ホラー映画を見ていて一番キツイのは、スプラッター描写でもゴア描写でもなく(まあ、それがきつい作品ももちろんあるけど)中盤くらいに出てくる、めちゃくちゃ幸せな場面がキツイ。
終盤で誰かが脱落する。幸せで美しい家はめちゃくちゃになるし、略奪者たちは土足で踏み込んでくる。そんなラストが控えていると思うと、ラストを観たくなくなるんですよ。もともと『ゾンビ』のショッピングモールを初めて見た時から、本当に苦手で…
私自身が家に人を入れたくない、ものに触ってほしくない、自分の話をしたくないというタイプの人だからかもしれませんが、それまで守ってきた大切なものが踏みにじられる瞬間って大嫌い。
そして、この「THE LAST OF US」第3話にも、そういうシーンが出てくるんですよ。
DVDの2巻を見たのですが、いやぁ… 恥ずかしながら泣いてしまった。こういうのに弱いんだ。3話見て良かったよォォォォ!!!いや、DVD1巻に3話まで入れるべきだと思う。
1~2話ではパンデミックの起きた頃(ジョエルと娘視点)、エリートの出会い、テスとの別れが描かれているのですが。
3話ではゲームにも登場するキャラクターらしい、ビルとフランクが登場。
4話では別コミュニティとの遭遇が描かれています(5話に続いているので、1話完結エピではない)。
3話は、専らジョエルとエリーではなく、ビルとフランクの話が描かれます。
陰謀論者のビルは政府の指示に従わず、要塞化している家に籠って自活する方法を選びます。発電機や罠、鉄柵、食料などなど、生活に困ることはない日々。
しかし、突然迷い込んできた男・フランクを助けてしまい、食事をご馳走してしまい、あれよあれよという間に… お互いの気持ちをぶつけ合い、パートナーとなってしまいます。
(これ、お互いにゲイだとなんとなく勘付いてキスしてすぐに体を重ねる、というめちゃスピーディ展開なんですけども。男性同士でお互いに好みでも、いきなりキスされたらそれだけで嫌にならないのかな)
この俳優さんたちがすごく演技がうまいんだ。ビルは偏屈で頑固だけど、不器用な優しさがある。フランクは物腰穏やかで優しく、柔らかくて温かい人という感じ。
二人は一緒に暮らし、ジョエルとテスとビジネスパートナーとなり、幸せに暮らします。
襲撃を受けるシーンよりも、サプライズで栽培に成功したイチゴをビルに見せるフランクのシーンが好きです。イチゴを泣きながら食べるところの演技が、もう素晴らしい。
しかし、現在。2人は年を取り、フランクは病に苦しんで車椅子生活を送っているという事実が判明。フランクは自死することを選びますが、ビルもともに薬を飲み、心中することに…
その後にジョエルとエリーがそこにやってきて、遺品を相続するという流れなのですが。
もう、全てが幸せで、それだからこそ儚くて。ホラー映画が示すべき「幸せな生活」があますところなく描かれていました。これだけで1本分の映画になりそうなくらい。
ちなみに、エリーとジョエルのロードムービー部分もあるのですが、エリーは吹替じゃなくてご本人の声のほうがいいですね…(ご本人の声のほうが、年相応のぶっきらぼう感がある感じ。吹替だと喋りの達者なプロ子役みたいに見えてくる)。
エリーががれきに挟まった感染者と向き合って、そのまま頭を刺すシーンはゾクッとするくらい良かった。目の演技がカッコイイ。
4話では、またジョエルとエリーのパートに戻ります。
徐々に仲を深めるふたりが描かれるので、わりと淡々としている(荒廃した風景を楽しむパートでもある)感じですが、途中の街で強盗されるという展開に!
殺されかけたジョエルを助けるため、エリーは銃で強盗を撃つのですが…(※殺してはいません) ジョエルはエリーのメンタルを気遣いますが、エリーは「これ(人を撃つこと)は初めてではない」とカミングアウト。その意味が後々明かされるんでしょうねえ。
しかし、厄介なのが単なる強盗ではなく、彼らはあるコミュニティの一員だったこと。キャスリンと呼ばれるリーダー格の女性は兄の仇を討つため、ヘンリーという人物を探し回っているのですが…
そこに何も知らずに街に迷い込んだジョエルとエリーが絡んでくる、という感じ。
4話のラストでは、謎の少年がジョエルとエリーを手引きしてくれる… という終わり方。ちなみに、この回では感染者出てきてないですね。3話でも2体くらいしか見てない。
ストレートな物言いで申し訳ないのですが、ダジャレのシーンとかは相当ウザイんですよ(エリーがジョエルを笑わせようと、ダジャレの本で読んだギャグを連発する)。この、すべってるシーンを延々見させられるのはけっこうキツイの!
でも、回想シーンにテスが出てくると胸がギュッとするし、天真爛漫なエリーけっこうかわいいし。エリーも無鉄砲なことをするんですけど、自分で始末をつけられるのでイライラしないのがいい。
わりと話にのめり込んできたので、毎日1~2話ずつ見て楽しもうと思います。