「人狼ゲーム ビーストサイド」

jinrougameb

2014年の映画「人狼ゲーム ビーストサイド」を見ました。邦画です。
・土屋太鳳、森川葵と注目の女優が出演
・人狼ゲームの「人狼」側の苦悩を描いた作品
・壮絶な騙し合いの末、生き残ったのは……?
と言いつつ、やはりなんだか違和感がある映画。女優さんは見事ですが、本来の人狼ゲームがテレビで見ていると、暗転→村人が選ばれてそのまま退場(イスが後ろにぶっ飛んでいく)→明転したら姿を消している、というあまりにもテンポのいい流れ。騙し合いは反対にねちっこいし、それが観客にとっての見どころでしょう。なのに、ホラー映画にすると話し合いはサクッと終わり、殺人の場面と日常パートにダラダラ時間が割かれる。という矛盾にモヤモヤするのです。

あらすじ

近年、日本でも人気集めるヨーロッパ発祥の心理ゲーム“人狼ゲーム”をモチーフにした同名ホラー・サスペンスの続編。主演は「映画 鈴木先生」の土屋太鳳、共演に森川葵、桜田通。監督は前作に引き続き「パーク アンド ラブホテル」の熊坂出。
今作では“人狼”側に視点を置き、土屋太鳳扮する人狼に配役されたヒロインが、生死をかけたリアルな殺戮ゲームの中で“非日常”の喜びを感じて狂気の殺人鬼と化していくさまを描く。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=349823

登場人物

由佳(土屋太鳳):人狼に選ばれた女子高生。運動神経が良く、気が強い。将来はロック歌手を目指す。
未海(森川葵):人狼ゲームに詳しい少女。漫画を描くのが好きなオタク。
麗子:もうひとりの人狼。クラス委員であり、マジメな性格。
平:やや反抗的な印象の少年。周囲からの信頼度は低い。
瞳:おとなしい性格。
亜希子:さばけた性格。最初に自分が「共有者」だとカミングアウトする。
小曽根:人狼ゲームに詳しい。男性陣のなかではマジメなほう。
伊勢:実は亜希子と交際している。クズ発言が多い。
柳川:麗子と両想い。チャラい。
藤堂:伊勢や柳川とつるんでいる。煽りに弱い。

ネタバレ

目を覚ますと、ある施設に集められている生徒たち。彼らは顔見知りだ。
そして、突然テレビに人狼ゲームに強制参加させられること、そのルールが映し出される。
・2人の人狼が彼らに交じっている。村人は毎晩9時に会議をして、人狼だと思った人物を殺す。
・殺し方はなんでもいい。共有スペースに6発の弾が入った銃があるが、そこから外には持ち出せない
・預言者は毎晩、気になった人物を占える。
・用心棒は毎晩、指名した人物を守ることができる。ただし、自分は守れない。
・共有者は2名選出される。彼らは自分たちが村人だという情報を共有している。
・村人は人狼を全滅させたら勝利、人狼は村人を人狼を同じ数にまで減らせたら勝ち。ゲームに勝利したほうの側には、1億円が支給される。

jinrougameb1

彼らはまず施設を見て回る。そしてなんとなくゲームを始めるが、亜希子がまず、唐突に自分が共有者だとカミングアウトする。しかし、その途中で、麗子の好きな柳川が(人狼ではないが)自分が犠牲になると言い出す。そして彼女が止めるのも聞かずに「いつか所帯もとうな!」と彼女の頭をポンポンして、外に飛び出す。次の瞬間、彼の頭は吹っ飛び、死んでしまう。血まみれになる麗子。

ここで彼らはようやく、これが本当の死のゲームだと知る。彼らのなかには、望んでここに来た者もいた。人狼ゲームに参加できるという都市伝説を信じて、ある場所に集まったらここに連れてこられたというのだ。

夜中に、人狼が動き出す。由佳と麗子が人狼だ。彼女たちは大声で議論する(他の人に聞こえないのか??)。人狼ゲームに詳しい美海や共有者だとカミングアウトした亜希子などが殺害候補に当たる。
結局、美海と同様に人狼ゲームに長けている小曽根を殺そうとする彼らだが、用心棒に守られていたのか、個室のドアがロックされていて開かない。気付かれた彼女たちは、自分たちも襲われたように装って叫び出す。

