ネタ映画としてもホラーとしても弱くない…?それでも好き!『牛首村』

牛首村

ホラー映画には、人と見るべき映画がある。

「怖すぎるから、一緒に見たい」という映画。

「面白いから広めたい」という映画。

そしてこの映画のように、「何言ってんだかよくわかんねぇから、とりあえず顔を見合わせて自分がおかしくなっているわけではないことを確認したい」映画。

2021年『牛首村』はそんな映画です。

コワイところもたしかにたくさんあるし、迫力もある。

一方で

  • シナリオが破天荒
  • 時系列がめちゃくちゃで、誰がどこに(どの時間のなかに)いるのかわからなくなる時がある
  • 主演のKoki,さんはお美しいのですが、日常生活から浮き立ちすぎていて…
  • エンディングが『犬鳴村』と同じでは…??

という不満もあります。

よかったのは主人公に恋する、ちょっと図々しい同級生・漣を演じた荻原利久。爽やかで、フレッシュな演技とはこういう感じか!という印象。あと、悪霊を演じた芋生悠さんの熱演もすごい。貞子を演じた木村多江のような、覚悟を感じて演じきる迫力には圧倒された。ただ、時々怖すぎて面白い顔になってたけど…(より目がね…) この2人を売り出す映画かなって印象が強すぎる(Koki,さんに関しては名前を売る必要はないでしょ)。

ちなみに村シリーズに通して出ているアキナちゃん(『樹海村』でユーチューバー役だった、『犬鳴村でのポジション覚えてないけど)もがっつり出ています。

『牛首村』は、もともと心霊スポットとして名高いらしい坪野鉱泉(よくしらん)を舞台に描かれているのですが、今作は樹海村のようにそのエリアそのものにスポットが当たるのではなく、村のしきたり・禁忌をメインに描いています。まぁこのしきたりがトンデモネーのですが。

このしきたり、前述していないもうひとつの不満とも関係しているのですが、ホラー要素を盛り込みすぎていて散漫とした印象があります。

双子が生まれやすい村だったこの土地では、双子の片方を忌み子として穴に放り込んで殺していたのじゃ… 子供には牛の首(中身をくりぬいたもの?)をかぶせて…

と、「望まれぬ双子」「牛の首」「子捨て」からの「人食い」「悪霊の群れ」「スプラッター」といった要素をもりもり入れているんですね。

なお、主人公の奏音(かのん)が怪異に巻き込まれた妹・詩音(しおん)を助けるために奮闘する…というストーリーも、名付けのセンスがダイヤモンドユカイじゃね?というひっかかりがあって頭に入ってこない。

Koki,さんはね… 顔小さい、足長い、ほっそ~いのがね… 時々そっちにギョッとするのよ。スタイルが良すぎて。そして顔がすごく濃い美形だから、ホラー映画と相性が悪い気が… 『フェノミナ』みたいな映画なら… それか、アクションバトルホラーとかは似合いそうですね。ショットガンぶっぱなすのとかは似合いそうっす。

 

では、ここからはストーリーを振り返りつつ気になるところをピックアップ。

冒頭がユーチューブなのはこのシリーズの定番なのか?と思うのですが、今回も心霊スポットでのギャルの自撮りから物語は始まります。異世界へつながるエレベーターというスポットに、牛の首のきぐるみをかぶって参加した詩音。そのままエレベーターが落下、失踪してしまいます。

(なお、一緒に撮影していた子は転落死と交通事故死をそれぞれしている)

この着ぐるみは顔を隠すためだったらしいのですが、たまたまこうなったのか?霊に呼ばれたのかは不明。

時を同じくして主人公・奏音(妹がいることは知らない)は自分と同じ顔の少女が心霊動画で失踪したことを知り、怪異現象に悩まされるようになる。そしてボーイフレンドと田舎を訪ねることに。この怪異現象が「自分の影(頭部分)が牛になる」「夜、部屋に幽霊が出てくる」なのですが、自分の影の頭のところが牛になるって怖い? シュールすぎない? 目をこらしてみないとわからなくない? キャラパキ発掘チョコのCMのほうが怖いレベルですよ。

親切な男性・山崎さんに助けられ、主人公は心霊動画の撮影された坪野鉱泉を訪れる。

で、ここでびっくりしたのが、ボーイフレンドが突然屋上から放尿するんですよね。そしてそれが山崎さんにジョババと命中するんですよね。「おい!ふざけるな!」と怒るものの、スッと許す山崎さん。

えっ、何このシーン。おしっ〇かけられたらもっとぶちぎれていいと思う。どういう脚本だ。

なお、山崎さんが水たまりの中に自殺しようとして飛び降りてくるアキナの幻覚を見るシーンはけっこう怖かったです。

そして田舎に戻ると衝撃の真実が明らかに!

