「ウォーキング・デッド」シーズン6・第12話のネタバレ

walkinddeads6

第12話「殺めるべき者」

クズウコン、シログワイ、ビーツの缶詰を選ぶ手。
キャロルだ。

平穏を求めてやってきたんだ
責任を逃れ列からはみ出し
玄関で怠惰と騒音にまみれる
額に生える雑草を眺めるように

キャロルは今度は森の中で、1人で木の実を拾っている。

純粋な可能性と汚れた白シャツ
狂おしい愛に価値はあるのか?
夜が深まり月が高く昇る
だが戦いは終わらない

後ろからウォーカーの声を聞き、ナタを抜くキャロル。

何かを伝えなくちゃな
生えているのは雑草か野花か?

ウォーカーの女にナタを突き刺すキャロル。服が真っ赤に染まる。

しなびたタバコが舌を転がる
雑草や野花は死んでも残るか?

シャワーを浴びたキャロルは服を選んでいる。

砂漠や海を旅するなら
地の果てに向かい自問しよう
自由で無限の意志があるか
俺達の枝は複雑に絡み合う

キャロルは拾ってきた木の実を焼いている。クッキーを作っているのだ。

レンガは1日足らずで浸食され
屋根裏には枯れ草が積もる
鋭い日差しが俺の胸を横切る
不安で血が騒ぐのさ

焼いたクッキーをタッパーにつめ、持ちだすキャロル。

何かを伝えなくちゃな
生えているのは雑草か野花か?

そのタッパーを通りすがりの女性に手渡すキャロル。女性は困惑する。そして笑う。

しなびたタバコが舌を転がる
雑草や野花は死んでも残るか?

別の女性(ほぼ唯一残ったらしい子どもの姉弟の母)にもタッパーを渡す。みんな笑顔になる。

トビン(建築チームで働いていた男性)の家にやってきたキャロル。
「あなたにもクッキーを」
「腹をすかせたこどもに……」
「ドングリでたくさん作ったの」
タッパーを開けるトビン。
「(クッキーの色が)ピンクだ」
「ビーツよ」
「ビーツ?」
「甘くなる」
「ビーツは苦手で」
「いいから口に入れて」
食べるトビン。
「今までで最高のビーツ・ドングリ・クッキーだ」
「バカにしてる?」
「違うよ、本当だ。うまいよ」
「戻ったわ」
誰かの声がして、キャンピングカーが戻ってくる。トビンもキャロルも反応する。

キャンピングカーのまわりにはアーロンやサシャが集まる。
「オリビア(食糧庫を管理している女性。彼女も襲撃でアーロンやエリックと戦いました)に目録を作らせる、食料庫に呼べ」
とリックは彼らに命じる。
「食料が?」
「ええ、一ヶ月は持つ」
サシャが待つ前に、ミショーンが出てくる。
「1時間後、教会に集合だ」
「何なの?」
戸惑うサシャ。キャロルもやってくる。
「その時話す」
リックは話をシメる。ロジータとサシャは立ち去る。
「リック、何があったの?」
キャロルは問いかける。
「戦闘になる」
車は移動する。自分の焼いたクッキーを見ながら、考え込むキャロル。天気は曇天だ。
と、後ろからモーガンが現れる。
「久しぶりだな。数週間だ」
「いつから?」
「話し合いだ」
「あれが話し合い?」
「リックに黙ってる。タラもロジータもユージーンも言わない」
「私が言うなと」
「なぜだ」
「忘れて前へ進むのよ」
「背負い込まなくていい」
「何を?」
「俺のしたことだ、黙ってたら……君も同罪だ」
「違うわ。行って」
モーガンは立ち去り、キャロルは顔を背ける。彼女が立ち去った後には、サム・アンダーソンと書かれた墓標があり、その前に1枚のクッキーが置かれている。キャロルもまた、サムが死んだことの責任を感じているのだろうか(彼女のクッキーを、サムは絶賛していた)。

