「呪い襲い殺す」

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アメリカのこっくりさんをテーマにした映画「呪い襲い殺す」。いやーこのタイトルは好きだな。なんか、今までにない高揚感を感じる。アメリカでは文字が描かれたウィジャボードと、ガラスがついているブランシェットという道具(文字を指すためのもの)を使うそうです。

ティーンズホラーなので表現はかなりマイルドですが、悪霊の造形はかなり力が入っていて好き。非常に悪意が詰まったお話なのもいいですね。

あらすじ

親友の突然の死。彼女の部屋に残されていたウィジャボードを使って降霊を試みる若者たちだが、彼らの行為はある恐ろしい悪霊を引き寄せてしまう。

登場人物

レイン:主人公。親友のデビーを失ったことを悔やんでいる。シングルファーザーの父は忙しく、妹の母代わりをしている。
デビー:突然自殺したレインの友達。その死にはある秘密が……??
サラ:レインの妹。夜遊びが激しく、一家の問題児。

トレバー:レインの彼氏。ラブラブ設定のわりに、扱いが雑で気の毒。
イザベル:レインのもうひとりの友達。
ピート:デビーの元カレ。
ノナ:家政婦さん。レインがこっくりさんをしていることを知り、警告する。姉妹の味方。

ネタバレ

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こっくりさんをしているレインとデビー(幼少期)。
・いる人数だけ、ブランシェットをまわす(なお、ついているガラスは死者の世界が覗けるという設定)
・「集いし我々の心はひとつ そばにいる霊よ来たれ」と全員で唱える
・絶対にひとりでやらない
・お墓でやらない(やる人いるの?)
・終わる時にはさよならを言う
というルール説明がなされます。

女子高生になったレインは、様子がおかしいデビーを気遣っています。しかし家に閉じこもっている彼女。ひとり、ウィジャボードを燃やしています。しかし「締めたはずの扉がなぜか開いている」「キッチンのコンロが勝手につく」「ボードが戻ってくる」という異常な事態を経て、突然首を吊るデビーの姿がカットイン!
(家の中の踊り場が映っていて、そこに2階から首吊り死体が落ちてくる)

お葬式(というか、家で行われているさよならパーティーみたいなもの)に参加するレイン。例のボードを見つけます。お母さんにお悔やみを言おうとしたら、「しばらくこの家を空けるので、代わりに様子を見てくれないか」と頼まれます(植物に水をあげたり、空気を入れ替えたり)。

忙しいパパは出張に出かけてしまい、サラと2人になるレイン。

デビーの家を見に行きますが、またボードを見つけて気になって仕方ないレインは、皆でこれやろうよ!と言い出します。

レイン、トレバー、イザベル、ピート。そして、家を抜け出して年上の彼氏と遊ぼうとしていたサラも無理やり参加することに。
始めてみたらさっそく霊がやってきます。「私たちは友達」と指すブランシェット。
「昨日ここにいたのはあなた?」「そうよ」「誰なの?」「Dよ」
やはりデビーだと確信するレイン。ちゃんとさよならを言いたいと思う彼女ですが、急に電気が消えます。変なできごとが次々起こり、慌てる彼ら。果たしてデビーは彼らに何を伝えたいのか?

帰宅したら、ノナに怒られるレイン。ウィジャボードを見つかったのです。「捨てるべきだ」というノナですが、デビーの遺品を捨てられるわけありません。
しかし、どんどんおかしいことが起こります。

自転車で走るトレバーは、トンネルで何かの気配を感じます。何もいないはずの場所から、カートが飛び出してきてびびるトレバー!「HI FRIEND」という文字が残ります。

バイト帰りのイザベルも、くもった車の窓に書かれた「HI FRIEND」というメッセージに驚きますが、次の瞬間には車の内側から手のひらが現れ、その文字をぐちゃぐちゃにかき乱します。

何かが家に侵入するレインとサラ。クローゼットに隠れますが、何者かが彼女のPCに「HI FRIEND」というメッセージを残しています。

(ちなみにピートは鏡に押し付けられ、その鏡が割れたりしてます)

なぜこんなことが?
もう一度降霊会をする面々。
「あなたは自殺したの?」「いいえ」と答える霊ですが、これらのやりとりでピートは確信。
「こいつはデビーじゃない!」
この霊は「DZ」だそう。誰よ。

そしてブランシェットのガラス窓を覗きこんだレインですが、そこには口を縫われた女性が!
「RUN! SHE COMING」
その言葉通り、女性の幽霊が登場して大きな口を広げ、レインを威嚇。これが口を縫われている女性の母親のようです。

