「デス・チャット」

death@chat

2013年のアメリカ映画「デス・チャット」。1時間弱の映画ですが、意外と怖い。
パソコン内蔵カメラを利用したPOV映画ですが、「ビデオチャット」というカルチャーに絞り込んで作られています。

あらすじ

主人公のエリザベスは「チャット」について研究をしている学生。データを集めるためにビデオチャットを続ける彼女だったが、ある女性とつながってしまったことをきっかけに、恐ろしい事件に巻き込まれていく……!

ネタバレ

主人公のエリザベス(以下、ベスとも略しています)は、チャットをしている。「クローゼットの中にモンスターがいるんだ」という男の子の話を聞いていた彼女は、彼の背後に幽霊が迫っているのを見て絶叫する。だが、それが彼のいたずら。エリザベスは呆れる。

エリザベスはビデオチャットの研究をしており、それが学部に承認される。
彼女の友人のマックス(エリザベスに気がある?)や、恋人で社会人のダミアンも喜ぶ。

彼女はチャットに没頭する。すぐ通話を切る女、性器を見せてくる男、「女性を満足させる方法を教えて」と迫る外国人、自転車に乗っている途中に事故に巻き込まれる青年、ギター演奏自慢をする男など、チャットあるあるな映像が流れる。

主人公と友達・ジェニーは、男性器のぬいぐるみ?が歌って踊る動画を大笑いしながら見ている。
しかし、そこである女とチャットでつながる。写真のみで通話をしようとする女を、友達は無視しようとするが、主人公がいない時に彼女は「私を飛ばすな(※話したくない相手はスキップして、別の相手とつながれる機能がある)クソ女」とメッセージがくる。

だが、チャット動画の向こう側では彼女がもがき苦しんでいるような声も漏れてくる。
また、夜中にエリザベスのパソコンが突然起動して、彼女を驚かせる。

マックスは彼女を慰めている。エリザベスはまたチャットを始める。
ビキニ姿でクネクネ踊るおっさん、女王様と奴隷のおじさんなどが登場し、昨日の女が「友達になって」と話しかけてくる。また、「ロスに行ってみたい」という良識的な女性(彼氏もいい人で、後ろでダンスして彼女をからかったりしている)とも知り合い、会話が弾む。

彼氏のダミアンからは、旅行に行こうと誘われる。だが、研究でチャットをしたいからと断るエリザベス。その夜、誰かが布団をめくって彼女をさわさわしている。
驚くベスだが、それはダミアン。2人はそのまま激しく愛し合う。だが、パソコン画面からはその様子が勝手に録画されている。

エリザベスの姉は妊娠しており、彼女は姉を気遣う。

チャットを続けているベスは、今度は詐欺行為を持ちかけてくる男と対話している(金を貸してくれ、というやつ)。
そして、次にまた例の女性が話しかけてくる。だが、今度は緊迫している。彼女は男に殺されそうになっており、ナイフで首を切られてしまう。

エリザベスは警察にも行き、パソコンに詳しいマックスにも助けを求める。この女性の友人リストから彼女の素性を探ろうとするが、「スケベと変態ばっか」。また、ロシアンルーレットをしているチャットに潜入してしまうが、それ自体がドッキリであったものの、彼女を驚かせる。

エリザベスはダミアンと喧嘩を売る。だが、ダミアンはそのまま失踪してしまい、彼の部屋は引っ越しをしたようにガランとなっている。彼女は警察に助けを求め、部屋を見せる。

エリザベスの姉にも、謎の存在が迫る。
大学でのエリザベスの担当から、怒りのメールが来る。彼女のセックス動画がバラまかれてしまったのだ。大学教授たちに動画が送りつけられたことで、彼女の研究は中止になってしまう。

女がダミアン失踪事件、そして動画流出事件のキーマンだと感じているベスは、ダミアンの友達を探す。ようやく友人とコンタクトをとれるが、大事な動画を見せると言われ、緊張する。だが、それは先般友人と彼女が見た歌って踊る男性器キャラの新動画。彼女はからかわれて終わる。

エリザベスのもとに、「俺に会いたいならここをクリックして」というメールが届く。素直にクリックするアホエリザベス。ウイルスが侵入して、彼女のパソコンのデータを全て消去する。マックスが助けを求められてパソコンを調べるが、復旧するのは難しい。
マックスとエリザベスは喧嘩をする。

友達のジェニーも襲われる。彼女は風呂場で死に、自殺を装うメッセージまで用意されていた。
さらに、彼女の姉の新居に侵入する謎の男。姉はなんとか助かる。

マックスの家も荒らされており、彼の姿はない。それを調べに行った刑事も襲われて殺される。

そして、エリザベス自身も何かに捕まってしまう。しかも襲われてキスされる。

目が覚めたら、彼女は廃屋の中にいる。カメラをつけたベルトを頭に固定され、外すことができない。なんと、ダミアンも同じようにとらえられている(違う部屋にいるが、話せるようにモニターがつながっている)。マックスもいるが、エリザベスが見ている画面の中で殺されてしまう。ダミアンは「これは録画だ」と苦々しげに言う。そう、マックスは既に死んでいるのだ。

マスクの男たちに、ダミアンも嬲り殺される。エリザベスはなんとか逃げるが、サイレンが施設内に鳴り響き、彼女を男たちが追いかける。外に出ても、そこはゴミ捨て場のように荒れ果てた場所であり、助けてくれそうな人はいそうにない。車に乗った男たちが登場し、ベスを再度捕まえる。

突如、エリザベスとチャットで話していた「ロスに行きたい」女の子が、画面に映る。彼女はブリアンヌ。再度、エリザベスに話しかけられて喜んでいる。だが、彼女の口ぶりはなんだか怪しい。
その直感通り、エリザベス自身は首を吊られており、その画面が、モニター越しに見える。
このモニターを操作している男は「拷問動画あります」というホームページを開いている。
しかし、彼の背後から「お父さん?」という少年の声がして、彼は家族のほうへと去っていく。

 

ビデオチャットって健全なのだろうか?と思っていたのですが、やはり不健全なのかなという印象。しかし、ビデオチャットで目をつけた女の拷問ビデオを作る組織って何なのでしょうか。非常に効率が悪そうですね。ラストは少し物足りないですが、組織の正体が判明するまでのスリリングさは心に残るものがあります。