「ホリデイズ」

ホリデイズ

映画「HOLIDAYS」。ネットフリックス製作らしいですが、ネット映画なのでしょうか?
祝日をテーマにした短編集です。「ABCオブデス」「V/H/S」シリーズがスマッシュヒットしましたが、こちらもなかなか力作でした。

①バレンタインデー

水泳のコーチに恋するマックス。だが、彼女は父の自殺をネタにいじめられている。
(溺れている彼女を助けるために、ピンク色のプールに飛び込むコーチ。カラフルなプールってかわいい)
コーチは心臓の移植手術を受ける予定であり、いじめられているマックスに心を痛め、彼女にバレンタインのカードを渡す。舞い上がるマックス。

その後、いじめっ子をつけていき、森の中に入ったマックスは、彼女を森の中で撲殺し、パパが自殺で使ったカッターをそっと取り出す。
その夜、恋人と出かけようとしているコーチが玄関に行くと、そこには心臓を手に微笑むマックスがいた。

②セントパトリックデー

カレンは教師をしているが、不思議な転校生・グレインに翻弄される。
(彼女のまわりには、モノが渦を巻くように置かれるという怪奇現象も起こり、「呪怨」シリーズの佐々木希も同じような現象が起きていたなあと思う)

1日目。目を覚ますと、彼女はセントパトリックデーのコスプレをして、車の後部座席に寝ている。股にはヘビの抜け殻が落ちていて、車のまわりにはショッピングカートが渦を巻くように並べられている。

13日目。スーパーで肉を食べたそうに眺めているカレン。突然、グレインが出てきて彼女に抱き着く。
産婦人科では妊娠していると言われたものの、本当の妊娠ではなく、動物、しかもヘビと性交してできた子供だと宣告される(スゲー話だ)。
グレインの作文は、カレンを傷つける言葉ばかりだった。それをチェックしていた彼女は、黒いゲロを吐き出し、生徒は絶叫する。グレインは、ビンタをされてもニヤニヤしている。

366日目。カレンは狂っている。子供服売り場で服のニオイを嗅ぎながら、大笑いして店をたたき出される。中指を立てるカレン。

396日目。草原の中。動物のマスクをつけたものたちが、カレンのもとに現れる。グレインの父は彼女と手をつなぎながら歩いていく。彼はヘビ男で、自分の子供をカレンに産ませるつもりだった。カレンは踊り、笑う。

新しくやってきた教師を見ているグレイン。教師の机の上にはヘビの置物が置かれている。

③イースター

イースターバニーの話を聞いている子供。夜、たまごが家に転がり込んでくる。そして子供が目を覚ますと、そこにはひよこがいる。肉肉しいウサギ(皮膚は人間っぽいが、顔立ちはウサギ)が、手のひらの穴からひよこを出す。そして、彼を見つけた子供に「俺と代わるんだ」と囁く。
男が少女に手のひらをかざすと、その穴から少女の瞳が見える。シルエットで、少女にウサギの耳が生えていくのが見える。

④母の日

セックスすると、必ず妊娠してしまう女性。できやすすぎることを医師に相談しに行ったら、あるコミュニティを紹介される。そこには、妊娠しにくい女性たちが集まっていた。
儀式に参加させられる女だが、「お前は門だ」「時が来たら抗うな」という謎の男が目の前に現れる。

女は妊娠し、彼女を大事にする女たち。女医師もグルだったようだ(コミュニティのリーダーと姉妹)。
逃げ出そうとする彼女だが、産気づいてしまう。すると、彼女の股からは、大人の手が出てくる。

⑤父の日

離婚した父からのテープを見つける主人公。聞いてみると、父親の居場所を支持する内容だった。
父の声を聴きながら、その足跡をたどる彼女。だが、辿り着いた廃墟で待っていたのは、父であって父ではないものだった。
「キャロル、またお前と一緒になれたね」
次の瞬間、キャロルの叫び声が響き、廃墟には誰もいなくなる。

⑥ハロウィン

未成年をビデオチャットで働かせて、暴利をむさぼる男。
3人の少女は、男から虐げられながらもなんとか命令に応えていた。しかし、自分の相手をするように命じる男に、彼女たちの怒りは爆発する。
「3人女が集まれば、女は魔女になるんだよ」
少女は男を殴る。

目が覚めたら、チャットルームに閉じ込められている男。尻に大人のおもちゃを挿入されている。車のバッテリーにつながれ、接着剤でとめられていて、男は苦痛に悶える。少女たちは、チャット越しに男に「女性器を作れ」と命じる。その命令をきこうとする男の姿に、ブリトーが裂けるシーンが重なる。
そこに男に騙された少女がまた、家にやってくるが、少女たちは自分たちがボスだと偽り、涼しい顔をする。
(そこからどうなったのかはわからない)

⑦クリスマスイブ

ARメガネを、子供のプレゼント用に購入しようとする男。だが、すんでのところで売り切れてしまう。
だが、先にプレゼントを購入した男が心臓発作で倒れ、主人公はそのプレゼントを盗んで、男を見殺しにしてしまう。

彼の嫁は非常にイジワルだ。子供は無邪気にプレゼントを喜ぶが、試しに借りて使用したメガネには、自分が見殺しにした男の目線が映し出される。驚く男。たまに、自分が殺した人物の目線を疑似体験できることがあるようだ(そんなバグらしい)。
だが、それが嫁バレしてしまう。嫁は意外にも「そんなあなたが素敵」と言い出し、2人は久しぶりに燃え上がる。

だが、嫁が見たビジョンを覗くと、彼女は嫌いな上司をクリスマスに惨殺していたことがわかる。

⑧新年

思い出のアルバム。マンディという女性の写真がコレクションされている。
その彼女を監禁していた男、レジーは、次の獲物をマッチングサイトで探す。

主人公の女性は、レジーとデートして、新年をひとりで過ごしたくないと自宅に招き入れる。
そして、突然股間をつかみ上げる。
驚いたレジーはトイレに避難するが、歯ブラシをしゃぶりつつ、戸棚を開ける。と、そこには目玉などのコレクションが並び、浴槽には死体がある。

レジーは女に、オノで足を引きちぎられる。彼は銃で応戦しようとするが、弾を入れるのを忘れていた。
男の頭をオノでかちわり、女は「ハッピーニューイヤー!」と微笑む。

感想

ビジュアル的にインパクトが強いのは「セントパトリックデー」、深夜ドラマみたいなチープさもあって楽しめたのが「ハロウィーン」、オチにかなりびっくりしたのが「新年」かな。あと、「父の日」は前半は切なくて、後半は怖いという素晴らしい出来。満足度は高かったです。