「マッド・ナース」

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2013年のアメリカ映画「マッド・ナース」を見ました。
これ、ホラーコメディに分類しているサイトもあるんですけど、コメディとは到底思えない。
悪女ナースが悪い奴らをギッタギタにするのですが、よくよく考えてみりゃオメーのほうが悪くないか?というお話。
サイコパスチックなお話ともいえる。

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「エンター・ザ・ボイド」のパス・デ・ラ・ウエルタが、昼は優秀で献身的な白衣の天使で、夜になると凶悪な猟奇連続殺人犯に豹変するセクシー・ナースを演じるエロティック・バイオレンス。監督は「THE DAY ザ・デイ」のダグ・アーニオコスキー。

ニューヨークの大病院に勤務するアビゲイルは優秀なベテラン看護師。しかしその本性は、夜な夜な街に繰り出しては、彼女のお色気にまんまと釣られた男どもを容赦なくいたぶり殺すエロと狂気のシリアルキラーだった。そんなある日、彼女は若くて美しい新人看護士ダニーに目を付けるが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=350726

 

出演しているパス・デ・ラ・ウエルタさんは「エンター・ザ・ボイド」で主人公の妹役(日本に来てストリッパーになっていた女子)を演じていたけど、 まさかこういうことになるとはネェといいたくなるような、すさまじい配役なのである。

 

ネタバレ

冒頭のシーンは、主人公アビゲイルの夜の顔が描かれます。
スケスケドレスにノーパンノーブラみたいな、叶姉妹と酷似した格好でパーティ?に登場するアビゲイルさん。
彼女は既婚者の医師をナンパして、案の定やる気マンマンの男性をちょっぴり弄んだ挙句、太ももの血管を切り裂いたうえで屋上から突き落とすという殺人鬼ぶりを見せつけます。

彼女曰く、
「淫乱なフリをしているだけよ」
「浮気なペ●スを治せるのはナースだけ」
だそうです。
この時点で「ハァ?」なわけですが、彼女の昼の顔が続けて描かれるわけ。

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これがまた、超ミニスカ&胸の谷間くっきり&ノーブラナースなのである。よく誰も何にも言わないなあと思う。
ベルトの部分に赤十字マークが入っているのが、ある意味ライダーベルトのようであります。

彼女は最近、新人看護師のダニーがお気に入り。
ダニーと聞くとどうしても「フルハウス」のダニーが出てきますが、この映画のダニーは女です。
しかし、ダニーの彼氏はダサくてムカつくし、セクハラ医師は病院でえばっているしとイライラするアビゲイル。
彼女のシンパである隣人のジャレドくん(たしか死体安置所勤務)だけが犬のように従順です。

ダニーは自分の義父であるラリーが浮気をしていることを悩んでいたり、 彼氏のスティーブに同棲を迫られて悩んでいたりと悩めるお年頃。
さらに、アビゲイルの誘いにホイホイついていったら……

クラブで薬を盛られ、キスされ(しかも撮影される)、見ず知らずの男性と3人でベッドを共にして(これも撮影される)、朝起きたら、裸のアビゲイルの横に寝ているわけであります。
朝起きて裸の上司がいたら平常心を保てないような気もするのだが (たとえ女性同士でも、ギョッとしそうなもんですよね)
ダニーは慌てて出勤。

アビゲイルは若くて美しいダニーに執着しますが、彼女は言うことを聞きません。
しかし、アビゲイルは着々と殺しまくりのラクリマクリスティで、
・ダニーの義父であるラリーを誘惑→車のなかでイチャイチャ→殺害
・セクハラ医師を麻酔なしで切り刻む(体にメスで「豚」と刻んでから!)→ 「てぃ●てぃんも切るぅ?」といたぶる
(すごい翻訳ですね)
など、あいかわらず。

そしてアビゲイルはダニーをも、あの夜に撮影したエッチな画像で脅しまくるのであります。
ダニーは警察に行くも、「君のほうが頭おかしいんじゃないの」と言われる始末。ホラーあるあるにしても悲しいィ!
当然、写真は彼氏の知るところとなり、彼とも仲が悪くなっていきます。
それもそのはず、担当刑事(イケメン)とアビゲイルはとっくに男女の仲。どういうこっちゃというくらい、女の武器を使いまくるアビゲイルくんであります。

しかしながら、アビゲイルが危険さを増していく反面、彼女の過去が明らかになっていきます。
「彼女と似ている人を知っている」という新任のうざキュートな女性経理部長。この女性はさっさとアビゲイルに襲われてしまいます。

しかしその発言を聞き逃さなかったダニーは、彼女のルーツを探る旅へ。なんと、
アビゲイル、幼少時代に医者をしているパパの職場に遊びに行く

パパとナース、いろいろ真っ最中のところに「ぱぱー!」と登場

遅れて入ってきたママも含めて全員フリーズ

アビゲイルが立ち去った後に、パパ、「娘に見られたじゃねーか!」とママを殺害

身寄りのないアビゲイル、看護師の女性に引き取られる

彼女の戸籍や資格を利用して、看護師をしている??
そしてその時の経験から、不倫をする医師が許せないんだ!
と推測するダニーさん。

しかし。
ダニーは真実に近付いてついついプッツン(死語)してしまい、
病院にいるアビゲイルを襲来します。
キャットファイトが延々続くのですが、ブチギレたアビゲイルは正体を取り繕うことを忘れ、邪魔する関係者も患者もまとめてブチ殺しはじめます。
このへんはすごいです。「悪の教典」の文化祭シーンと同じような印象。ダニーの彼氏ももちろん(あっさり)殺されます。

そのうえ、警備の人の頭をAEDで焼くわ、首やら目をブスブス刺すわで、見境なしに手際よく殺人を繰り返すアビゲイル。
ICUの患者まで殺しまくり、最終的には血まみれなのを利用して患者のフリをして逃げます。

しかし、逃げた先でイケメン刑事くんにつかまり
「君を信じていたのに!」
とプンスカ怒られ、あせる羽目に。
でもそれを覗いていた彼女のファンであるジャレドくんが、
「アビゲイルちゃんがストーカーされているぞ!」と早合点。
彼は刑事を殺してしまい、アビゲイルちゃんは「私のためにゴメンね」とニンマリ。なすりつける気満々です。

そして行方をくらました彼女。
別の病院に新しい経理部長が現れます。
中盤に登場した、明るくてスマイルマークのシールを配りまくるウザ陽気な女性です。彼女はアビゲイルの正体を知っていたために殺されたはずですが、ようやくアップになったその顔はアビゲイルそのもの。
アビゲイルはまた、別人になりすまして生きていくのだ!!というオチ。

お父さんのトラウマのせいでこうなったんだよ!と言いたげですが、もともとじゃ……?と言いたくなる感じですね。
セクシーナースが実はサイコパスだという、ある意味ファンタジーのような話ではあります。
個人的には、セクシーとホラーが適度にあって面白かったです。