今さらだけど「貞子VS伽椰子」を見てきた話

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2016年「貞子vs伽椰子」を映画館で見てきた話。私はどちらかというと呪怨ファンなのですが、この映画は素晴らしかったな。以下、備忘録。
忘れたくても忘れられないけど。

あらすじ

ジャパニーズ・ホラーを代表する2大キャラクター、「リング」シリーズの貞子と「呪怨」シリーズの伽椰子による世紀の対決が実現したホラー・ムービー。主演は山本美月と玉城ティナ。監督は「シロメ」「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズの白石晃士。女子大生の有里は、見たら2日後に必ず死ぬという“呪いのビデオ”を見てしまった親友の夏美を救おうと奔走し、異端の霊能者・常盤経蔵とその相棒で強い霊感を持つ盲目の少女・珠緒と出会う。一方、“呪いの家”の向いに引っ越してきた女子高生の鈴花。ある日、彼女は思わずその家に足を踏み入れてしまう。そんな2つの呪いを解くために経蔵が企てた秘策は、貞子と伽椰子を激突させるという驚くべきものだったが…。

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=355059

登場人物

倉橋有里(山本美月):マジメな女子大生。友達を救うために頑張る。「呪怨」担当
高木鈴花(玉城ティナ):引っ越した先でえらい目に遭う。「リング」担当
夏美:有里の友達。諸悪の根源。
経蔵:霊能力者。不遜な態度が目立つ。
珠緒:経蔵のパートナー。盲目の小学生。
森重教授:有里の大学で教授をしている。「呪いのビデオ」について詳しい。

感想

全体的に、いい感じに怖く、バカ。そしてカッコイイ。
ただ、こういう映画を「つまらなかった」「B級」という人もいるのかもしれません。ただ、そんなことを言う人は本当のつまらないホラーを見たことがないのだとしか言えない。

以下、あらすじを思い出しながら反芻。

※本編をご覧になっていない方は、先にご覧になることを強くおすすめします。

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・VHSを見ているおばあちゃん。オープニングから死んじゃいます。
・大学で授業を受けている有里。夏美から、VHSビデオからDVDビデオの変換を頼まれる。
・鈴花は新居に引っ越してくる。
ちなみに、ここは呪怨の家ではありません。その家は近所にある設定。しかも、オリジナルの家にかなり近い!最新の呪怨シリーズの家じゃなくてよかった。あれ、モデルハウスにしか見えないもん。

・ビデオデッキをリサイクルショップで購入する。そのデッキに入っていた呪いのビデオを見てしまう夏美。
・リサイクルショップの店員もビデオを見ていた。彼女はその話を店長としながら、店内で飛び降りて死んでしまう。
ちなみに、ビデオの冒頭だけ後で出てきますが、それだけでも結構怖いっす。廃墟で貞子が近付いてくる映像。

・鈴花は、呪いの家の話を級友から聞かされる。
・有里と夏美は、教授に呪いの聞き方を尋ねる。だが、明確な呪いの解き方についてはわからない。教授のすすめで、彼らは霊能力者のお祓いを受けることになる。

・呪いの家に入っていく小学生たち。いじめられっ子がランドセルを投げ込まれ、中に押し込まれる。だが、いじめっ子たちも後を追って中に入る。戸棚に引きずり込まれ、風呂を覗いたらそこに引きずり込まれ、ふすまを開けたらひきずりこまれ!いじめっ子がまず姿を消し、いじめられっ子も同様に引きずり込まれる。
このシーンが大好き。全員犠牲になるというのがいい。
家の薄暗さ、汚さが恐怖を引き立ててます。

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・霊能者のもとでお祓いをしてもらうが、その場にいた巫女たちがおかしくなり、自ら首を折ったりと大惨事に。霊能者も顔を潰される。
・夏美を助けるために、有里はビデオを見る。
・そこに経蔵と珠緒が現れる。彼らは霊能者から引き継ぎ、彼女らを助けるために力を貸すことになる。
この霊能者のシーンもめちゃくちゃ怖い。
そして安藤政信!この「人生舐めてる」感がたまらない。