  • 主人公には妹がいたのだ。双子の妹。なお、祖父母もそれぞれ双子だったが、片割れは儀式で死んでいる。
  • と思ったら、おばあちゃんの双子の奇子(あやこ)が諸悪の根源。奏音は昔、奇子に連れ去られて失踪したが、詩音が連れて戻ってきた。そのことから、奏音は今度は自分が詩音を救わなくてはいけないと思っている。
  • もともとおばあちゃんの妙子が捨てられる予定だったが、村人の間違いで奇子が捨てられた(事前に発覚したがもうメンドイからいいやみたいな雑な理由で突き落とされた)。だが、奇子は死なずに穴の中で他の子供の遺体を食べてある程度の年齢まで生き永らえていた(もうここだけでぶったまげ案件だが)。しかし、のちに村人に見つかり、助けを求めるも殺されてしまった模様。
  • 奏音が失踪したことで、両親は伝説を恐れ、双子を分けて育てようと決めた(母に詩音が、東京に行った父に奏音が引き取られた)。
  • 山崎さんはこの件に何にも関係ない

なお、詩音の彼氏も出てきて主人公カップルと3人で行動することになるのですが、この構図がホラー映画らしくなくてまぁまぁ見にくいのはご愛敬か。詩音の彼氏、ものすごくキャラが弱いの。

なお、意味ありげな登場だった山崎さんは単なる親切なおじさんなのですが、突然奇子のターゲットになってエレベーターの中で襲われ、上半身と下半身がエレベーターによって切断されて死亡するというファイナルデッドシリーズみたいな退場のなさり方でした。奇子、山崎さんはお〇っこかけても許してくれるいいやつだぞ!

また、主人公のボーイフレンドも1人で帰京しようとして長距離バスのなかで村人たちの悪霊にまとわりつかれて死亡するという、地味な退場をして死亡。主人公を守るとかないんか!

このシリーズの男ってホント頼りになんねーよな。女性の権利団体にでも配慮してんのか。

そして奏音といえば、おばあちゃんを通じて唐突にワープ&タイムスリップ(なぜか詩音の彼氏とともに)。奇子が捨てられた穴の中で、詩音と再会。奇子が受けた酷い仕打ちを目の当たりにしつつも、3人で穴から脱出。(時間軸はわからないが、奇子の意識のなかであろう)

しかし奇子は追いかけてきます!村人たちを3人をじっと見るだけ。実は彼らも全員双子で、片割れは捨てられて死んでいたのだ!(驚きはない) 突然、モノマネ番組の本人登場みたいな感じで現れる双子の片割れ幽霊たち。

崖に逃げる奏音たちだが、詩音が突然苦しみだし、奇子に変形(詩音の皮膚の下に赤ちゃんみたいな顔がうごうごするのは怖い)。殺されるのか、それとも逃げるのか?

と思ったら奏音は奇子を抱きしめ「ひとりぼっちは、かわいそう…」とつぶやきながら一緒に崖から転落。なぜか一緒に飛び降りる詩音の彼氏。

で、気付いたら坪野鉱泉(心霊スポット)のエレベーターの中にいるというわけですね。

しかし、実は詩音は奇子に憑りつかれたままだというエンド。『犬鳴村』でも犬に憑りつかれていたし、このエンディングはなんなんだ。どうせなら詩音がその後に彼氏と結婚して、双子を妊娠していた… ドクンという胎動… また奇子がやってくるのか…??と奏音と顔を見合わせる… というエンディングとかでもよかったんじゃないの。 あとそのへんを歩いている双子の片割れがこっちニヤニヤ見てるとかさ。

まぁ、エンディングなんてなんでもいいんですけど。主人公は死なないけれど、後味が悪いエンディングを意識してるんですね。

しかし「ひとりぼっちはかわいそう…」じゃねーよ。じゃあボーイフレンドをひとりぼっちでバスに乗せるんじゃありません!

というのは乱暴ですけども。奇子が何に怒っているのかがよくわからないといいますか、手を下した村人たちの子孫に復讐する、とかならまだわかるんですけどね。

双子ならダブルヒロインとかでもよかったんじゃないのかという気もしています(男女の双子とか)。

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