彼らは言い争っている。そこにバイクの音が響く。
「今のは?」
双眼鏡がダリルと男の喧嘩を捕える。
「プリモだよ。捕まった、無線を」
指導者らしき女は、ケガをしている男に要求する。
「どうなってる?」
「銃を捨てなさい」
女は男の言葉を無視して、無線機に話し始める。
「そこのあんたよ」
きょろきょろするリックたち。
「全員武器を捨てな」
リックは無線機を拾い上げる。
「出てこい、話をしよう」
女たちはひそひそ会話を続ける。
「何人いる?」
「8人見える」
「多いね」
「俺たちなら勝てる」
男を振り返り、頷くリーダー格の女。
「出てかないけど話す」
一旦無線を切る女。
「名前は?名前だよ」
「マギーとキャロル」
マギーが応える。
「キャロルとマギーについて話しましょう。解決しましょう、私たちの方法で」

しかし、次の瞬間、ダリルたちはバイクの男(プリモ)を立たせて、銃を向ける。
「仲間を捕えた、交換だ」
「続きを」
「先に2人の無事を確認させろ」
女は無線機を持ち、マギーたちのほうに歩み寄る。
「余計なことは言うんじゃないよ」
後ろでは、年配の女がやってきたウォーカーの相手をしている。
「キャロルよ、無事だけど……」
「あんたも」
キャロルを突き飛ばし、マギーに無線機を向ける。
「マギーよ、何とかして……」
「黙りな。(リックに)わかったでしょ?」
「よし、これが条件だ。2人を解放すれば、仲間もお前たちも生きられる」
「2体じゃあ割に合わない」
「他に手があるか?ないから話してるんだろ?」
「助けなきゃ」
背後から男がまた話しかける。
「彼なら平気よ」
「手当てさせる。この女のせいだ」
睨まれるキャロル。しおらしくしている。
「ビビったな、ポーラ。こいつを撃ってれば……」
「今考えてるのよ」
ポーラと呼ばれたリーダー格の女はそう返す。
「早く決めろ」
「あんたは黙ってな」
年配の女が男にすごむ。
「ポーラがキレたら知らないからね」
「迷うかもしれないが、公平な取引だ。出てこい。交換したらおとなしく去る」
「冗談じゃない、バカにされてる」
若い女はまだ怒りが収まらない。
「好都合だわ」
「どうだ?」
「また連絡する」
通話は切られる。マギーは上着を顔にかぶせられる。キャロルも同様にかぶせられるが、視界がなくなる瞬間、ポーラは襲ってきたウォーカーの頭を刺す。

延々と森の中を歩かされている2人。足元だけが見える。
「速く」
「こっちだよ」
「止まりな」
彼らは車まで移動する。
「オメガへ、救世主に襲撃あり。ガンマへ移れ」
車の中で手を縛られているマギーとキャロル。
「アルファ周波数は使うな」
「今どこ?」
「西の16キロ先だ、向かう」
服の隙間から、外の景色が見える。
「分岐点で合流する、シータ周波数で― 出なければアルファ周波数に」
「了解」

彼女たちはどこかに到着したようだ。
「こんなとこ大嫌いだよ。“安全地帯”だって?本当に安全かね」
足元に“家畜処理室”のプレートが落ちている。
「ここなら身を守れる」
と、服の目隠しを取られたマギーの目の前にウォーカーが現れる!その頭を刺すポーラ。マギーの目前で、ウォーカーは死んでいく。
「座りな、こっちよ」
マギーは部屋の隅に追いやられる。
「あんたはあっち」
キャロルは部屋の反対側に座らされる。さるぐつわもされており、足も縛られる2人。
「逃げられると思う?それを決めるのは私だよ」
ポーラは告げる。ウォーカーの死体を引きずっていく若い女。と、銃声がする。
「ポーラ、援護して!」
彼女は立ち上がる。
「今すぐ殺したい。妙なことをする気なら覚悟するんだね」
彼女は部屋を出ていく。静寂に包まれる2人。マギーは立ち上がり、部屋を調べる。そして、部屋の柱で手をつなぐテープを切ろうとしている。キャロルは足元に落ちていた(襲ってきたウォーカーのもの?)十字架を拾い上げ、それをズボンのポケットにしまいこむ。と、銃声音が響き、誰かが戻ってくる気配がする。慌てて体勢を戻すマギー。
突然キャロルはハアハアと息を荒げて、呼吸ができないほどになる。驚くマギー。

