2021年の『スパイラル:ソウ オールリセット』を見た。アメリカ映画。
もう、何がなんだかよくわからないほど続編やらリメイクやらリブートやらがぐちゃぐちゃしたうえ、私は『ソウ』シリーズがさほど好きではないので始終冷めた目で見てしまった。
『ソウ』シリーズとは別物。なんだろう、オマージュぐらいのレベルですね。どちらかというと警察内部での汚職事件や告発を巡るゴタゴタから起きた警官連続殺人事件に、『ソウ』の要素がちょこっと入っているって感じ。人形は警察官のコスプレしたブタ。風刺?
あと、最初似ているなあと思っていた程度でしたが、主人公の父親役がサミュエル・L・ジャクソン本人で驚きました。
ストーリーはシンプル。
相棒の刑事のことを告発したため、署内で鼻つまみ者と化している警官・ジーク。彼は連続殺人事件の捜査に新しい相棒・シェンクとともに挑むが、自分の父親が事件に関わっているのではないかと気付き、ますます捜査にのめり込んでいく…
という感じの内容。
ハイ、お察しの言い方はすぐ気が付きますね。犯人はいかにもなタイミングで登場した相棒・シェンクくんです。
- こいつが登場してから事件が始まったのが明らかにおかしい
- 「あなたの父親がはじまりです」と、明らかにフラグっぽいことを言う
- やたらと妻と息子の存在を強調するが、実態が見えない
- 途中で体の部位が見つかって死んだと思われるが、シェンクと断定されたのが体のタトゥー(どう考えても他の人に同じタトゥー入れて殺したとしか思えん)
と、ものすごく既視感のある展開が続き、正直萎えましたね。ジークの相棒のピートに父親を殺され、隠蔽体質の警察に復讐したかったというのが動機のようです。しかし、そのために警察学校に行って首席で卒業して、「すっごく大変だったんだぞ!」と本人もぷりぷりしていました。
ゲームのこともまとめてみよう。全員刑事です。
- 偽証したボズは、舌を自分で引っこ抜けと言われ、間に合わずに電車で轢死
- 罪のない人を射殺したフィッチは指を引っこ抜かれて感電死
- シェンクは皮を剥かれる(ただし、その実態は協力者のヤク中・ベニー)
- 署長のアンジーは隠蔽したことを問われ、熱い蠟をぶっかけられる(ジークは彼女を助けるために蝋を剥くのですが、皮膚も持っていかれて非常に痛そう)
- 罪のない人を殺したピートはガラスの破片を浴びて死亡
- そして最後、すべての黒幕のジークの親父(元署長)は血液をギリギリまで抜かれ、息子に助けられるもSWATに銃を向けるように仕組まれていて、ジークの目の前で射殺される
毎回思うんだけど、ギミックすごくない?ジークのお父さん、袖から自動で銃が出てきたんだけど。カッケー。エヴァンゲリオン初号機みたいだった。
『ファイナルデッド』シリーズも死のピタゴラスイッチと呼ばれていますが、こっちもすごいですよね。
そしてエンドロールでごりごりのラップが流れるの、ちょっと笑ってしまうのはなぜでしょうか。
あと、協力者のベニー・ライズってITのペニー・ワイズと似せているのは意味があるのか?
なお、冒頭にフォレストガンプのヒロインへのディスが盛り込まれていたのですが、あの映画もう20年以上前のでしょ?伝わらなくない?アメリカだと寅さんみたいなレジェンドなのか??
などなど、考えこんじゃったけどさ。嫌いじゃないですよ。好きでもないが。