「ウォーキング・デッド」シーズン8・第15話『偽りの顔』のネタバレ

ウォーキングデッドシーズン8

リックは手紙を読む。外に目をやると、ジュディスとミショーンがいるのを見える。
カールの手紙は、「8歳の誕生日を覚えてる」から始まる。子供の頃の思い出を綴るカール。こうなる前の世界のことを、リックも思い出していく。
「大人になるということは、就職したり家族を持つことだと思ってた
でも愛する人を守ることだった」
「パパに安心してほしい
パパと手をつないだ僕のように」
カールの手紙は、リックの胸を揺さぶる。

「ニーガンを殺したかった。以前なら殺せたかもしれないが、もう無理だ。
彼らが投降することはこれからもない」
「再生に向けて多くの仲間ができた
これが“広い世界だ”
互いに生きる機会を与えて生きる
パパが終わらせるべきだ。出口を作って
ニーガンと和解して前に進んでほしい」

カールの手紙を読み終わるリック。ミショーンはそれを見つめながら微笑む。

その後、ベッドに寝転んでいるミショーン。ふと起き上がり、そっと引き出しを開け、ニーガン宛の手紙を手に取る。

聖域では、グレゴリーとサイモンが向かい合って座っている。ヒルトップの件で、グレゴリーを責めるサイモン。グレゴリーはマギーのせいだといい、「償わせてくれ」と懇願する。だが、サイモンはニーガンが消え、自分がボスになったと宣言する。グレゴリーはそれを祝福し、ニーガンを異質だったと悪口を言う。サイモンは彼が弱腰だったと嘲笑し、グレゴリーも同調する。サイモンはやる気満々だ。そして、グレゴリーは彼に殺意を向けられる。
その殺意を、「とんでもなく浅はかだ」と言うグレゴリー。自分が政策についてアドバイスをするというが、サイモンは「もう終わりだ」と告げる。グレゴリーは「終末の世界に秩序をもたらした」のが自分だとアピールし、自分はまだ終わっていないと強く言う。だが、サイモンは彼を引き倒す。
「あんたを追い出すつもりはなかった。殺そうとした。コーヒーを入れられるか?」
「……最上級のやつを」
「コーヒーを飲んでから決めよう」

アーロンのことを探りながら歩いている、オーシャンサイドの女性たち。そこには、現在のリーダーらしいシンディの姿も見える。彼女たちのそばにウォーカーが近寄ってくるが、それを殺したのはアーロンだった。偶然にも?鉢合わせた彼らだが、アーロンは空腹や喉の渇きで倒れて動けなくなってしまう。彼女たちはアーロンを見捨てて進んでいく。

ユージーンの工場では、女たちが食事に不満を述べている。マカロニチーズにイワシや野菜を混ぜ込んだ、まずい食事を作ったユージーン。だが、彼は作業が終わるまで栄養だけを重視したこの食事を続けるという。ニーガンが消え、サイモンは弾のさらなる量産を望んできた。ユージーンには見返りはないし、その要求は非現実的でバカげている、と彼は感じている。だが、サイモンの目をごまかすだけの弾を作らなくてはいけない。
ゲイブリエルは激しく咳き込んでいる。ユージーンは彼に薬を飲ませているようだが(インフルエンザか、それ以外の感染症か?)、効果が出るまでマスクを外すなと要求する。そしてカラの薬莢を渡して「感じろ」という。ゲイブリエルはわざと薬莢を空のまま、出荷するものに混ぜ込んだ。自分の作った弾で、仲間を、人を死なせたくないと感じて細工をしたのだ。ゲイブリエルは手伝いたくないとまで言うが、同時に死にたくないと強く感じている。彼は変わったようで、何も変わっていないのかもしれないと自責する。自分の中の「臆病なけだもの」が生にしがみついていると感じ、その恐怖に怯えている。
ユージーンは彼を作業から外すといい、ゲイブリエルは声を出して泣き出す。

ユージーンは試し撃ちをするために外に出るが、あっという間に警備と見張りが殺され、ダリルとロジータがユージーンを拉致していく。

ドワイトは煙草を吸うために外に出るが、そこにニーガンが立っている。驚くドワイト。
「手を貸してくれ」
ニーガンとサイモンは大きなゴミ箱を押していく。サイモンとドワイトが、ニーガンを助けなかったことをわかっており、暗に責める彼。
「自分が何者か忘れてないだろうな。俺とお前の間の話だ」
「ナンバー2の彼に従うべきだと思った。俺が何者か? ニーガンだ」
「よし。それを聞きたかった。頼みがある。タバコを捨てろ、ここに」
ドワイトが落とした煙草を踏みつぶすニーガン。
「時期がきたらわかるだろう。今の話を覚えていろ。築いてきたものを忘れるな。これからも共に生きようじゃないか」

