「リーカー 地獄のモーテル」

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2005年の映画「リーカー 地獄のモーテル」を見た。アメリカ映画です。なんとなく見たんですけど、まあよくわからない、ガスマスクをかぶって「踊る大捜査線」の青島コートを着た殺人鬼が、若者たちを皆殺しにするという話であります。

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あらすじ

イベントに出かける途中の若者たちが、正体不明の殺人鬼に襲われる。
果たして、彼らは生き残れるのか。

ネタバレ

冒頭から、ぐちょぐちょのシカが車のボンネットの上に飛び込んできて走行できなくなる一家の話で始まります。車を路肩にとめますが、周囲は荒野で辟易。逃げた犬を探す一家ですが、ケガをした犬が登場(血のりをつけた犬なのがまるわかり)。そして犬を探して遠くまで行っていた一家のおとんは頭が欠けた状態で登場します。
と、何か殺人鬼らしきものがいることがわかるのですが、ママと息子がどうなったのはかはっきりしないまま話が進みます。

そして主人公である若者たちが登場。ちなみに登場人物はこんな感じ。

トリップ:知り合いのヤクを盗んだことで、そいつから追われている。トラブルメーカー
ジャック:盲目でおとなしい。匂いや気配を察知する能力に長けている。
グレチェン:しっかり者。グループのリーダー的存在の女の子
ネルソン:トリップの友達。ややチャラ
クッキー:グレチェンの友達のブロンド娘

彼らは途中で態度の悪い(というか、ヤクを持っていた)トリップを置き去りにしようとしたものの、車が動かなくなったことで立ち往生。そばにあったモーテルで過ごすのですが、前述した一家の奥さん(顔がとんでもないことになっている)が「息子に愛していると伝えて」と言って来たり、黒焦げ息子がキッチンにいたりと、とんでもないムードであります。

なぜかスケボーに乗って助けを呼びに行ったアホ男・トリップですが、途中で追っかけてきた麻薬の売人の車を見つけて隠れたり、知らないキャンピングカーのおじさんに助けてもらったりして結局モーテルに帰ります。おじさんは奥さんを探しているそうですが……??

このおじさん、ヘンリーがまず突然死亡。車のなかでガス漏れで死んだらしいのですが、どうでもいいことにトリップがガソリン泥棒をしようとして間違って汚水口を吸っていたというネタ展開があります。そして屋根の上で襲われるトリップ!

クッキーとネルソンはモーテルのベッドでイチャイチャ。トイレに行きたくなったクッキーは、田舎のトイレ(外にある木製トイレ。外観は「魔女の宅急便」と同じような感じでした)に走ります。すると突然便器の中に引きずり込まれ、トイレットペーパーをつかみながら消えていくクッキー。殺人鬼はどうやってトイレの中にいるんだ。浸かってるのか。こんな死に方はイヤですね。

そして、謎のモヤモヤ(黒い霧)に襲われるネルソン。ベッドの下から謎の機械も飛び出し、床の上のものを粉砕してきます。そのせいで逃げられない!
窓から飛び出そうとして激突する(割れない)というギャグ展開もありつつ、首にガラスが刺さって死亡するネルソンくんでありました。

そしてここらへんでわかるのであります。
ここは死者と生者の境界線の街であり、死者がうろついているのだと。そこの支配者のような存在の謎の殺人鬼が、若者たちを殺してまわっているのです。
残されたジャックとグレチェンはアワアワ。というのも、この殺人鬼には弱点がないのであります。

しかし、ここで唐突に生きていたトリップが生還。腕は失っていますが、彼らを助けてくれます。
(後の作品も合わせて読むと分かりますが、この世界ではある程度の体の欠損は平気で、痛みを感じることもなくそのまま動くことができます。)
あと、麻薬の売人も出てくるのですが、この人のポジションがよくわからない。助けてくれる感じを出したり、でも直接何もしてくれなかったりと、ツンデレポジです。
そしてよくわからないうちに「死を恐れるな」を合言葉に、殺人鬼を撃退するジャックとグレチェン。
ちなみに、目で見て撃つんじゃない!感じたところを撃つんだ!とばかりに、目の見えないジャックの指示する方向を撃ったりもするのですが、これは失敗でした。 なんだろね、少年漫画の特訓で目を隠して戦わされるシーンみたい。
(正直、このあたりはダレていたのであんまり覚えていない……ごめんなさい)

そして、実は彼らは物語の冒頭部分で事故にあっており、本当に生死をさまよっていたこと。死んでいった人たちは、現実世界で本当に死んでいたこと。
ヘンリーの探していた奥さんは、現実世界では心臓麻痺を起こして死んだヘンリーのことを泣きながら警察に話しています。
冒頭の一家も、本当は事故で死んでいたというわけ。

最終的にはジャックとグレチェン(売人は出てこない)だけが生還して、なーんか付き合っている風の雰囲気を出しているところで終わります。

「モーテルで起こる殺人事件」「謎の殺人鬼が、非常識な若者たちを襲う」「いい人だけ助かる」という、典型的なティーン向けホラーといった印象。
しかも、殺人鬼の正体が実は「死」だったという既視感ありありの設定です。
ちなみにジャケではのこぎりを持っていたのですが、別にそれが武器じゃないのよね。期待して損しました。
なお、続編の「リーカー ザ・ライジング」を先に見たので若干わけがわからなくなったのですが、この続編のパンチ力がすごかったです。とりあえず言えるのは、この作品シリーズ、トイレが好きすぎ。ある意味必見かもしれない。