次の日。
美海とたびたび話す由佳。由佳は遺族に渡すため、柳川の靴を回収する。
その一方で、亜希子と付き合っているという伊勢は、亜希子は共有者ではなく人狼だと告発する。

その日の話し合い。由佳は麗子を預言者に仕立てあげる。ギョッとする麗子。だが、話を合わせて伊勢を占ったとでっちあげ、彼が人狼だったと皆に言い出す。しかし、小曽根は自分が預言者だと名乗り出る。
亜希子と伊勢は大喧嘩する。そもそも、2人は亜希子の妊娠を機に別れたのだ。その話を知り、皆は伊勢を軽蔑して、人狼候補として選ぶ。暴れる伊勢に、由佳が銃でとどめを刺す。

その夜に、由佳と麗子は亜希子を殺しに行く。亜希子は騒がず、彼女たちにおとなしく殺される。麗子は歯をくいしばる。
「絶対に生き残ってやる」「柳川君のぶんまで、生きてやる」

jinrougameb2

次の日。
亜希子の死体とは別に、小曽根の死体も見つかる。彼は亜希子の部屋に入り、自分で自分を刺したのだ。怯える藤堂は、自分も預言者だと言い出す。

だが、麗子の髪飾りの破片がベッドサイドに落ちており、彼女が人狼だとバレてしまう。亜希子は自分を殺させないように説得するが、どう考えても村人たちが人狼を生かしていてもいいことはない。

麗子は刺されて死ぬ。人狼を言うように麗子に迫る由佳。だが、彼女は何も言わない。「生き残って、犯人を殺して」

由佳はノートにメモを書くが、そのメモをちぎり、自分で食べてしまう。
藤堂は由佳を人狼だと断言する。

その夜。由佳は小曽根の服を脱がして、枕カバーをマスク代わりにかぶって藤堂を殺す。鉛筆で目を刺し殺したのだ。

次の日。
生き残っているのは、由佳、美海、平、瞳。平のボタンをとり、藤堂の手に握らせていた由佳。彼女の策略通り、彼が人狼に選ばれる。「クラスメートに会いにいきま~す!」と平は叫び、自殺する。

美海は生き残ったと勘違いして、由佳と彼女のオリジナルソングを歌いながら踊る。ステージでふざけ合う2人。
だがその夜、美海を襲うために彼女の部屋を訪れる由佳。それでも部屋には入ることができなかった。瞳が用心棒だったのだ。

次の日。
由佳は自分が用心棒になって、美海を守ったと嘘をつく。人狼は瞳だと欺こうとするが、用心棒のカミングアウトを今するのはおかしいと指摘する美海。
ここでようやく由佳はカミングアウトする。彼女は以前も人狼ゲームに参加していたが、解放されなかった。ゲームは続く。いつまでも続く。由佳は瞳の首を絞めて殺し、次の瞬間、負けが確定した(村人と人狼が同じ数になった時点で、人狼の勝ち)美海は首を爆破されて死ぬ。

人狼の勝ちが宣言され、由佳は自分のノートに「ロケンローラー」(彼女の将来の夢)と書き、大きくバッテンをして「犯人殺る」と殴り書きする。そして、自分の絵を描いてきてくれた美海のノートを発見して、涙を流す。

彼女は外に出て歩き出し、今まで集めていた死んだ仲間の遺品を次々と周辺に投げ捨てながら、自作の歌を歌い続ける。

感想

・土屋太鳳さんの演技がなかったら、ヒドイことになっていた気もする。
・BGMが意外といいです。土屋太鳳さんの歌もありますが、アクションも歌もうまいですね。
・人狼側の目線は意外と面白いのですが、村人として参加しているチャラ男たちの言動がまぁ~ウザイことウザイこと。ティーンズホラーにありがちな展開ではありますが。あと、男性陣が加藤諒くん以外は似すぎていて、見分けにくくて仕方なかった。ガチャの色違いみたいな感じ。