そこに、ポーラたちが戻ってくる。ケガをした男を連れて。
「最後に来たのはいつ?」
「1ヵ月前よ」
「1ヵ月じゃ奴らも集まる」
「銃も食料もバイバイ、増えるのは化け物だけ」
年配の女が騒ぐ。
「抜け道はある、ここを出よう」
「どこへ?」
ハアハアしているキャロルのため、唸り声を上げるマギー。
「死人が廊下にいるなら安心だよ。奴らが仲間より先でも、時間稼ぎになる。うるさい」
キャロルに言うポーラ。
「血が止まらない」
「ロープを」
「腕を失いたくない」
「うるさい、ドニー」
「黙れ、シェル。プリモなら手当てしてくれる。取引しろ」
「奴らを見てないでしょ。内部の仲間を襲った、私たちも殺される。今さらやられてたまるか」
ロープをドニーと呼ばれた怪我人の男の腕に巻き付けるポーラ。マギーはポーラに話しかける。
「何よ」
マギーのさるぐつわをとるポーラだが、マギーはすぐさま喋り出す。
「過呼吸よ、さるぐつわを外して」
呆れるポーラ。年配の女がキャロルのもとにやってくる。
「おびえた小鳥だね」
さるぐつわを外され、息をするキャロル。
「みっともない、よく生きてたね」
「いいかい、ヨガの呼吸で落ち着くんだ」
暴言を吐く若い女と、キャロルに呼吸を思い出させる年配の女。キャロルは息をしながら、先ほどポケットに入れていた十字架を引きずり出す。そしてそれを掲げる。
「神頼みかい」
年配の女は背後に下がり、代わりにポーラがやってくる。
「何が怖いの?」
キャロルは十字架を握っている。
「まさか死ぬのが怖い?今までだって命の危険はあったはず」
「私はどうなってもいい。マギーは傷付けないで。赤ん坊も」
ポーラは目を剥く。そしてマギーを振り返る。
「なるほどね」
「妊婦には見えない」
男が口を挟む。
「まだ2ヵ月だから」
「こんな世界ではらむなんて」
マギーは笑う。ポーラは尋ねる。
「おかしい?」
「どの世界ならいい?昔も出産で女は死んだ。終末を信じながら、乗り越えてきた」
「あなたは乗り越えられる? とにかく素敵だわ、“赤ん坊は希望、子どもは未来”ってね。死人のおやつになるだけ。大事なのは生きること」
「違う。それはウォーカー。私は選択もする」
「そうだね、今までは選択できた」
ポーラは外に出ていく。年配の女はタバコを吸い出し、若い女は相変わらず銃を向けている。
「妊婦よ」
キャロルの言葉に、タバコを吸う年配の女は笑い出す。
「副流煙より大きな問題に、気付いてないのかね」
「モリー」
若い女の咎めるような声に、タバコを消すモリーと呼ばれた年配の女。
「少学2年の福音主義者より厄介な女たちだよ」
何度も咳き込むモリー。
「体に毒よ」
「もう毒されてる、死んだも同然だよ」
彼女が口に当てたハンカチには、血が付いている。
「あんたたちと同じ状況ってわけさ」
また咳き込むモリー。キャロルは瞳を閉じる。

ダニーは呻いている。
「腕が焼けるようだ」
「外したら血が噴き出るよ」
「耐えて、30分以内に偵察隊がくるから」
「30分も持たない、神経障害よ」
マギーが口を挟む。
「手当てしないと命を落とすかも。父が足を失ったからわかる」
ポーラは彼女を見るが、すぐに向き直る。マギーは辛抱強く話す。
「プリモなら治療できるのよね?解決しましょう。リックと話して」
「30分よ」
無視して、ポーラは立ち上がる。ダニーはキャロルを睨んでいる。
「許せねえ」
立つダニー。
「こいつに撃たれた、なのにこいつは無傷で座ってやがる」
「ダニー」
「取引はしない、今すぐ殺す」
「賢くやるの、保険として生かさなきゃ」
ポーラが彼をなだめようとする。
「なら腕を撃つ」
「ダメよ」
「俺よりこいつが優先か?(腕に激痛が走り)クソッ」
「黙りなさい」
「調子に乗るな!」
「うるさい!」
ポーラを叩くダニー。そしてキャロルのほうを向く。
「やめて!」
マギーは横に倒れ、ダニーの足を蹴る。男は倒れる。ダニーは怒りのままに、マギーのほうに向かう。
「やめて、やめて!」
「生意気な女め!」
ダニーはマギーの髪の毛をつかんで立たせるが、頭突きされる。それでもマギーを殴ろうとするダニーの足にキャロルがすがる。そのキャロルを何度も蹴るダニー。そんなダニーを、ポーラが殴りつける。
「まったく、バカな女ね。連れてって、口を割らせるのよ。遅くなったけど」
ポーラは殴られた頬を撫でながら指示する。シェルという名前の若い女が、マギーを外の部屋に連れていく。キャロルは倒れたまま、外を見る。そこにはウォーカーがいて、ドアの小窓から中を覗いている。