会議室では、サイモンが苦い顔をしてニーガンの前に座り、言い訳をしている。彼が死んだと思い込み、自制心を失い、恨みを晴らそうとしたと言い訳するサイモン。だから、ヒルトップを感染させる計画を、全滅作戦に切り替えた。それは失敗したが、元の計画だって失敗したかもしれない。
「だが今回のことは見逃してほしい。埋め合わせはすると約束する」
「最初の頃を思い出す。お前とここを掌握した頃の話だ。お前をとどめておくか迷った。俺が秩序をもたらす前、お前は何を?
あの町の男と男児を皆殺しにしたろ。お前は猟奇的なクソ野郎と思ったよ。あんなことをするのは、おぞましい行かれた悪霊だ。手を組むのも、そばに置くのもおそろしい。だから監視してきたんだ。今までずっと」
サイモンに、「ひざまずけ」と命じるニーガン。サイモンはその場で膝をつく。
「抵抗するか、あきらめるか」
しかし、サイモンを許すというニーガン。
「失望させない、あんただけは」
あからさまにほっとするサイモン。
ニーガンはヒルトップ対策を明らかにする。街を乗っ取るのではなく、彼らが街から出てくるたびに殺すというのだ。1人ずつ、来る日も来る日も殺す。その計画は、明日から始まる。

ニーガンはドワイトだけを呼び止め、会議室に残す。
「お前は賢い男だ。シェリーのことがあり、顔も焼かれたのに、バカなマネはしない。自分の仕事を確実にこなしている。肝が据わってる。生きるために何をすべきか、わかっている。これからもそのことを、決して忘れるなよ」
それだけを言い残し、ニーガンは去っていく。

ユージーンを拉致していくダリルとロジータ。ユージーンはブツブツと話し続ける。
「黙らねえと舌を切るぞ」
ダリルは彼につかみかかるが、ロジータが止める。
「どうも」
「黙って!行くわよ」(久しぶりのコミカル?なやりとり)
ユージーンはこうなった経緯をダラダラと説明する。だが、ロジータも仲間が死んだのはユージーンのせいだと断言する。しかし、リックのせいでこうなったというユージーン。ロジータは、自分のやったことを悪いとも思っていないような彼に怒り出す。
「臆病で卑怯なやつ」
ロジータは彼の顎に銃を当てる。
「あんたが死ねば世界がよくなる。殺さないのは必要だからよ。頭の中身がね。闇に閉じ込めるわ。知恵が必要な時だけ、光を見せてあげる。望み通り生きられるわ。あんたの哀れな命を役立たせるのね」
苦々しい顔をするユージーン。

ドワイトの部屋にやってくるサイモン。ニーガンから何を言われたのかと尋ねるが、ドワイトは激励されたと話す(たしかに、それ以上の表現はできない)。
サイモンは今の体制に不満がある者たちを集め、ニーガンを倒すための話をするつもりだ。彼はドワイトを仲間にいれようとするが、ドワイト本人は首をタテに振らない。だが詰め寄られ、サイモンに同意してしまうドワイト。サイモンは喜んで、部屋から出ていく。

車のところに戻ってきたダリルたち。車に群がるウォーカーを次々と殺していくダリル。ロジータがユージーンを見張る。
だが、ユージーンは自分の喉に指を差し入れて嘔吐し、そのゲロをロジータにかけて逃げてしまう。後を追いかけるダリルとロジータだが、灰の山に隠れたユージーンを見逃してしまった。

アーロンは森の中に倒れたままだが、雨に気が付き、たまった缶の水を飲もうとする。
しかし、そこにウォーカーが現れた。なんとかその死体を倒す彼だが、さらにもう1体のウォーカーが現れる。揉みあいの末、泥の中にナイフを落としてしまったアーロン。ウォーカーの襲来はやまない。木の棒を使って、彼はウォーカーに対抗するが、ついに押し倒されてしまう。それでも、彼は戦うことをやめない。ドロドロになりながらも、襲ってきたウォーカーをすべて殺す。そしてそのまま倒れて、気絶してしまう。