とりあえず帰宅した面々ですが、レインは友達の動画を発見。デビーは屋根裏でボードを見つけて、ひとりでそれを試していたことがわかります。

その頃イザベラはマウスケア中(糸で歯の間をシコシコするやつ)。ふと気が付くと、彼女がもっている糸は自分の口を縫い合わせていました!溢れていく浴槽、浮き上がるイザベラ。そして洗面台に思いっきり頭を打ち付け、彼女は呆気なく死にます。

ピートと2人で再度デビーの家に入るレイン。屋根裏に入り、改めて調査をすることにします。汚い人形を見つけるレインですが、転んだ視線の先に、別の場所にあったはずの人形が移動してきていてびっくり!
そしてここで新聞記事を発見します。ドリス・ザンダーという女の子の記事。「少女連続失踪事件」を扱った記事のスクラップのなかに紛れていたもの。写真には霊になっていた奥さんもいます!そして、もうひとり女の子がいます。おそらく、姉。

この姉に会いに行くレイン。彼女は施設にいます(この姉ちゃんが「-less」と「シグナル」に出ていた、私の好きな女優さんのリン・シェイさん!)。
ここで以下のことがわかります。
・ドリスは母に虐待され、口を縫われて殺された
・母は霊媒師であり、ドリスを媒介にして降霊していた
・しかし、母は狂ってしまった。死者を求め、正気を失い、取り付かれた
・ドリスを母が殺し、姉が母を殺した
・霊はまだ家の中にいる

ここで姉さんから「ドリスの口の糸を切れ、そうしたら彼女があなたたちを守ってくれる」と言われます。ドリスの死体は、家の中の「母の秘密の部屋」にあることもわかります。

仲間たちと部屋に侵入するレイン。しかしトレバーやピートとはぐれてしまい、サラと死体を探すことになります。と、すぐに布で巻かれて目の上に石を置かれた死体を発見。しかし母親の幽霊が現れ、レインを攻撃してきます。でもドリスの口の糸を切り落とすことに成功した姉妹。ドリスの咆哮と共に、母の幽霊は掻き消えます。これで悪霊を消すことができた!ウキウキで帰宅する彼ら。

しかし、ピートが帰宅すると彼の部屋にはデビーがいます。そしてドリスも……ドリスの悲鳴を聞き、気が付けばピートも白目をむき、口を縫われてしまっています。
ここでピートも死亡。

レインはドリスの姉さんのもとを再度訪れます。
そうなんです。黒幕は彼女たちの母ではなく、ドリスとその姉。彼らは霊に魅入られており、母はドリスを止めようとしていただけだったのです。車イスから立ち上がりキーキー喚く姉ちゃんですが、ドリスに唐突に殺されて死亡。

「ウィジャボードは単なる通路。遺体とボードを燃やさなければいけません」
そのノナのアドバイス通り、トレバーとサラ、レインは再度デビーの家へ。

先についたトレバーですが、引きこまれるようにプールに落ちてしまい、シート(木の葉が入らないようにかけているもの)にからまって死んでしまいます。後からやってきたレインは、びしょ濡れのトレバーに気付き肩を叩きますが、やはり白目&口が縫われています。

ここからはサラとレインで戦うしかありません。とりあえずストーブに火を入れたら、サラが穴に引き込まれてしまって姉妹はバラバラに。しかも、サラのほうにドリスが現れ、彼女を殺そうとします。
しかし、ここでレインは機転を利かします。ウィジャボードを取り出し、一緒に遊ぼうと誘うのです。ドリスはこのボードに従うしかなく(なぜなら「サヨナラ」を言ってゲームを終わらせていないから)、レインのいる部屋に引き寄せられてやってきます。レインの手をねじり上げるという、少女漫画みたいないじめをするドリス。と、ドリスの手を掴む新しい手が!
その手の持ち主こそ、デビー。一気に形勢逆転したドリスは口からエクトプラズムを吐き、死体とボードを燃やされてて消えてしまいます。

穏やかな日々を取り戻したレインとサラ。
マウスケアをしている(糸でシコシコ)といういかにもな場面もありますが、別に何もなく終了。しかし、サラはまだあの時のことを忘れられていないよう。「ドリスもかわいそうに」「でも、悪霊たちはどこへ消えたのかしら?」
自室でふと、あるものに気が付くレイン。ボードと対になっていたウィジャボードが、なぜか置かれています!それを恐る恐る覗きこむレイン……。
これで終わりです。
ボードで幽霊を引き寄せるという展開や、悪霊が実は母ではなく少女のほうだったというのはなかなか面白いですが、死の描き方が非常に雑な感じなのは気になりました(洗面台に頭ゴンとか)。ホラーなのにね。ただ、悪霊の感じはけっこう怖かったので、「ディスコード」やら「インシディアス」みたいなオカルトよりはわかりやすく、私は好きです。