シェルと向かい合って座っているマギー。
「清潔だし、子作りもできた。いいところなんだね。どこ?」
マギーは突然、吐き戻す(つわり?)。
「さっさと吐きな。場所は?自分と子どものためだよ。物資を渡せば生きられる。そっちが善人じゃない。わかってるよね」

ポーラのケガの手当てをしているモリー。
「ひどい男だね。男は痛みに耐えられないから」
キャロルはおずおずと口を開く。
「あの……お礼を言うわ。マギーと私を助けてくれた。夫のエドは……」
「旦那の魅力なんて知りたかないね」
ポーラはバッサリと言う。
「あんたみたいな人間はよく分かる。あんたは― 哀れだね。あんたと私たちを一緒にしないで。男はベッドのお伴。寝てる間に殺せる」
キャロルの手の十字架を見つめるポーラ。ふと笑う。
「そんなもの信じてる?」
「娘の死から救われた」
「もうすぐ再会できるかもね」

シェルは、小指の包帯を巻きなおしている。彼女は小指がない。
「どうしたの?」
「盗みを働いた罰よ」
「何を?」
「ここからガソリンを盗んだ」
「なぜ?」
「彼氏の遺体を探したくて」
「見つけた?」
「爆破された。バラバラよ」(おそらく、ダリルがロケランで爆破した奴ら)
「“フランク”。彼の名前?」
シェルのタトゥーを見て、話を続けるマギー。
「違うわ。あいつは……よく知らないし、イヤな男だった。フランクは父よ。子どももその名にしようと」
「残念だわ」
「ウソよ。本心じゃない」
「死ぬ気はないわ」
「ええ、私もよ。どちらかが死ぬ」
彼女はまた同じ質問をする。
「どこなの?」
マギーは黙る。

「結論は出たか?言ってみろ」
ポーラのもとに無線が入る。
「私から連絡すると言ったはずよ」
「謝ったら許してくれるか?」
「どう思う?」
「交換する場所を指定しろ」
「合意してない」
「するさ」
「それはどうかしら。リスクが高すぎる。こちらが損するわ」
「戦ってもムダだ」
「賭けてみる」
彼女は無線を切り、ポケットにしまう。
「戦いは必要はない」
キャロルは話しかける。
「あんたらが私たちの仲間を皆殺しにした」
「不本意だった」
「でも殺した。理由は?」
ポーラは尋ねる。キャロルは涙ながらに語る。
「私たちの仲間を襲い、すべてを奪おうとしたからよ。殺されそうに」
「なるほど。彼らに何が起きたかやっと分かった。バカだね。粋がったんだろうよ」
モリーはタバコに火を付け、モリーが引き継いで続ける。
「それなら納得がいく。自己防衛だったんだろうね。あんたの仲間が彼らを殺したんだね。吹っ飛ばすだけじゃ足りなかった?」
キャロルは焦る。
「ニーガンの部下だと」
「ニーガンの何を知ってる?」
「凶暴な人間だから止めようとした」
モリーはタバコをくゆらせながら笑う。
「分かってないね。私たち全員ニーガンだ」
「なんて?どういうこと?」
モリーは咳き込む。ポーラはダニーのところに行き、見下ろす。モリーは新しいタバコに火を付ける。
「ちょうだい」
「何言ってんだい。体に毒なんだろ」
「そうよ」
モリーはキャロルにタバコをくわせさせる。そして火をつける。
「弱いね。何を恐れているの?自分の信条も貫けない」
小さい声でキャロルが言う。
「私の信条を知らないでしょ」
その強かな一言に、ポーラは少し違和感を覚える。
「こうなる前、私は秘書をしていた。ボスにコーヒーを入れておだてるのが仕事。1日の大半は自己啓発メールを読んで、自分を鼓舞してた。
何度も届く話があったわ。苦労している若い女性が母親に死にたいと言うと、母親は3つの鍋でお湯を沸かし始め、それぞれにニンジン、卵、コーヒー豆を入れた。しばらく沸騰させて母親は“全部同じように茹でた。固いニンジンは柔らかく、割れやすい卵は強固に、でもコーヒー豆は水自体を変えた。コーヒー豆になりなさい”。
私にとってコーヒーはボスの飲み物。何度カップに注いでもキリがない。軍がDCを占拠した時、私は職場にいて、帰れなかった。重要人物の避難が優先。国会議員や政府職員よ。私はボスといた。家族ではなくね。夫でも、4人の娘たちでもなく……」
ポーラはふと言葉に詰まり、歩き出す。
「弱くてバカなボスに巻き込まれて死にたくない。だから殺した。生きるためだった。2桁殺したところで、罪悪感は消えたわ。あなたとは違う。私は生まれ変わったの。すべてを失い、強くなった」
「本当に?」
「私は生きてる」
「人殺しと一緒だから」
「そっちこそ人殺しよ。あなたも同類」
キャロルは目を閉じて、また話し出す。
「あなたのほうよ」
「何が?」
「死ぬのを恐れてる。でも死ぬわ。死ぬのはあなたよ。こちらに従わなければ」
ポーラは驚いた顔をしながら返す。
「あなたが殺す?」
「違うことを願う」