教会での集会。リックが話している。
「ヒルトップとの取引をマギーが成立させた。卵やバター、野菜を手に入れられるがタダではない。“救世主”に―サシャたちは殺されるところだった。いずれここも見つかる。W(ウルフ)やジーザスが見つけたように。誰かを殺そうとするだろう。俺達を支配する。抵抗しようにも、その頃には食糧不足で負けるかもしれない。確実に勝つための方法は1つしかない。必ず勝つ。ヒルトップのめにも、この街で生きていくためにもだ。みんなで決めたい。異論があるなら、今のうちに言ってくれ」
後ろに座っていた誰かが立ちあがり、皆が振り返る。モーガンだ。
「確信はあるのか?勝てるか?」
「奴らは悪党だ。俺たちには経験がある」
リックがそれに答える。
「俺達なら必ず勝てる」
「そう伝えればいい」(※モーガンは話し合いでの解決を希望している)
「妥協しない」
「妥協ではない。選択させるんだ。解決策の1つとして」
「話し合えば安全が脅かされる。襲われる前に攻撃を仕掛けるんだ。生かしちゃおけない」
「生きてれば可能性はある」
「襲われる」
「俺達はそこまで追い込まれてない」
リックは強く主張する
「モーガン、奴らは戻ってくる」
「死んでもだ」(殺しても彼らはここに戻ってくると言っているモーガン)
「その時は止められる」(殺した方が脅威にならないと主張するリック)
「ウォーカーの話じゃない」
リックは皆に向き直る。
「彼は話し合えと。俺は反対だが、決定権はない。家にいるものと監視当番とは後で話すが、救世主との対話を望む者は?」
皆が黙りこくる中、アーロンが立ちあがる。
「もう二度と―襲撃はごめんだ。許さない」
それだけ言って座る。
「決まりだな」
モーガンは渋い顔をしている。
「これが現実だ。逃げはしない。俺たちは生きる。皆殺しに」
タラはふと下を向く。
「(モーガンは)加わらなくていい。ここに残る者も―受け入れるんだ」
リックは教会を出ていく。

1人でベッドにいるキャロル。眠れないようだ。サイドベッドからノートを出し、書きつけている。

終着駅/中庭 3?
キャンドルの女性 4
W(ウルフ) 7
18人

頭を抱えるキャロル。彼女は、今までに殺した人数を数えているのか。

グレンとマギーがリビングで話し合っている。
「周辺の見張りが必要よ、私がやるわ。安全よ。中よりは」
グレンは納得できない。
「残ったほうが安全だ」
「私が取引した。条件をのませたのは私よ。行かなきゃ」

キャロルはタバコを吸いながら夜道を散歩している(以前、彼女はタバコを吸う女性をバカにしていたが、彼女が襲撃時にウォーカーにやられたことも記憶に残っているようだ)。トビンの家の前には、彼が階段に腰掛けてぼんやりしている。
「体に毒だぞ。1本くれ」
「あげない」
「なぜだ」
「体に毒だから」
キャロルは茶化す。
「そうか。君も眠れない?」
「眠れたことはない」
キャロルは彼の横に座る。そして火のついたタバコを渡す。それを吸うトビン。
「明日が心配だ」
「行くの?」
「いいや、君が行く。君にはできるだろうが、俺は怖くて」
「なぜ……なぜ、私にはできると?」
「母親だから」
「以前はね」
「今もだ。クッキーや笑顔を振りまくだけじゃない。キツいことや、恐ろしいことも……君はやってのけるんだ。強さがある。ここの大勢にとって、君は母親なんだ」
「あなたにとっても?」
「いいや。俺には別の存在だ」
キャロルとトビンはキスをする。なぜか泣きそうな顔になるキャロル。
「まだ日は昇らない」(キャロルは彼を誘っている)

エイブラハムは荷物を詰めている。あまりの量の荷物に、ロジータがやってきて目を丸くする。
「大荷物ね、ひと晩だけよ」
「行くよ」
「明日は私も行く」
エイブラハムはついに告げる。
「出てく」
呆然とするロジータ。
「どうして?」
「どうしてもだ」
「本気なの?」
「これが望みだ」
「なぜ?」
「仕方ないだろ、そういうことだ」
ロジータはパニックになる。
「今さら何なの、理由を言いなさいよ」
彼女は出ていこうとするエイブラハムの胸板を突く。何度も。
「教えて、どうしてなの」
「出会った時は女はお前だけだと思った。だが違った」
ロジータは彼をつかむ手を緩め、泣き出してしまう。そのまま振り返らず、エイブラハムは出ていく。
ふとロジータが振り返ると、後ろにはユージーンが立っている。全部を目撃していたらしい彼は、寝間着のままキャロルのクッキーをモグモグ食べている。
「うまいよ、歯ごたえがある。ちょっと……食べづらいが……」
彼の目の前でドアを閉めるロジータ。そして改めてすすり泣く。