「死んでる?」
気が付くと、シーサイドの女たちに囲まれているアーロン。
アーロンはフラフラしながら、イーニッドのせいでナターニャが死んだとオーシャンサイドの女たちは思い込んでいるが、本当に悪いのは彼女たちを変えたニーガンだと主張する。ニーガンが彼女たちを傷つけ、望まない生活をさせているのだ。彼はひとしきり怒鳴った後、また倒れてしまう。

さきほどニーガンが踏んだタバコの前で待っているドワイト。反逆者たち(なかにはグレゴリーもいる)がドヤドヤと出てくる。もちろん、サイモンも少し遅れて現れる。落ち着きのないドワイト。サイモンはここにいるものは全員同志だと告げる。
「彼にふさわしい最期を」
ドワイトを指差すサイモン。なんと、ドワイトにニーガンを殺す権利を授ける。サイモンは嬉々として自分の計画について話し出すが、そこで、あの口笛が響く。
ニーガンだ。ニーガンは物陰から悠々と登場し、ドワイトに礼を述べながら、カウントダウンを始める。そして次の瞬間、ドワイト、サイモンとグレゴリー以外の仲間が撃ち殺されて死んでしまう。
ドワイトがサイモンは裏切ったのだ!サイモンはそれを理解し、彼につかみかかろうとするが、もちろんうまくいかない。
「ゴミ山の住人を殺したろ。そんなことはするなと明確に言ったのに」
ニーガンは、死んだ仲間(裏切り者ではあるが)の頭に次々とバットを突き刺していく。
「だが、こうなっても俺はやり方を変えない。チャンスを与えよう。ボスになりたいなら、ボスを倒せ。それができたら、いいだろう。お前がボスになれ」

ニーガンとサイモンのにらみ合い。
聖域の者たちが、彼らの決闘を見るために集まっている。ニーガンに、こうなっても後悔していないというサイモン。不意打ちで、ニーガンの顔を思いっきりはたく。しかし、ニーガンもサイモンを張り倒す。激しいパンチの応酬。それを静かに見守る仲間たち。
ニーガンはサイモンを倒し、蹴りを入れ続ける。勝負が決まったようだ。こっそり抜け出そうとするグレゴリーを呼び止め、リックに明日のことを知らせろと命じるドワイト。

サイモンの首を絞めながら、ヒルトップの人間たちを殺す前に、彼をまず殺すと叫ぶニーガン。そして、彼はサイモンを窒息死させる。
「馬鹿野郎」
決闘が終わり、ニーガンは立ち上がってこう呟く。

グレゴリーはヒルトップに戻ってきたが、またオリに入れられている。マギーは軽蔑のまなざしを彼に向け続けている。
「明日の午後、ニーガンはX地点に行く」と書かれた地図を、リックに渡すマギー。リックは考え込む。

「もったいない男だ。ミミズみたいに裏でコソコソしやがって。俺を殺そうとするやつは首を絞めるしかないだろう。サイモンの失脚は、お前にとっての朗報だ。俺達にはいろいろあったが、お前を頼りにしている」
ドワイトを右腕(ナンバー2)にするというニーガン。ニーガンはドワイトを信用していると微笑み、肩を叩く。仕方なしに微笑む演技をするドワイト。
しかし、ドワイトが自分の部屋に入ると、そこには彼が裏切ったことを知っている唯一の仲間・ローラがそこにいた。彼女はドワイトの所業を告発する。

「これで合点がいく。リックに襲撃の時期や、基地の情報を伝え、俺達をここに閉じ込めた。武器も流したんだろ。シェリーを殺したってのもウソか?なるほど、それもウソだったんだな。
なんだよ、ヒーローにでもなったつもりか?お前は何物でもない。何もできやしないんだ。だがお前を頼りにしてると言ったのは、110パーセント本心だ。リックに計画を漏らすとわかっていた。自分で行くのもなんだが、天才的な偽の計画だ」
なんと、グレゴリーを使ったことも見抜いているニーガン。彼はドワイトとグレゴリーを通じて偽の計画をリックに渡させたのだ。ニーガンはドワイトを殺そうとも考えたようが、それでも生ぬるいと思っている。卑怯な裏切り者に、とっておきのプランがあると笑うニーガン。

