シンプルにつまらない。水に襲われるプール映画『ザ・ウォーター』

ザ・ウォーター

なぜこの映画を借りたんだか思い出せない2018年『ザ・ウォーター』。アメリカ映画。

父親を亡くした主人公・サラが幼馴染に家に呼ばれるも、そのアパートのプールでは失踪事件が起きていた。サラもプールに入って以来、謎の鼻血と夢遊病に悩まされるようになってしまい…?

と、オカルト要素ありありの感じで始まりますが、まぁよくわからない感じの映画です。

「水が襲ってくる」というお話なのですが、襲う水の怨霊は予算がないのかあまり登場せず…

ぶっちゃけジョジョで見たエピソード(映画だと山田孝之が演じていたスタンド使いのエピソード)のほうが抜群に完成度が高い。身近にある水がすべて敵になる… なんて展開はありません。憑依や殺しのシステムがよくわからないのが難点ですね。死に至るまでのステップや期間をぼやかして謎めいて見せているけど、説明しないのでまさに雰囲気だけって印象。

シンプルに面白くないのが悲しい… 脚本も展開もキャスティングも面白みがないのが…

もともとはギリシャの悪霊が関係しているようですが、その宿主が諸悪の根源。その人がアパートの住人のなかにいる… というミステリーでもあるのですが、まったくそそられない謎であります。誰でもいいよって感じ。

登場人物は主人公のサラ(いい女)、幼馴染のウィル(メガネのプロレスファン)、その彼女のリンジー(サラとはどういう関係なのかはよくわからない)。そして近所の親切な看護師・ケイトと、女好きのザック、やたらと闇を感じさせるアレックスが出てきます。

なんだか何かを知っていそうなアレックスはサラに警告する一面もありますが、悪霊を利用して気に入らない義父を殺すというトンデモネーことをやる奴。

そしてアレックスがどんどん怪しくなるのですが、実は彼は失踪した女の子が好きで、ザックが犯人だと思い込んで行動していたと告白。

ザックを追いつめたつもりが逆に襲われ、殺してしまうサラ。でも、犯人は彼じゃない!そう、ケイト!!

ケイトの魔の手から逃れるも、アレックスは助からず、サラは次の宿主に選ばれてしまうという… 相談しにいった霊能力者にはナイフを渡されて終わり。

忘れてたけどウィルとリンジーも死んじゃうんですよ。リンジーはギリシャまで調べに行ったのに脱落するからなぁ。かわいそうというより、唐突すぎて事態が飲み込めない。出演、POVみたいなザラザラ画質のシーンだけだし。

そもそも、このアメリカのアパートの形態がよくわからないので理解するのに時間がかかる。モーテルのような感じで、わりと貸し借りが楽な物件なのだと思うのですが、アメリカだからプールもついているのよね。だから主人公も気軽に1部屋・1週間だけ借りているのですが、途中でアレックスがサラを別の家?に移動させたりしたから、それぞれの位置関係がよくわからなくなってくる。

個人的にはプロレスラーのファンをアメリカのホラー映画で初めてみたかもしれない。レスラーのマスクをコレクションして飾っている人ってアメリカにもいるんだね。しかし、その設定が何にも活きていないのがまた悲しい。

チャラチャラやり〇ン野郎が宿主だったらまぁ少し新しい気もするナーと思ったのですが、「俺に抱かれたいのかい?」と言いながら主人公の女優の首筋にむしゃぶりつく姿は二時間ドラマで殺されるワルい被害者そのものでありました。

アレックスのリッチな義父が住んでいるマンションも、内鍵がウサギ小屋についているスライドボルトみたいなのなんですけど。ツッコむところがそれくらいしかないのよ。それもまた悲し。