襲撃について相談している面々。絵を描いて説明する手元だけが映る。
「説明しろ」
「長方形で、上には巨大アンテナ」
「窓は?」
「覚えてないが出入口はひとつだ」
「警備は?」
「少なくとも2人いる」
「全部で何人?」
「わからない。食料庫を見たけど、さほど大きくなかった」
「中に入った?」
「ああ、物資を運び入れた」
「他に何が?」

キッチンにいるタラとグレース。グレースは皿を拭いているタラに問う。
「怖い?」
「いいえ。ただ……」
タラは口ごもる。
「愛してる。行く前に言っておきたかった。答えなくていい」
「戻ったら言うわ」
グレースはそう言って笑う。タラは話し続ける。
「その足でヒースと調達に向かう。あなたも行く?予定を変えてもいい。ここへ一度戻って……」
「行けない。医者は私だけだから残らないと。行けないわ……行きたいけど。戻ったら言うわ」
微笑みあう2人。キスをして抱き合う。

「他の部屋は?」
「見てない、広い建物だ。ここ(イラストを指し)以外にも廊下がある」
「毎回物資はここへ?」
「たしか……渡した槍を運び、手ぶらで戻ってきた。どこへ行ったのかは分からない」
「武器庫かもしれない」
「武器庫を制した者が、勝ちだ」
グレン、リック、マギーがようやく見える。
「キャロルもそうした」
マギーはそう言う。ダリルやヒルトップから来た男・アンディもいる。
「武器庫はどうかは不明だ」
「俺達は勘がいい、情報はこれで十分だ」
ダリルの言葉にリックも頷く。
「夜寝てる間に襲う」
「警備は寝ない。入口は1つだ。他から侵入する方法はない」
「必要ない。入口を開けさせればいい。グレゴリーの首が望みだろ。渡してやろう

キャンピングカーの後ろに2台の車が追走している。彼らは車を止め、次々に降車する。戦いにはリック、キャロル、ミショーン、サシャ、ダリル、エイブラハム、神父、ロジータ、アーロン、グレンとマギー、タラ、ヒースが参加する。
ジーザスとアンディもいる。
「アーロンとロジータは、ここからだ。4分の1マイルずつ進み数時間後に戻れ」
リックは指示する。
「捜索だ」
彼らは次々と歩いていく。神父がリックに近寄る。
「もう戻れないぞ」
「私は歩ける。走ることもできるが、逃げはしない。あなたが教えてくれた」
リックは頷く。
「なぜ今も祭服を?」
「これが私だ。だと思う暗闇に紛れられるし」
牧師ジョークに思わず笑うリック。肩を叩き、彼らは互い違いの方向へと去る。

ロジータはナタを手に歩く。彼女はキャロルに話しかける。
「会合でバラしそうに」
キャロルは彼女に頼む。
「言わないで」
「モーガンが反対するとは」
「何が悪いの?」
「都合がよすぎる。サイコ男を匿ってたのに」
「デニースのことも知られる」
「私たちが黙ってるのをいいことに……」
「殺したくないのよ」
「私たちだって」
ロジータはイラついている。反対に、キャロルは落ち着き払っている。
「好きで殺すわけじゃない」
ロジータはそう言った後、しばし黙り込んでしまう。
「言わないわ」
彼女は急に静かになり、キャロルの前から立ち去る。キャロルはまだタバコを吸っている。ふと、マギーが視野に入るキャロル。タバコを見て、それを捨てて踏みつける。遠くには、ミショーンとリックが歩いていくのが見える。

ウォーカーが歩いている森の中。ふと茂みからグレンが飛び出してきて、ウォーカーを次々ナイフで倒す。グレンと、そのそばにいたヒースは息をつく。
「どう思う?」
「似てる……少し。髪を切ろう。ヒゲも」
「暗ければ……」
ヒースはふと漏らす。
「人を殺すんだな、今夜。俺は幸運だった。殺したことがない。君は?」
「俺も幸運だった」
「不安か?」
「こういう経験は?何かを見た後に―眠りたくなくて、目を閉じてしまうと―それが見えるから、食欲もなくて……」
「ああ」
「俺もだ。人を殺すのはそれよりキツいはずだ。もちろん、不安だよ。何もかも……不安だ」
彼らはナーバスになっている。そして、ウォーカーの首を切り落とし始める。

