好きな人が殺人鬼でもいいというメンタルおにつよ『羊とオオカミの恋と殺人』

2019年の邦画『羊とオオカミの恋と殺人』を見た。

ホラーというよりはラブコメですね。漫画原作だろうなぁと思っていたら案の定。もちろん「だからダメ!」というわけではない。ず~っとキラキラしてて息苦しくなってくるほどなので、特定の層にしか刺さらなさそうだなぁという感じ。監督は『クソすばらしいこの世界』の朝倉加葉子監督。

ストーリーはほぼニートの青年が壁の穴を覗いているうちに隣人の女子大生に恋するも、彼女が殺人鬼だった…でも好きなんだもん!俺もガンバル!バイトする!というお話。

ダメ人間ながらも健気な主人公となぜか付き合い始める殺人鬼だが、そのまっすぐさにだんだんと彼女も惹かれていくがある事件が2人を引き裂いてしまう…??という流れなのですが。

何も考えていないような健気なニートを演じるのが杉野遥亮(なんて読むんだかすぐ忘れる)、美女殺人鬼に福原遥。

うーん、これは福原遥ちゃんを鑑賞する映画なんですね!ということに早々と気付きました。かわいい。ああかわいい。やきもちやいているところなんてほんとかわいいよねぇ。

いくら人を殺してもバレないのはあまりに鮮やかな殺し方からファンが多く、遺体がマニアの間で取り合いになっていて、その人たちが遺体回収からもみ消しまで全部やってくれる…とか、ファンが彼女の遺体から切り取った指をイヤリングにしている…(ジョジョっぽい)とか、殺す相手選びにはある程度のルールがある(犯罪者しか殺さない)とか、まぁ、漫画だからね!そして映画だからねぇ!!という感じ。犯罪者だから殺してもいいってわけじゃないんだよ!的な葛藤ももちろん描かれるのですが、恋のいざこざですぐに忘れられます。

そもそも、壁に穴が空いていて気がつかない人いるのかしら?

そこらへんにツッコミたがる人には向いていない映画なのでしょう。

最後、突然主人公を殺そうとする殺人鬼のカノジョ。

「好きな人を殺すのが、一番興奮する…」

と言われても、アッハイソーデスカという気持ち。絶対主人公は生きてるんだろうな~と思ったら生きてたわ。しかも最後の最後で同棲することになってたわ。

そもそも、自分の好きな人が殺人鬼でもいい!好き!って人がいるのだろうか。「自分の好きな男が殺人鬼だったら…でもスキ!」って女はいないと思うが(ふと思うが、殺人犯の顔ファンになって〇〇ガールズと呼ばれる女性たちはこういうメンタルなのか、それとも犯罪者をカッコイイと思う自分に酔ってるのか)、男だってもちろんそこまでバカではないだろう。「タイプだから殺人鬼でもいいんだよ!」とかねぇ…主人公が一番おかしいんじゃ…?? まぁフィクションですしお寿司!!!(懐かしいいいまわし)

まぁ、福原遥ちゃんがかわいいから全部OK!あと、笠松将が動物虐待の常習犯の役で出ていたんですけど、めちゃくちゃ合っていてびびりました。ヤンキーっぽいけどそうじゃない、ニコニコしてるけど怒らせたらヤバそうな人。こういう変な役いっぱいやってほしい。うまいから。