面白いけどこれは貞子なんだろうか?パチンコ機種みたいな名前のホラー『貞子DX』

パチンコの機種の名前みたいですね。『貞子DX』。

もう、めちゃくちゃシリーズを連発されているのでよくわからないのですが、『リング』がそもそも本数が多すぎるのよね。

  • 高橋克典主演の『リング』テレビドラマ版(調べるまで忘れてた、未見)
  • 松嶋菜々子主演の『リング』(傑作!)
  • 中谷美紀主演の『らせん』(そういや実は未見なんです)
  • ハリウッドリメイクされた『ザ・リング』
  • もうひとつの続編らしいけど『リング2』(こっちも未見だな。『死国』が同時上映なのが懐かしい)
  • 仲間由紀恵主演の『リング0 バースデイ』(これも見てない。老後の楽しみにとってある)。

振り返って思い出したけど、楽しみでまだ見てない。続編。でもそろそろ見ようかな。だけど、「まだ見ていない」プラス「見たら絶対楽しい」ホラー映画ってホント、もうないのよ!あーつまんねぇ!!!

だから、あえて未見であります。

あと、『バースデイ』以降、2本くらいテレビシリーズ化されてるんですけど、それは省略。2000年を超えるあたりでだんだんと火が消えていくんですよ。

ほんで、

  • 石原さとみがヒロインの『貞子3D』
  • 瀧本美織がヒロインの『貞子3D2』
  • 玉城ティナと山本美月が主演の『貞子VS伽椰子』
  • 池田イライザが主演の『貞子』
  • そして小芝風花主演の『貞子DX』

とつながっていくわけですね。概ね、どのシリーズもふざけてますね。『貞子3D』シリーズのあたりは、ホントに失笑してましたけれど、だんだんクセになってきた。

貞子3Dと3D2は、無自覚のふざけ。でも、それ以降は意図的なおふざけが混じってきているように思う。白石監督のVS伽椰子は本当に好き。「化け物には化け物をぶつける」というパワーワードが今聞いてもたまらん。あと、白石監督が毎回のように登場させる、ちょっとスカしてるイケメン霊媒師を見るのがクセになってきてしまった…

『貞子』もよかったけど、『貞子DX』もよかったですね。

今作は、今までとは趣が違います。とにかく、ずっとバカ。噛みあわない登場人物との会話や、コントめいた展開などが多く、それが小芝風花のコメディエンヌぶりとよく合っていて、わりと満足できて悔しい。『妖怪シェアハウス』も好きだったのよ。

母親役で西田尚美さんを出してきたのもズルい。だってかわいいんだもの。コメディエンヌとしても実力充分で、物語をかき乱してくれます。『相棒』で平成の毒婦を演じているのってこの方でしたよね?すごいギャップ。

ストーリー自体は、IQ200の天才美人大学院生が、ビデオで拡散される貞子の呪いに立ち向かうという推理要素のあるミステリーホラーという感じ。

個人的な見どころを記しておきたい。

  • 街頭ビジョンから飛び出して登場する貞子(新宿の猫の街頭ビジョンのイメージなんですかね)。ただ、今回の貞子って「貞子」としては本作にほとんど登場せず、他の登場人物の姿を借りています。そこも新鮮ではある。
  • 主人公の文華はテレビ番組出演をきっかけに、人気霊媒師のKenshin(演じるは池内博之)と出会う。のですが、少しだけフワちゃんのバッタもんが出てきてモヤッとした。フワちゃん的なパクリキャラクターをここで出す意味とは…?ユーチューバーは安易に出すくせに…?? と、まったく関係ないフワちゃんで心がいっぱいになる。
  • ビデオを見てしまう主人公・文華の妹。すると、白い服の幽霊につけられるように。ただ、貞子ではなく親戚のおじさん。「髪の長い幽霊?」と聞かれた妹は「ううん、髪が… ないのッ!」と言うという。「ハゲてるの!」と言わないのはコンプラ?? どうでもいいけど『イットフォローズ』っぽい感じですね。幽霊がじわじわ追いかけてきて、制限時間がきたらくっつき死、みたいな(ただし『イットフォローズ』みたいに逃げ続けることはできず、制限時間を過ぎると何をしても殺されるっぽい)。
  • 今までの設定と異なり、映像を見て1日で死を迎えるという事実を知り、推理する主人公。集団で見れば(未見の人に見せて拡散させれば)助かるのでは?という結論に至り、SNSで拡散する。
  • そもそも、ビデオを拡散させて販売していたのはKenshinだった。彼は神主の父親(渡辺博之)の金儲けの様子を見て育ち、それを真似したのだ。だが、彼は突然その父親の亡霊に追い詰められる羽目に。白塗りで髪の毛をファサファサ伸ばし、攻撃してくる父親。髪の毛による投げ技をくらって死亡するKenshin。
  • タイムリミットが24時間になった明確な理由は不明だが、要は映像を毎日見れば死なないらしい(また、幽霊として追いかけてくる人物は、その人が「失いたくない人」と推測される)。
  • Kenshinの生家の神社に行ってこの結論に辿り着き、自分の家族や協力者の男性たちとなぜかわざわざ外に機材を出して映像を見る主人公。(←時間ギリギリだからか)幻想のなかでそれぞれ貞子に襲われるも、途中で苦しみながら井戸に堕ちていく貞子。貞子が井戸に堕ちると幻想空間が溶けおちたのはキレイでした
  • そこから毎日みんなでネット通話しながら貞子の映像を見るのがお決まりになりましたチャンチャン

白塗りの渡辺博之さんやとよた真帆さんを見て、ちょっと引きつってしまいましたが(白塗りがわりと雑で、よくやってくれたなあという気持ちで見ていました)、ヒロインが守られるべき存在ではなく、自ら戦う姿を見せてくれたのも面白かった要素ではないでしょうか。まあ、『貞子』シリーズの女性はだいたいそうですよね。

よく考えると、主要キャストが全然欠けない貞子シリーズは初めてかもしれない。ホラーが苦手な人でも余裕で見られそう。そう、全然怖くないんだ。貞子をオマージュしたコメディホラーという感じ。

新鮮で面白かったけど、特に語ることがない映画でもありますね。さらなる続編も製作されるんでしょうが、また尖った監督にやってほしいですね。

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