ポーラはリックへ無線で呼びかける。
「クソ野郎、聞こえる?」
「ああ」
「取引することに決めた」
「よかった」
「“神は死んだ”という看板が、66号線を2マイル行った見通しのいい所にある」
「そこで10分後に?」
「10分後よ」
ポーラは頭を振る。
「素直すぎる」
「仲間を取り戻したいから」
モリーが言うが、ポーラは納得しない。
「雑音が入らなかった。近くにいるはず。足跡を追ったのかも。武器もあるし、戦い慣れてる。外を出たところで殺す気なんだわ」
「違う」
キャロルは頭を振る。
「聞いてちょうだい。リックは約束を守る。私たちを危険にさらさない」
「あんた同様バカだね」
ポーラは仲間と無線で通話を始める。
「到着予定は?」
「数分後だが、ガス欠寸前だ」
「ここで給油すればいい。接近したら無線を」
「了解」
ポーラはモリーに呼びかける。
「行くわよ。シェルを安全な所へ。準備しといて」
「彼女は?」
「ここに残して。連れていくと荷物になる。奴らが来たら撃つのよ」
ポーラとモリーは外へ出ていく。廊下にいたウォーカーを殺していく。
「廊下を一掃しないと」
キャロルのいる部屋には誰もいなくなる。ため息をつく彼女。考え込む。まず十字架を床にこすりつけてとがらせ、手を巻いているテープを切る。次の瞬間、自由になっているキャロル。マギーを探して歩き回る。と、モリーがウォーカーを殺しているところに出くわしそうになり、慌てて隠れる。モリーは具合が悪いのか、つらそうだ。
「待ってな」
倒れているウォーカーにとどめを刺すモリー。モリーが去るのを見ながら、キャロルも別の方向へ逃げる。

マギーもテープを切るため、ちょうつがいにこすりつけている。そこにキャロルが現れる。彼女のテープを剥がし、ハグする2人。
「よかった」
「大丈夫よ。今のうちに逃げるのよ」
「殺さなきゃ」
マギーは宣言する。キャロルが驚く。
「逃げるの」
「生かしてはおけない」
キャロルは何も言えず、とりあえずドアへ向かう。
2人は静かに別の部屋に移動する。マギーは何かを物色する。ダニーだ。彼のロープを外して、様子を見る。
「死んでる。転化するわ」
「逃げましょう」
「銃が必要よ。貸して」
マギーは、ロープをダニーのベルトに通す。

モリーはウォーカーを始末するために歩き回っている。ある部屋に入った彼女だが、目の前にウォーカーと化したダニーがいる!叫ぶ彼女。ダニーはモリーの手に噛みつく。彼はロープで固定でされている。モリーはダニーを刺す。
「死にやがれ、ダニー。(キャロルたちに)どこにいるんだい、血を見せてやるよ」
背後から飛び出したマギーはモリーを刺し、銃で何度も殴る。骨が折れる音がする。
「行くわよ」

ポーラが戻ってくるが、そこには愕然とする光景が広がっている。彼女は銃を片手に、2人を追う。

マギーたちは廊下を歩いていく。そこには、串刺しにされて廊下に固定されたウォーカーたちが何体もいる。
「これで出入りできない。彼女たちを捜すのよ」
と、銃声がする。ポーラだ。彼女は勢いで弾を撃ち切り、それでも近寄ってくる。
キャロルは彼女に銃を向ける。
「行きなさい」
「撃って」
マギーは懇願する。
「撃てばいいわ」
ポーラも笑う。
「ドニーもモリーも殺し、私の家を壊した」
「逃げて」
「分からないでしょ。私のことなんて。何をあきらめ、何をしてきたか」
「逃げて」
「撃って」
マギーは催促する。
「さあ、私には何もない」
ふと、串刺しになっていたウォーカーが自由になって歩き出す。キャロルにつかみかかるウォーカー。彼女を守ろうと、マギーがウォーカーを殺す。