リックたちは打ち合わせをしている。
「相手が何人いるか、外から様子をうかがう。隙を見て中に入ろう。夜明けの数時間前だ。警備も疲れてるし、中は寝静まっている。状況が暗転したら引き返すんだ。俺たちの正体は不明、ジーザスは表に出ない。
食べるためだ。これで食べられる。深夜に発つ」

リックにキャロル話しかける。
「なぜマギーが?」
「見張り役だ」
「どうして彼女が?」
「彼女が決めた」
「私も見張り役に」
「武器庫に行くのは多い方がいい」
「1人にできないし、来るべきじゃなかった」
リックは黙りこくる。
「分かった」
「よかった」
リックはジーザスとアンディの方へ行く。

「散髪は終わったか?」
「これは?」
ジーザスが困惑している。
「それにしよう」
と、何かを選ぶリック。
「そうだな」
彼らの目の前には、生首が3つ並んでいる。グレゴリーに似せたウォーカーの首だ。
「暗くてバレないと思うが……」
「何か気になるか?」
「鼻の形がグレゴリーのと違う」
ジーザスの言葉に生首を持ち上げ、鼻を殴って変形させるリック。思わず目を背けるジーザスたち。
「抵抗した」
リックは説明する。
「(アンディの)腕を折られたろ、怪しまれやしない」
リックは立ち上がる。
「なんだ」
「凶暴な救世主にも、ビビらないんだな」
アンディは乱暴に吐き捨てる。リックはそれを聞き流す。

救世主のいるエリアに近付いていく車。たしかに建物は大きい。
車が近付くと、ランプが付く。
「とまれ!名乗りやがれ」
「ヒルトップのアンディだ、持って来た」
「出ろ」
「奴か?」
「そうだ」
「こっちへ来い」
近付いていくアンディ。男2人が出てきて、彼に銃を向ける。
「袋はいらねえんだよ」
グレゴリーの生首(※本当は違う)を入れた袋をディスる男。アンディはこわごわと死体の首を出す。男の1人はにやつく。
「こりゃ最高だ。まったく最高だぜ」
だが、もう1人はまじまじと首を見る。
「腕を折られたから鼻を殴った。曲がってるだろ」
アンディは言い訳がましく言う。男は生首を手にとって見ている。男の目を直視できないアンディ。とうとう彼は口を開く。
「鼻を殴りやがったな」
生首のアゴを動かし、パクパクさせながらおしゃべりさせる男。横にいた男はまた大笑いする。生首を横に投げ捨てる警備の男。アンディの胸に手を置く。
「よし。聞きわけがいい。仲間は返してやる。また物資を頼むぞ」
軽く頬を叩いて去る警備の男。大笑いしていた男は口笛でハッピーバースデーを吹き始める。だが、その瞬間、ダリルがこの男の首をかっ切る!入口めがけて、仲間たちが走り込んでくる。
アンディが立ち尽くす中、彼らはスムーズに死体を片付ける。仲間を連れた男が戻ってきた時には、何も残っていない。警備の男に連れられて来た男は、顔をムチャクチャに殴られている。
「ほらよ、連れてきたぜ」
その瞬間、日本刀が彼を貫く!パニックになる仲間を抱きとめるアンディ。
「大丈夫だ、これで帰れる」
リックは男にとどめを刺して、ウォーカーにならないようにする。そしてまた手早く死体を隠す。
建物の中に入っていく面々。アンディは仲間に手を貸し、神父とタラもそれを手伝う。

進み続ける彼ら。
「部屋を全部調べろ、誰かいたら殺せ」
だが、誰もいない。
リックは新しい部屋を見つけ、そこのドアを開けようとする。ナイフを構えている彼だが、後ろには銃を構えたダリルとミショーンもいる。眠っている男。その前に、ナイフを持って忍び寄るリック。彼は無抵抗の男にナイフを突き刺す。

