思い通りにならない彼女を多次元に飛ばす超能力少女「テルマ」

テルマ

2017年の「テルマ」。ノルウェー/フランス/デンマーク/スウェーデンの共同制作。テーマはずばり、超能力です。「キャリー」を思い起こす方も多そうですが、ずばり、共通点は多いですよね。
超能力を持った少女、歪んだ家族関係、報われない愛…でも、遠目には似ているけれど近くに寄れば寄るほど違う。「キャリー」(オリジナルのほう)はとにかく胸が痛い展開が続くし、エンディングも後味が悪い。とにかく救われない。でも「テルマ」は、それでいいの?それを選ぶの?あっ、やだなあ…という感じの展開が続くのです。... 続きを読む

まるで『ワンダと巨像』のワクワク感「トロール・ハンター」

トロールハンター

2010年のノルウェー映画「トロール・ハンター」。北欧の妖精…というよりも、日本の鬼に近い存在の『トロール』を題材に、そのトロールをハンティングする謎の男と彼に密着する撮影隊のモキュメンタリーです。
ホラー映画によくある映画学科の学生がわらわらと出てくる感じですが、トロールの描写が見事すぎてものすごくワクワクする。トロールとの逃亡劇の間に足の隙間をくぐり抜けたり、息を殺してこそこそ逃げてみたり、VRで見てみたいなと思わせる演出も多いのです。
監督のアンドレ・ウーヴレダルさんは「ジェーン・ドゥの解剖」の監督でもあり、どちらもハイセンス!「ジェーン・ドゥの解剖」を見てからずっと気になっていたのですが、ようやく見られました。インパクトある恐怖演出と特出したアイデア力、企画力には唸らされますね。ただ、POVには私ですらちょっと飽きてしまっているので、入り口で嫌っちゃう人もいそうですけど…... 続きを読む

「CAVE ケイブ」

ケイブ

2016年のノルウェー映画「CAVE ケイブ」を見ました。
サバイバルな洞窟探検、生存者は1人のみ(予告編かDVDジャケでネタバレされてた)というスリリングな内容が気になると思って借りたのですが、な、なんと!
・登場人物は3人
・荒っぽいほど説明がない。だが、説明がなさすぎて怖いタイプの話
・洞窟は怖いんでしょうが、「ディセント」みたいな地底人がわらわら出てくるホラー、もしくは大喧嘩でどんどん生存者が減っていくタイプのホラーを期待していたら違うかも。... 続きを読む

「アサイラム・バスターズ」

アサイラムバスターズ

2015年のノルウェー映画「アサイラム・バスターズ」を見た。原題では「VILLMARK 2」ってなっていたので、続編?と思ったのですが、よくわからない。なお、直訳するとvillmarkは荒野という意味らしいぞ。
廃墟を検査する会社が、いわくつきの建物での検査で恐ろしい目に遭うというお話。ただ、説明がまったくないうえに、登場人物がゴチャゴチャしているので少し見にくい。そして、怖いかと言われると、ホラーを見慣れている人には怖くないかもしれない……。... 続きを読む