・「化けモンには化けモンぶつけんだよ」
つまり、経蔵は貞子と伽椰子の呪いをぶつけるつもりなのだ。

・口から毛が出たり、シャワー中に毛が出たりと、とにかくハゲに厳しい映画。

・呪怨の家のそばにある井戸に目をつける経蔵。
・鈴花は家に呼ばれている。

・夏美はプレッシャーに耐え切れず、自殺する。口から髪の毛が飛び出し、目鼻の位置がズレた姿で見つかる夏美。
この、鼻の位置がズレているところがすげぇ怖いし、ずーっと見てると面白い気持ちにもなるし、でもやっぱり怖い。

・貞子を消滅させれば、他の呪いも消滅できるかも?
・鈴花は家に入ってしまう。追ってきた両親だが、父は肩に敏雄が乗って首を伸ばされ、母もいつの間にか足首から先がなくなっている。両親も家に引きずり込まれてしまう。
ここでようやく伽椰子初登場。
この肩乗り敏雄はCMでも登場しましたが、怖いんだかバカなんだかよくわからない。

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・鈴花も儀式に巻き込まれる。有里と鈴花は2人で呪怨の家に入り、ビデオを見る。つまり、ダブルで呪いにかかるのだ。彼らは家の中でなんとかビデオを見終わり、外に逃げる。
井戸を使って貞子と伽椰子をぶつけようとするが、うまくいかない。
でも伽椰子は爆発するし、敏雄は引きずりこまれるシーンはあります。
このラストへの怒涛の展開がすさまじい。

・有里は自らが犠牲になり、呪いを収束させようとする。経蔵は体がちぎれ、上半身だけリリースされる。
・結局、犠牲もむなしく貞子と伽椰子は合体してしまった。彼女は最恐の呪いをまとい、合体した姿でさらに呪いを振りまくのであった。ラストは冒頭の貞子の映像が再登場するが、伽椰子のクセが加わり一体化したことがうかがえる。

全体を通しての感想

・ほんの少し不満があるとすれば、貞子も伽椰子も初期のそれとは別モノ、としか見えないことかな。ぶっちゃけ、もっと醜い印象がある。あと、敏雄くんが完全にギャグ要員だった。でも、これくらい振り切ってくれた方が見る側も助かります。最近の「呪怨」シリーズだと、怖がらせようとしてるけど何なのコレ?みたいな描写が多すぎるから。
・ホラー映画のヒロインたちは美しくなければならない。その意味においては完璧である。
・夏美ちゃんのトラブルメーカーぶりに痺れる。勝手に暴走し、泣き喚き、最終的には狂って自殺してしまう。諸悪の根源とはいえ何も悪いことをしてないのに、もっともむごたらしく死ぬ。
・白石監督の映画には能力者がたびたび出てきますが、そのうさんくささがたまらなく好き。経蔵と珠緒ちゃんのコンビもよかったな。スピンオフ作ってほしい。
井戸の上に藁で作ったコースター(麦茶の下に敷く、おばあちゃんの家とかピアノの先生の家にあるようなイメージのもの)みたいなのに笑った。
・どうでもいいけど、ああいう井戸って最近見かけないよな。でも、そういえば私の実家、ああいう井戸の跡あったんだよな……
・敏雄くんが黒猫にやたらと変身していて、ちょっとメルヘンと思いました。

個人的にベスト怖いシーン

・夏美ちゃん、自殺したら顔が崩れてグタグタになる
・霊能力者の皆さん、呪いで皆殺し
・鈴花の両親のムゴイ死に方
・呪いの家に入り込んだ小学生たちが次々引きずり込まれる
・レンタルビデオ店の人の飛び降り