と、姿を潜めるマギー。
「モリー!?」
シェルの声がする。と、マギーは廊下の曲がり角の向こう側にいたシェルに殴りかかる。殴り合いを続ける彼女たちだが、シェルがマギーに切りかかる。
「クソ女!」
ナイフを振り回した彼女だが、その刃先がマギーのシャツの腹部を切り裂く。躊躇するシェル。次の瞬間、シェルをキャロルが射殺する。
「私がやる」
ポーラは廊下にしゃがみこんだままだ。キャロルが歩み寄る。
「やるわね、おびえてたのに。あんたも― 変わったんだね。私もだよ」
「逃げろと言ったのに」
「こんなことができるなら、何を恐れていたの?」
キャロルはポーラのほうににじりよる。
「こうなることをよ」
ポーラはまた笑い出す。次の瞬間、キャロルの銃を叩き落とし、彼女に飛びつく。次の瞬間、殴り合いの反動で、彼女はウォーカーが串刺しになっていた棒に自ら刺さり、ウォーカーに頬の肉を食いちぎられる。絶叫するポーラ。
「ポーラ着いたぞ、決行か?聞こえるか?」
キャロルは無線機を取り上げ、彼女の声を真似て話す。
「処理室で待ってる」

キャロルとマギー。ある部屋に潜んでいる。
「18人も殺したわ。これで20人。ドニーは森で殺しておくべきだった。わざと外したから」
「考えないで」
「考えずにいられない」
「もうすぐ終わる」
ふと、男たちの気配がする。何人かが処理室に向かって歩いていく。
「気を付けろ、滑るぞ」
「ここか?」
「処理室だと」
「鍵がかかってる」
キャロルはタバコに火を付ける。そして廊下に飛び出し、タバコを投げ、廊下の間にあった扉を閉める。タバコはオイルに引火して、あっという間に燃え広がる。閉じ込められた男たちが炎にまかれる音がする。キャロルたちはその部屋を後にする。
「KILLFLOOR」(家畜処理室)のプレートが見える。

施設の外に向かって歩き出す2人。シェルの死体が倒れている。そして、顔を食いつくされてしまってウォーカーと化したポーラも見える。マギーは彼女の頭にナイフを突き立てる!そして、次々ウォーカーを刺していく。

施設の外への扉を開けたマギー。と、そこには銃を持った男がいる!グレンだ。ロジータもいる。マギーとグレンは抱き合い、他の仲間たちも次々と中へ入ってくる。
「大丈夫か?跡を追った。火を付けた?大丈夫か?」
「いいえ」
「来い」
ダリルはキャロルのアゴを手で支えながら体調を気遣い、頭を撫でながらハグをする。

「私たちを連れ去った人間は全員死んだ」
「大丈夫か?」
「私は……もう無理」
「分かったよ」
グレンもマギーを再度抱きしめる。

「仲間は死んだ、誰も助けに来ない」
プリモに話しかけるリック。
「話すんだ」
「撃ち殺せ」
「もう一度だけ聞く。バイクはどこで?」
「偶然だ」
「ウソつけ」
ダリルが噛みつく。
「見つけたんだ」
「ニーガンはあの建物か、ここに?」
「両方だ。俺もニーガンだ。面白い世界の話をしようじゃないか」
「悪いな」
リックはプリモを射殺する。キャロルは息を呑み、握っていた十字架をもっと強く握る。その手のひらから、血がしたたり落ちている。

感想

・ダリルは相変わらずキャロルにすごく優しい。トビンと関係を持った描写があったから、おそらく恋愛感情じゃあないということはわかりましたが、それでも微笑ましいですね。
・モーガンやタラが頑張るのかと思いきや、さすがキャロル。自己解決しました。シーズン6で全然登場しなかったキャロル、出番少なめのマギーの主役回だったのは嬉しい。
・ミショーンやキャロルと同じくらいの戦闘力で、飄々としたキャラのポーラ。面白いキャラですが、1話限りのゲストだったようです。
・「ニーガン」はまだまだいるのかも?その戦いがメインになるのか?
・W(ウルフ)はどうなったんでしょうか。アレクサンドリアを襲っただけで満足したのか?
・リックたちは全員生き残って、ニーガンたちが(詳細不明ですが)全滅するって、すさまじいですね。
・キャロルファンにはたまらない回。