お線香フーフーで幽霊撃退だ!恐怖よりも笑っちゃう『事故物件 恐い間取り』

2020年『事故物件 恐い間取り』を見ました。

率直な感想。

たしかに怖い。ただ、見たことあるようなシーンが多い… そしてつっこみどころ多い。ナンジャコリャなホラーシーンがわりとある。

それよりも!亀梨くんと瀬戸康史がお笑いコンビ組んでたら顔だけでファンついてるっちゅーの!それでそこそこ食えるっちゅーの!(真のお笑いファンを自認する人たちからはめちゃくちゃ叩かれるパターン) そしてファンと付き合い始めるの生々しいっちゅーの!

コンビ名がジョナサンズなのはジョナサンがスポンサーなのか?(松原タニシさんの元コンビ名が似た名前なのかと思って調べたら違ったわ)

さらに。完全に別の話とはいえ、うまく説明できないイヤな感じがするのはなんだ。わりとファニーフェイスな俳優さんに売れっ子お笑いコンビを演じさせて、売れていない亀梨君は売れっ子の彼らに道を譲らされるというTHE・昭和のような展開がなんか嫌だ。

あと、松原タニシさんの半生とはまったく別モノの話ですね。当たり前だけど。

お話は主人公・ヤマメがコンビ別れをしたところから始まります。番組企画で事故物件に住むことになるも、突然構成作家に転身した相方・中井も転がり込んでくることに。さらに、少ないファンだった女の子・梓がヘアメイクに転身して親しくなるのですが、この子が霊感があっていろいろ見えちゃう…というのが基本設定。

1軒目。動画にエクトプラズムが映る、犬に吠えられるというあるある霊体験を経て、この物件で殺されたらしい赤い服の女を目撃する主人公。その直後に交通事故に遭います。

2軒目。畳に血の跡が残るというスゲー物件に引っ越し。排水溝に髪の毛が詰まっている、鏡が封鎖されているという物件で、後ろにおばあさんの霊がくっついちゃうヤマメ。この物件は髪の毛がやたらと出てきますが、『エクステ』って髪の毛ホラーを思い出した。

梓はこの家に遊びに来たせいでまた霊視?をしてしまい、死んだはずのおばあさんに引っ張られて溺れてしまいます。

留守電に謎の声が入っているという不可思議な現象もありましたが、それはおばあさんの死の間際の声。なぜか相方がこの霊騒動の影響を受け、親がケガをしたり倒れたりしてしまうことに。

3軒目。女性がドアノブで首つりしていた物件で、調べてみたら入居者は続けて首つり死していたよう。ヤマメも首つりしかけます。 と、物件ショーが続きます。

そして注目されたヤマメはブレイク、番組もローカルから全国ネットへ… みたいな展開に。

今度はカップルが心中した部屋に引っ越しますが、梓はこの物件が危ないことを見抜いて止めます。しかし、それを妬み・嫌がらせと感じたヤマメは梓を突き放すことに… そして相方の中井は構成作家を引退。

梓の心配が的中し、突然集団の幽霊に襲われるヤマメ。えっ、直接攻撃!?

と口をアングリしていたら、お守りに助けられるというまたまたベタ展開。しかし梓も巻き込み、2人はカップルの心中を再現するように死へと引きずられていきます。

そこへ引退したはずの中井がガバッと部屋に入ってきて、大阪でヤマメがお世話になった不動産屋(事故物件ばかり紹介してもらっていた)の指示で聖水をまき散らします。

和洋折衷じゃねーかとまたお口アングリですが、亡霊をやっつけるために呪文を唱えながら束になった線香フーフーしているシーンでちょっと笑ってしまった。

結局、ジョナサンズ時代の小道具のおかげで助かるのですが(傘で霊の攻撃から身を守った)、なんだかんだで事故物件芸人をやめるヤマメ。

「こんなことしてちゃいけない!お前も死ぬぞ!!」と連呼されて事故物件芸人やめて、という流れですが、モデルの芸人さんはまだ続けていることに折り合いをつけてあげたほうがいいんじゃ… 死ぬ死ぬ言われて事故物件芸人のこと全否定されてたのって芸人さんにとってはオイシイのでしょうか。モヤります。

そして梓と付き合うことになったヤマメは大阪に戻って新居を探しますが、霊に詳しい不動産屋さんは突然車道に飛び出して目の前で自殺、そのヤマメと梓を、遠くのマンションの首吊り死体とその背後にいる霊が見ている… という終わり方でした。

このラストはけっこう好きだな。

聖水まき散らかすシーンで、子供のころに近所の犬が当然家に入ってきておしっこまき散らしたことを思い出した。あの頃は平和だったな。どうでもいいですね。

幽霊役のキャストの方の演技、江口のりこさんの得体のしれなさは素敵でした。