2014年のハンガリー映画「リザとキツネと恋する死者たち」。
・ハンガリーから見た日本ってこんな感じ？
・ファッションやセットはかわいいし、お話もいい感じで狂ってます。フランス映画っぽい感じもするなあ。
あらすじ
日本に古くから伝わる九尾の狐伝説をモチーフとした物語が1970年代のブダペストを舞台に展開する中、昭和歌謡をはじめヘンテコな日本趣味が全編を彩る異色のファンタジー・コメディ。監督はハンガリーの売れっ子ＣＭディレクターで、これが長編デビューのウッイ・メーサーロシュ・カーロイ。
1970年代のハンガリー、ブダペスト。元日本大使未亡人マルタの専属看護師として住み込みで働く独身女性、リザ。大好きな日本の恋愛小説のような甘い恋を夢みながら孤独な毎日を送っていた。そんなリザの唯一のお友だちは、彼女にしか見えない幽霊の日本人歌手、トミー谷。彼と一緒に歌い踊っているときだけは、日常の寂しさを忘れることができた。そんなある日、30歳の誕生日を迎えたリザは、マルタから２時間だけ外出することを許される。運命の出会いを期待して嬉しそうなリザを、傍らで寂しげに見つめトミーだったが…。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=354495
ネタバレ
・元日本大使夫人の個人看護師をしているリザ。夫人もファンの「トミー谷」の音楽が大好き。そして、リザはトミー谷の幽霊が見えるという特殊な能力を持っていた。
・リザはずっと恋人を捜している。だが、トミー谷はそれが気に入らない。
「死者1 マルタ」大使夫人・マルタの命を奪うトミー谷。
・その後、遺産相続でリザが夫人の家を相続することがわかる。親族は彼女を妬み、悪口を言う。
「死者2 カーロイ」
・床屋のおばさんが、リザの知人に押し付けたレシピブックを拾い、料理を再現するリザ。その匂いを嗅いで、おばさんの息子がリザのもとを訪れる。彼は失った恋人に焦がれており、リザを恋人と同じ名前で呼ぼうとする。だが、彼もトミー谷の手によって、喉を詰まらせて死亡する。
「死者3 ゾルタン」
・リザは、自分がキツネに憑かれているのではと推測する。
・リザを怪しむ警察。はみだし刑事のゾルタンは彼女の部屋を間借りし、彼女を観察する。だが、ゾルタンは壊れたものばかりの彼女の部屋の家電を、こっそり治したりする。
・トミー谷は彼を殺そうとするが、ゾルタンだけは死なない。
「死者4 ルドヴィク」
・リザが出した恋人募集の広告を見つけた棚大好き男。彼とリザはデートをするが、自宅まで来た彼はドレスアップしていた彼女を押し倒す。だが、心臓発作でルドヴィクは死んでしまう。
・リザは自分が日本に行った夢を見る。そこではゾルタンが侍、リザがお姫様になっているが、押し倒された後、リザの顔に血が滴る。
「死者5 フェリ」図書館でたまたま同じテーブルに座っていた人。倒れて死亡
「死者6 ジョバンニ」ハンカチを落とした彼女を追いかけるが、そのまま車に轢かれる
「死者7 煙突掃除人」リザに手を振っただけで、落っこちて死亡する
・リザは続けさまに自分のまわりの人が死に、自分が呪われていると感じる。自殺しようとするが、ゾルタンが押しとどめ、彼女を慰める。なお、ゾルタンはトミー谷のせいでサボテンに激突したり、いつも傷だらけである。
「死者8 ヘンリク」
・マルタの親族であり、リザが恋している相手。だが、とんでもないスケコマシである。彼とデートしてがっかりするリザ。ヘンリクは結局、遊び相手の夫に殺されてしまう。
・トミー谷は、自殺しようとして薬を飲んだリザの意識の中に入りこみ、自分のものになるように迫る。抵抗するリザだが、彼の力に圧倒される。
・しかし、帰宅したゾルタンが彼女を助けてくれた。彼女は意識を取り戻す。
・キツネの呪いを解くには、愛してくれる相手を得るだけではなく、その相手に愛を示す必要もあったのだ。
・リザのお見舞いに来たゾルタン。その上にシャンデリアが落ちる！
・というエンディングではあんまりなのでやり直し（というメタ展開）。
リザとゾルタンは結婚し、娘が生まれている。家族で日本旅行を楽しむ予定が、レッカー車で運ばれている3人。その車の後ろでは、トミー谷が乗っているが、しぶといゾルタンと夫婦の絆に辟易しながら、ため息をついている。
「2人は幸せに暮らしました、死が訪れるまで」
まとめ
・リザが日本のお姫様に扮するシーンとか、最後に那須旅行（しかし、なぜ那須なんだろ？いいところだけど）するところとか、全体的に日本観がギャグになってしまっている。
・昭和歌謡モチーフの海外映画といえば「嗤う分身」なんかもありましたが、こちらの映画は元ネタが全然わかりません。仕方ないか。
・トミー谷はトニー谷がモチーフだそうです。
・リザのファッションとかがかわいかったりもするのですが、それ以上にマクドナルドのパチモンみたいなバーガーショップ（むしろマックそのものなんだろうか？判断できませんが）が気になりました。サスペンスというよりラブコメという印象。