虐待・体罰のオンパレード。子供を独裁者にする方法とは?『シークレット・オブ・モンスター』

シークレットオブモンスター

2015年の映画『シークレット・オブ・モンスター』を見ました。イギリス/ハンガリー/フランス映画なのですが、とにかく冗長!

第一次世界大戦のころのフランスを舞台に、政府高官の父と美しい母を持つアメリカ人少年・プレスコットが主人公。父親は威圧的で概ね不在、母親は家庭を選んだが故にキャリアを諦めざるを得なかった(四か国語喋れる才女!)ことを今でも悔いており、わがままな息子の子育てに手を焼いているという設定。お父さんはけっこう高齢でキャリア組、「お前が躾けないからだ!」と妻の育児に常に文句つけてる感じ。

お母さんは癇癪持ちでいうことを聞かない息子を厳しく躾けますが、まぁ逆効果なんですよね。食事を食べなければ食べ終わるまで寝させない(ちなみにメイドが吐きだすほどまずい食事)、謝らなければ食事抜きとか。

プレスコットくんは癇癪持ちではあるのですが、とにかく歪な家庭の犠牲者でもあるという印象。自分をかばってくれたメイドは母親によってクビにされ(食事抜きの息子に食べ物を与えていたから)、たまたま通りかかった別メイドも巻き添えで解雇。理解者ゼロの環境。

父親の仕事仲間が家に来ている時に裸でウロウロして折檻されるシーンなんぞ、かわいそうすぎて… まぁ子供にはあるかな~そういうことも… まぁ知らない子供にされたら引くけど、ハハハ仕方のない奴だなあで済ませるくらいの問題では?と思うんですが、お父さんもわりと短絡的に折檻するんですよ。しかも組み敷いてからのムチ打ち。

ただ、かわいそうなプレスコットくんですが家庭教師の胸元をジロジロ見たり、おっぱいを揉んだりする早熟な少年でもあります。家庭教師の先生は怒ってまた体罰。

ラストはその癇癪から、終戦の祝賀パーティで母親のことをぶん殴って出血させ、逃亡。しかし追い詰められて転び、忍び寄る父親とその知人たち…という、怖い逃げて逃げて!な終わり方。

そして時が経ち、プレスコットはヒトラーを彷彿とさせる独裁者に成長。熱狂する民衆とタテにグルグル回って揺れるカメラ(このカメラワーク、しつこいけどなかなか面白かったです)。

とっにっかっく戦争の話が長いので、事前にこの映画のストーリーを知らないで見始めてしまったため、20~30分戦争トークばかりで飽き飽きしてしまった。少年、一向に出てこないし。

一方で、当時の生活を再現しているセットや衣装には魅了されました。特に家。壁がだんだら模様なのは仕様なのか、家が古いからなのか?普通の壁が一番怖かったわ。

しかし、今ならもう少しいろいろ療育とかでなんとかなりそうな気もするけど… ずっとお母さんイライラしているし、父親は対面を気にしているし(「もう一人子供作ろぉ~お前に似た女の子がいいなぁ~」と具合悪い嫁をサワサワするデリカシーのない男)、彼を抱きしめて笑顔にしていたのってメイドのおばちゃまだけなんですよね。もっと愛してあげりゃあなんとかなった気もする。

愛情不足が独裁者を作るわけではないとも思う。

そもそも、これホラー映画じゃないよなぁ。『オーメン』みたいな話だと思っていたのに…

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>