2014年のアメリカ映画「鮮血ピエロの惨劇」を見ました。ピエロは本編とはあんまり関係なく(出てくるけど)、POVカメラで撮影を強制された人たちが巻き込まれる惨劇を描いています。
あらすじ
突然家にカメラが届けられた夫婦、学生の女の子、ニートの男。彼らはカメラを手に入れ、面白半分で撮影を始める。だが、彼らは誰かに監視されているようで……。
ネタバレ
冒頭。誰かの家に入り込むカメラの映像(本編は全て、POV目線である)。
少年を追い詰めるカメラ。「やだ!こっちこないで!おねがい、出てって!」「ずっと撮ってた!誰にも電話しない、出てけ!あっちいけ!」
そのまま、少年は頭を撃たれる。
「THE FAMILY」 ※以下、カギカッコの部分はテロップで表示されたもの
カメラを持っている男。玄関に置かれていたカメラを、モールで当選したプレゼントだと思い込んでいる。楽しそうにしている夫婦と子供たち。
「THE WOMAN」
カメラの試し撮りをしている学生の女の子。下宿に引っ越してきたばかりだが、下宿先の人たちは外出していていない。孤独である。彼女も、懸賞に当選したと思い込んでカメラをいじる。
夫婦は家を撮影している。かわいい猫が映り込む。
女の子は撮り続けている。これから友達を作れるか不安なようだ。
夫婦はイチャイチャしている。
女の子は下宿の中を、カメラをもって案内している。よくわからないBGMが大音量で聞こえてくる。
夫婦はまだいちゃついている。
女の子は寝てしまう。
「THE CROWN」
カメラを手にして「ゲームの参加権を手にした」ことを喜ぶニートの男。バリカンでヒゲをそり落とす。借金をしている母とは怒鳴り合いになる。いわゆる「底辺」の家のようだ。
「ゲーム開始」
女の子はドアを開ける。不安そうだ。
夫婦も玄関にある封筒を見つける。「撮り続けろ」「モッキングバード1805」そして車や彼らのポラロイド写真が入っている。
女の子は電話をしている。母親のようだ。警察に電話するべきだと言われる。
夫婦は電話を探しているが、充電が切れていることに気が付く。いや、違う!電話自体が不通なのだ。
ニートの男にまたプレゼントが届く。ピエロのコスチュームだ。メイクもして、衣装も身に付ける。
「照明!カメラ!アクション!」
女の子の家には、外に誰かがいる。
夫婦は誰かいるのかと勘繰るが、誰もいない。
女の子も夫婦も、ビデオを見始める(冒頭の映像)。交互にその様子が映る。
その映像の中身に驚く彼ら。しかも、彼らも観察されており、盗撮すらされているようだ。
女の子の家の扉を、誰かが叩きまくる。
夫婦の家は、大笑いの声がこだまする。
「よい子のみんな、元気がないね。ゲームで遊ぼう。映画は好きか?さあ、カメラを持て」という、謎の声が彼らを惑わせる。
ピエロは、マグノリアホテルの女子トイレに侵入させられる。彼は次の指示カードを探してうろつき、それを見つける。
「GUESS WHO?」(誰かあててみて!)
女の子は、真っ暗な中で怯える。ガレージで物音が聞こえるが、そこには風船がたくさんある。そして、車のドアも開いている。車は動かない。何かが落ちてくる!絶叫する彼女。しかしそれは、ビニール製のダッチワイフだ。
夫婦は通報するために外に行こうとするが、謎の男の要求をのむしかない。
ピエロは、友人に股間を蹴ってもらう映像を撮影する。すべてはテレビのためだ。
「NOW YOU SEE ME?」(見えるかな?)
夫婦は監視されていることを理解する。カメラの映像に送信機がついていたのだ。
女の子の家は停電し続けている。何かが彼女に迫っている?
ピエロはローラースケート場で、子供たちとポラロイド撮影をしている。
夫婦も怯えきっている。彼らは通報しようとしたがために、血文字で警告を受ける。そして、彼らの愛猫が死んでいる。
女の子は家中を映して回る。母の声を録音したテープが、彼女の家の中で流れ続ける。「きっとあなたは人気者になるわ」という声が彼女を苛む。窓から大きな音がする!
「やあみんな、準備はいい?いくよ、遊びの時間だよ!全力を尽くせ、手掛かりを追え。負けたら最後だ!」
夫婦は、外にお泊まりされている自分たちの子どもが人質になっていることを理解する。
女の子の家には、異変が起きている。
「特別配送」
ピエロは公衆電話の前で体操している。
女の子は芝生のところに置かれている何かを見つける。人かと思ったら、それは椅子に座らされたマネキンだった。
「ハッピーバースデー、プレゼント持ってきなよ!」そこには箱が置かれている。
夫婦にも箱がある。
女の子は中を見る。
夫婦は、ピエロと娘たちの記念写真を見つける。ピエロがくっついた気持ちの悪いびっくり箱にある、オルゴールをまわす夫婦。車のキーが出てくる。
女の子の箱の中には何が入っているのか?ガチャガチャいっている。
夫婦には、パズルの課題が与えられたようだ。10分以内で解けという。そのためにも、カードで支持されたモッキングバードに行かなければならない。
「FOLLOW ME!」(ついてきて!)
女の子のまわりにはマネキンが散らばっている。
「遊びに行こう!遊びに行こう!」
中に入れと指示されたカードを読み、箱の中には拳銃があることを知る女の子。
ピエロはスーパーでウロウロしている。彼は大きなケーキを購入している。
夫婦は車を飛ばして家につく。矢印で道に指示が描かれている。
ピエロも、モッキングバード1980に向かうことになる。だが、彼は道がわからないようだ。
女の子もうろついている。
「SURPRISE」
女の子はずっと祈っている。彼女の家に着く夫婦。たくさんの風船が家の中にあり、何も見えないほど。子供の声がするが、どう考えてもテープの音だ。女の子と夫婦は鉢合わせして、喧嘩になる。誰が黒幕なのか?
子供たちの声を数える声がする。
そこに、ケーキを飾り付けていたらしいピエロが出てくる。そのまま撃たれる男。その反動で夫婦と女の子も撃ちあってしまう。
「うまくいった?」知らない子供たちがわらわらと出てくる。「死んだ?」「死んだ?」その中心にいるのは、冒頭映像の中で映し出されていた、射殺されたはずの少年だ。
「GOOD BYE」
意外と複雑に物事が絡まり合い、連鎖して全員が死んでしまう。しかも、黒幕は子どもたちという、陳腐なようにも感じられるエンディング。しかし、この終わり方は誰にも予想できないという点や、全体的に感じられるうすら寒い感じと非常によくマッチしています。
ピエロのメイクの出来が素晴らしいのもいいですね。
「何がしたいんだかわからないけれど、とにかく怖い」というホラー映画らしいお話。近所のモールで当選したんだ!テレビ番組に出るんだ!という、素人が撮影したという設定を逆にうまく活用しており、それだけに怖さも増しているような気すらします。意外とお気に入りです。