グレンとヒースも、別の部屋に入る。そこには2人の男が寝ている。グレンは顔面蒼白だ。それでもナイフを突き刺さなければいけない。グレンは男を殺し、涙をこらえる。横のヒースもこわごわとナイフをかかげる。しかし、その手をグレンが止める。彼はヒースに殺させないで、自分がもう1人の男も殺す。
その男のベッド脇には、たくさんのポラロイド写真が飾られている。ヘッドショットで殺したウォーカーの写真が、何枚も何枚もそこにある。脳を飛び散らかせ、顔を陥没させたウォーカーたちの悪趣味な“記念写真”。グレンは男を殺したことを一瞬忘れたように、それに見入る。

建物の外では、ジーザスとアンディ、その間にボコボコにされた仲間の男が座っている車の様子が映る。タラと神父もそこにいる。タラは彼に話しかける。
「今も聖職者?」
「リックたちに銃を習った。他の武器も。貢献の仕方も……今も聖職者だ」
タラは何かを彼に告解したいようだ。
「彼女にウソをついた。なぜだか……記憶をごまかすため、“愛してる”と。初めて言った。過去を隠すために言ったの」
「何を隠した?」
「前にも襲撃したことが。後悔してる」(※タラは騙され、リックたちがいた刑務所を襲ったことがある)
「(愛しているという言葉は)ウソなのか?」
ジーザスが口を挟む。
「彼女を愛してる?」
神父の問いかけに、タラは「ええ」と言う。
「愛する者のためだ」
ジーザスは呟く。

サシャとエイブラハムは組んで行動している。進み続ける2人。鍵のかかった部屋を見つける。
「当たりだ」
サシャはナイフで鍵を開錠しようとする。と、背後からフラリと扉を開けて男が出てきて、エイブラハムにナイフで切りかかる!切られながらも、男と取っ組み合うエイブラハム。エイブラハムが男を跳ね飛ばした瞬間、サシャが片手に持っていたナイフで彼を刺す。男を殺そうとしたサシャだが、一足遅く、男は非常ベルを鳴らしてしまう!警報があたりに鳴り響く。

見張りをしていたマギーやキャロルも、その音を聞く。
「ここにいて、来ないで」
キャロルは歩き出す。マギーも後を追うが、キャロルが強く押しとどめる。
「待ちなさい」
「行かなきゃ」
「行かなくていい」
「行くわ」
「どういうつもり?」
「どうしろと?」
「あなたらしくない!」
マギーは言葉に詰まる。まだ警報は鳴り続けている。
「助けに行く」
マギーの背後から突如、ウォーカーが現れる!キャロルがそれを倒すが、マギーは強く彼女を見つめている。
「ここにいなさい」

音を聞いたタラとジーザスは車から降りる。タラは彼に言う。
「ヒルトップへ戻って」
「俺も協力する」
ジーザスは言葉を強める。
「戻れば取引成立よ、そうでしょ?」
「2人は戻る。アンディ、行け」
アンディは素直に車を出す。
「あなたが見られたら……」
ジーザスは顔の下半分を隠す。
「大丈夫だ、見られない」
ジーザスは建物の中へ向かう。タラはまだ止めている。
「本気?」

建物の中では、激しい撃ち合いになっている。リックは銃を乱射している。あっという間に3人倒すリック。
「行け!」
リック、ダリル、ミショーンは走り出す!

アーロンは部屋に隠れる。だが、そこには男がいる。彼がビンで殴りかかってきたのを避け、ナイフで刺すアーロン。血がダラダラと流れ出す。
「やられる前にやる」

リックたちは激しく撃ち合っている。

アーロンは部屋のドアを開けるが、そこにはマッチョな黒人男が銃を構えている。だが、次の瞬間、男のほうが吹っ飛ばされる!ロジータだ。

リックとミショーン、ダリルたちはさらに激しく攻め込む。

タラは建物の中から逃げ出してきた人間を撃つ。2人の男女が倒れる。

エイブラハムも銃を撃つ。サシャも、ロジータも、グレンも、ヒースも。アーロンもロジータも、撃って撃って撃ちまくる。人間、物資、何かを育てている部屋(大麻?野菜??)などに次々ブチ当たる。
ダリルは銃で敵を殴打し続ける。