ユージーンは工場に戻ってくるが、ニーガンの使いから、ヒルトップの来襲計画が告げられる。まわりを見渡すユージーン。弾の量産を再度命じられたので、彼らは弾を作り続けるしかない。
「必ず私たちが勝つ、失敗は許されない」
ゲイブリエルを作業ラインに戻すユージーン。
「さあ、哀れな命を役立てよう」

ウォーカーと化したサイモンは、フェンスにくくりつけられている。彼は、彼が見下していた最低の地位に転がり落ちてしまったようだ。それを眺めているニーガン。そこに、無線が入る。相手はミショーンだ。
「ミショーンよ。待つわ」
「ドレッドの女剣士か。そこにリックがいるなら出せ」
「彼は関係ない。カールの話よ。あんたに手紙を。カールの望みだから読むわ」
「伝言人(ミショーン)を殺さないって約束はできない」
「黙って聞きな」

カールの手紙を代読するミショーン。
ニーガンに、自分は人助けをした際に噛まれて死ぬことになったということを伝えるカール。でも、彼は、ニーガンが死ぬはずはないと思っている。ニーガンは強く、しぶといからだ。だが、カールが思うに、ニーガンは自分らしくいるためにリックたちを殺そうとしている。
だが、リックたちを殺しても、他の者が現れるだろう。だから、戦う必要はない。和解すればいい。信じてほしい。手紙には、カールの真摯な気持ちが書かれている。
「パパが和平を提案したら、受け入れて。すべてが変わるよう、僕は変われた」
それを黙って聞いているニーガン。
そして、今更もとには戻れないとミショーンに告げる。ひざまずいて投降してもリックたちを許さない。服従させることが勝利ではなく、リックたちを全員殺したら勝利なのだ。そこからやり直す。ニーガンは望んでいなかったが、リックがそうさせたのだ。
そう言って話を打ち切り、感情的に無線を踏み潰すニーガン。無線はバラバラの破片になり、飛び散る。

感想

もうすぐシーズン8も終わりですね。死亡フラグが立っている人たちといえば
・サイモン(既に死亡。素晴らしい悪役演技でしたね!)
・ドワイト(リンチされて殺されそう)
・アーロン(森の中で待ち伏せしすぎて、病気になっているように見える……)
・ゲイブリエル(こちらも具合が悪そう)
・ユージーン(ダリルとロジータの強い恨みをかった?)
・グレゴリー(そろそろお役御免になりそうな予感)
でも、意外な人が死ぬのかなあ??と、今からドキドキ。ユージーンは、あっさり殺されない気がしますけども、彼がどうしてあんなにニーガンに心酔しているのかわからない。もしかして、誰よりも彼の能力を認めてくれたのがニーガンだからなのか?
これからの見どころは
・ヒルトップと聖域の戦いに、決着はつくのか?カールの遺言は、リックとニーガンを変えるのか??
・ヒルトップが手に入れた、農業などのノウハウの情報はこれから役立つのか?
・オーシャンサイドは戦いに加わるのか?(まあ、アーロンの熱意に打たれるんだろうが)
・ジェイディスは誰の味方になる?(なんとなくニーガンっぽい。サイモン死んだし)
・ユージーンとゲイブリエルの気持ちや関係は変わるのか?
・ドワイトはどうなる?リックはドワイトの情報を信じるのか?
いろいろ気になります!あ~、楽しみ!!
しかし、「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」シーズン3の放送時期も決定しましたが、リック=みんなのリーダー、ニーガン=巨悪みたいなナレーションの入ったCMが流れていて、ビックリ。リックもめちゃくちゃ人間臭いし、あんなに暴走する人いないじゃん!ニーガンも、実は心の中にものすごい悲しみがある、繊細な人(もちろん、ものすごくクレイジーではあるけれど)じゃん!
「フィアー・ザ・ウォーキング・デッド」の魅力って、死者の群れの中でも、家族の絆を最優先する人たちの愚かさと強さを特に描いているんだと思っていた。いくら捨てようとしても、家族はなかなか突き放せないし、切り離すことがとても難しい。終末の世界でも、「家族の重たさ」って消えない、ってところに注目してみていたんですけど、どうなんでしょうかね。とりあえず、ゾンビが出たらはらわた掻っ捌いて血を体に塗ることにしたい。あ、でも、こういう行動って意外と死亡フラグになりそうですね。