「ナイトメアは欲情する」

nightmarehayokujyo

2012年の「ナイトメアは欲情する」を見ました。リトアニア/フランス/ベルギー映画。
この映画の製作スタッフ(監督と脚本だっけ)が「ABC・オブ・デス」の『K』(凶兆)を担当していた人たち。女の子がマンションの自室から空を見ていると、どろどろとした液体が浮かびあがって球体を作り……そして女の子は恐ろしいことに巻き込まれる、というもの。
そのビジュアルはもちろん、「怖い」という感覚をすごくハッキリとこちら側に叩きこんでくる感じで、とても気持ちがよかったのでこちらも見てみました。
・やはりビジュアルは最高にスゴイ。夢の中に出てくるもの、夢の中の展開をそのまま具現化させている
・おっぱい!おっぱい!と言わんばかりの裸
・だが、悪夢にありがちなどことなく寒々しくて悪寒しかしない、というあの感じが現実を侵食していくさまは、やはり不快でもあります。
でも、不快ってやはり奥が深いですね。感動とか、涙とか、胸キュンとか、そういうところとは全く別の場所に「不快」は収納されているんだなあと、思わせられる。
ちなみに、この映画の宣伝部長??をみうらじゅんさんがしています。副音声もだっけ?

ネタバレ

・昏睡状態の患者の脳内(夢の中)に入ることになる研究者
プライベートでは彼女とうまくいっていない。うわべだけは微笑ましいカップルだが、どことなく空虚である
・計画がスタートする。
・夢の中で、さっそく患者のアウロラと遭遇する研究者、ルカス。キスをする
現実では、彼女とギスギスした挙句、「夢の中で別の女とキスした」と告白して呆れられる
・計画は進行する。
アウロラと夢の中にある家の中で、激しく求め合う2人。不思議なデザインでできた木の家の中、居心地のいい清潔そうな床の上で、ゴロゴロと転がりながら笑いあう

・ルカスの様子を見守る心理学者は、彼が入れ込み過ぎないか心配している
・ルカスは現実で、彼女を無理やり抱こうとして拒否される

・夢の中で、ルカスとアウロラはカップルのようだ。現実には存在しないような虫を観察し、バカみたいに大量の食事を詰め込み、アウロラは舌をナイフで刺しすらする。そして、2人はキスをして、食べ物を吹きかけ合う(こんなビジュアル、見たことない!)
「もっと強く噛んで!」
アウロラは叫ぶ。

・ルカスは現実のアウロラを救いたいと思うようになる。彼女は助かる見込みがない。
だが、彼は薬をこっそり投与してしまう。

・次の夢。
いつもの家の中に、たくさんの人がおり窮屈そうなパーティが開催されている。彼女はひどく落ち込んでいるようだ。
ルカスは、夢の中でアウロラが別の男と写っている写真を見つける。
ルカスとアウロラが抜け出していたパーティに戻ると、そこでは乱交が始まっている。だが、絡みあう人々の肌は次第に一体化していき、集合体のようになっていく。アウロラもそこに混じっていく。
タバコを吸いながら、その様子を眺めている男が見える。

・アウロラは交通事故で植物状態になったのだ。一緒にいた男(恋人)は助からなかったのだ。
・ルカスは彼女に呼び出されるが「なんで俺と付き合っているのか?俺のことを理解しているのか?」と詰問して泣かせてしまう。

・夢の中で、車を運転しているルカス。アウロラを乗せ、交通事故の現場を走り抜けていく。だが、そこで目が覚める。「あと一歩で連れ戻せそうだったのに!」と叫ぶルカス。
また夢に戻るが、今度は家を壊していく。ルカスを拒否するアウロラ。
・現実世界で、アウロラは死にそうになっている。
・ルカスは最後の賭けに出る。彼女を夢の中に求め、追いかけ、裸の彼女を捕まえる。アウロラは最後に彼を受け入れるが、「あなたは生きて」と言い残して彼を現実に戻す。
アウロラは死んでしまった。

感想

・ぐちゃぐちゃに噛み砕いた食べ物を吐きかけあうようなシーンや、窮屈なパーティのシーンなどはシンパシーを感じる夢のシーンでした。
・「パフューム」と同じく、大乱交がある映画です。ビジュアル的にはセンセーショナル。
・夢に引っ張られるルカスの姿にシンパシーを覚える。リアルな夢を見続けて影響される恐怖を感じている方はぜひ。タイトルも素晴らしい。