「ドント・スリープ」

ドントスリープ

2017年12月現在、アホみたいに「ドント・○○」シリーズが量産(改悪された邦題)されているのですが、これもそのひとつ。
2016年の映画「ドント・スリープ」。原題は「DEAD AWAKE」なので、本当のタイトルは『死の目覚め』みたいな感じか?寝たら老婆がやってきて殺されるというストーリーなのですが、老婆の姿がもっともはっきり見えているのがDVDジャケットという悲しさ(そもそも、この老婆は映画に出てきている人なのかも不明)。

とにかく、ばあさんはちっとも怖くないです。

ネタバレ

睡眠中に謎の死が相次いでいると、ニュースが報道している。

サプライズでバースデーを祝ってもらう、双子のベスとケイト。だが、成功したケイトに比べてベスは依存症を患っていた過去があり、2人の間には距離がある。

ベスは不眠症だ。ベスはケイトに助けを求め、一緒に病院に向かう。寝ている途中に金縛りのような状態になると相談して、医師からは「症状が出たら抵抗しないで、身をゆだねることが大事」とアドバイスされる。

そして夜、寝ているベス。気が付くと体が動かず、老婆がこちらにむかって這ってくる。

ベスは死んだ。葬式で、彼女の不眠症について調べていた学者・ハッサンと遭遇するケイト。しかし、うさんくさい彼のことをケイトはあまり信用しない。

その夜、彼女は睡眠中に違和感を覚える。
ベスの恋人のエヴァンの元へ行くケイト。彼女はベスがエヴァンから暴力を振るわれていたのではないかと疑うが、そんな事実はない。ただ、ベスはずっと自分がみじめだっただけだ。

ケイトは風呂に入るが、いつの間にかバスタブが血まみれになっている。

友達・リンダが睡眠麻痺だと言っていたのを思い出し、連絡をとるケイト。だが、その事実をはぐらかされてしまう。

エヴァンを再訪するケイト。彼はようやく眠るケイトを見守るが、突然彼女がエヴァンを誘惑し、さらに歯を引っこ抜こうとしてきたことに驚く。だが、それは夢だった。
エヴァンも、ケイトと同じ症状が出始めている。

ケイトは自分の睡眠麻痺について、ベスの医師に相談するも、彼女は頭がかたすぎて話が噛み合わない。ちなみに婆が出てきて睡眠麻痺を起こす症状を、「オールドハグ・シンドローム」という(なんだそれ)。

夫の不倫のせいで、睡眠障害になったリンダ。彼女はベッドの上でうとうとしているうちに、老婆に首を絞められる。だが、夫はそれに気が付かない。リンダは死んでしまう。

睡眠麻痺(というよりもオールドハグ・シンドローム)に詳しい学者・ハッサンのもとを訪れるケイト。弱った心が老婆を引き寄せる。弱り切って抵抗をやめると、彼女は襲ってくるのだ。
そしてハッサンも、彼女の急襲に悩んでいるひとりなのだ。

他の被害者のもとを訪れるケイト。だが、彼は余命2ヶ月だった。ずっと眠らず、耐えているのだという。彼からは話を聞けるような状態ではない。

ケイトとエヴァンも眠らないようにする。ハッサンは2人に協力する。
ハッサン自身も、定期的にアドレナリンを投与する機械を使って対抗している。麻酔薬を使うこともできるが、それは最終手段だ。
老婆が来たら、アドレナリンを打って麻痺を解き、彼女に対抗する。そうすれば、彼女が自分から遠ざかっていくだろう。
ケイトはそれを実践し、老婆を消すことに成功する。エヴァンにも同じようなことをしようとするが、ケイトは自分の両親が危ないのではと突然言い出し、急に家に向かう(この女、自己中心的ですね)。

両親は無事で、エヴァンとケイトもいい感じになる。しかし、うたたねをしたエヴァンは老婆に襲われて昏睡状態になる。目覚めても、脳に障害が残るかもしれない。

ハッサンも老婆のせいで死んでしまった。ケイトは老婆に完全対抗しようとする。
そして眠るケイトの夢に、ベスが出てくる。だが、そのベスはケイトをかどわかそうとしている。彼女はニセモノのようだ。ケイトがベスを刺すと、老婆の姿になる。そしてケイトは老婆に打ち勝った。

その後、エヴァンは昏睡から覚め、ケイトはハッサンの意思を継ぐことにする(弁護士をやめてできる仕事なのか??)。そして、ケイトやベスを救えなかった女性医師の前に、老婆が現れる……。

感想

ツッコミどころが多い映画。
寝てはいけない系の映画って、もっとも有名なのは「エルム街の悪夢」だろうけれど、それよりは圧倒的に怖いシーンが少なくて弱い。私が好きな「マシニスト」にもはるか及ばない感じ。
眠りたいけど眠れないという苦悩って、こんなものじゃないと思うんですけども。
しかし、老婆がぼんやりとしか出てこないし、ケイトが老婆に勝利した方法もよくわからないし、全体的にぼんやりした話だった。