弾切れしたらしいグレンと、テンションが昂っているヒース。追い詰められてある部屋に飛び込む。部屋の扉は、瞬く間に銃で穴が開けられる。だが、そこは武器庫だった!彼らは銃を手に取り、構える。そして、ドア越しに大量の弾を撃ちこむ!撃ちやめると、不意に静寂が訪れる。肩で息をしながら、銃を下ろす2人。そっとドアに忍び寄ると、扉の向かい側には人間の死体の山(4~5人は死んでいる)がある。
と、その中の1人がゆっくりと顔を上げて彼らに銃を向ける。間に合わない!そう思った瞬間、男を誰かが撃つ。顔を隠したジーザスだ。彼は顔の覆いをとり、呟く。
「これが新世界か」
グレンとヒースは疲弊しきっている。

神父は銃を構えながら進む。生き残りの倒れた男に「銃を捨てろ」と語りかける。
「あんたは……殺せない。聖職者だろ」
「“心を騒がせるな”」
男は顔色を変える。
「あんたも死ぬ」
「“父の家に住まいがないならそう言った”」
「皆死ぬ」
「“場所を用意しよう”」
「血を見るぞ」
神父は次の瞬間、男を撃つ。
「アーメン」

もうすっかり外は明るくなっている。彼らはシャッターを開け、外に出る。何台もの車が停められている。
「ヒース、俺たちと一度戻らないか?数日経ってからタラと……」
グレンの言葉に、彼は答える。
「いいんだ、ここを離れたい」

ガキの頃 声が聞こえた
誰かが歌い 叫ぶ声を
お前の選択肢は限られてる
声は俺と共に死んだのさ

誰かが、何かを溶接しながら作っている。男だ。

ガキの頃 長いこと座ってた
炎を見つめながら

グレンとタラは抱き合う。

炎の力を感じた
目を離せなかった

何かを作っていたのはモーガンだ。彼は溶接用のマスクを上げ、自分の仕事を見ている。

お前に残されたのは炎と 行くべき場所だけ

車が出ていく。タラとヒースが物資を探しに出て行く。

己の悪魔を飼いならすな
だが 鎖はつないでおけ

モーガンは不意に泣き出す。顔を覆って、何かを我慢しているように。

リックは周辺を見張っているミショーンに話しかける。
「なんだ」
「どれが……ニーガンか知りたい」
次の瞬間、男が1人バイクで逃げ出すのが見える。
「あの野郎!」
ダリルが走り出す。男は撃たれ、バイクは転倒して、ダリルは男につかみかかる。そして何度も殴る。
「どこでこれを!?」
それは、かつてダリルが森の中で出会った男女を助けようとして裏切られ、奪われたバイクだ(もともとはアーロンが古いバイクと部品を彼にくれて、ダリル本人がカスタマイズしたので、彼はしっかりと覚えている)。
「殺せ!皆殺しだろ!」
男は喚くが、彼が落としたトランシーバーから声が聞こえる。
「銃を捨てなさい。そこのあんたよ。全員銃を捨てな」
女の声だ。リックはそれを取り、語りかける。
「出てこい。話をしよう」
「出てかないけど話す」
彼らはキョロキョロとあたりを見回す。
「キャロルとマギーについて話しましょう」
彼女たちは捕まったのだ!グレンは顔を歪ませる。リックは、周辺を観察している。

感想

最近書いてなかったけど今回興奮したので感想メモ。

・シーズン6の前半の山場である襲撃からのサバイバル、そしてシーズン6の後半は主要キャラのほとんどが囚われの身に!という、「終着駅」以来の展開です。終着駅ではキャロルがリックたちを助けてくれましたが、今回はその役目はモーガンになるのでしょうか……??モーガンは「人を殺さない」というルールを守るのか?そして彼は何を作っていたのか??
・今回はエイブラハムとキャロル、タラにフラグが立ちまくったので、ドキドキしながら見ていました。特にエイブラハムがクローズアップされているので緊張!もしくは、ロジータ、トビン、グレースが?と考えたりもしましたが、今回は誰も死んでいません。
・アレクサンドリアに残っているモーガン、グレース、トビンがキーパーソンになるのか?(あと、今回登場していないけどカールやスペンサー、イーニッドは??)
それともヒースとタラが彼らを助け出すのか?
・新しい街・ヒルトップが登場しましたが、レギュラーになりそうなのはジーザスくらい?
・最近キャロルが登場しないのでどうしたのかな?と思っていたのですが、後半はたくさん出てきてくれそうで嬉しいです。