2017年の韓国映画『模倣霊』を見ました。
人の声を真似する霊に侵食されていく家族の姿を描いた映画です。
いやぁ、この映画は重い!
虐待、子供の死、認知症、精神病など、重たい要素がこれでもかこれでもかと出てきます。
まず、主人公一家のバックボーンを説明。
妻・ヒヨンは息子を亡くしているものの、「いなくなっただけ」と頑なに信じ込み、今もなお探し続けています。一方で認知症の義母の介護に悩まされてもいます。
その妻を優しく見守りつつ、どう接したらいいかわからない夫・ミノ。
認知症であるが故に、幼い孫の手を離してしまい死なせてしまった(だが、本人はそれを理解していないのでヒヨンも責められない)義母。
十分に愛されているものの、兄を探し続ける母に翻弄されるヒヨンの娘・ジュニ。
この一家が夫の故郷に引っ越してくるのですが、その直前にチンピラのせいで裏山にある祠の封印が解かれてしまい、それを機に娘と同じ名・ジュニを名乗る少女(もちろん幽霊)が一家の前に登場。
まるで自分が本当の娘であるかのように振舞う少女に戸惑うミノ、彼女に死んだ息子のように愛を注ぐヒヨンと、対応はまったく分かれます。
しかし、悪霊(少女の父もかどわかされて、死んでいる。この人は元シャーマンで、人の声を真似する悪霊に取りつかれて虐待していた娘を殺した)は義母を、続けて夫を連れ去ってしまいます。
夫を探しに、少女の幽霊とともに祠に入るヒヨン(義母は…??)。
翻弄されつつも夫と再会、しかし視力を奪う悪霊の能力により、夫婦はどんどん目が見えなくなっていく。
なんとか逃げ出せそうになったところで、「おいていかないで」「愛してくれるって言ったじゃない」と泣きじゃくる少女の幽霊にほだされ、ヒヨンは彼女の手を引いて祠に消えていく…
って、こりゃあ『仄暗い水の底から』の展開を思い出させますね!
そもそもさぁ!
義母はほったらかしかよ!
とか
夫は放置!?
とか
生きている娘のことも愛してあげてよぉ!(マジで思いますよ、コレは!!!)
とか、すごくヒヨンの生き方に疑問が残りましたね。
少女の幽霊のやり口が、放置子が他の家庭に取り入っていく様子にも見えて「かわいそう」とはあまり思えなかったし。
怖いんだけど、すごくイライラしたわ!
あと、家がめちゃオシャレでした。モデルルームみたいな家だった。韓国映画の99パーセントの家が「あっ、韓国」ってわかるものですが(間取りとか、家具の配置とか、インテリアが微妙に日本と違う)、このおうちは日本の物件と言われてもわからなかったな。超オシャレ。
あと、犬をスゲー飼ってたんだけど金持ちってこと?それともブリーダー?とか、どうでもいいことが気になりました。