オフェリアは車を走らせている。デコボコ道を走るうち、車はエンストする。
修理をする彼女だが、そっとウォーカーが忍び寄っていた。襲われる彼女。
だが、彼女は戦う。そして、車を捨て、1人で歩き出す。
ニックとルシアナは、夜、同じベッドで寝ている。
だが、ニックはそっと部屋を抜け出し、ギャングたちのもとへと向かおうとする。
薬を盗むために、アレハンドロの部屋に忍び込むニックとレイナルド。
「今ならわかる、愛は男を強くする」
というレイナルドに、ニックは肩をすくめる。
寝ているトラヴィスのそばにずっとついていたマディソン。
彼女はトラヴィスと会話しようとするが、彼は突き放す。
クリスは仲間といれば無事だと、マディソンは励まし続ける。その言葉を、マディソンが信じさせるというのだ。
ニックたちはギャングたちのところに到着する。
(応対をするのは、実はヘクターの兄・アントニオ。だが、2人はお互いの因縁を知らない)
ニックはボスのマルコに会わせろという。
トラヴィスのもとに食事を運ぶアリシア。2人は少しぎくしゃくする。
アリシアもまた、クリスに襲われかけたことを過剰反応したのではないかと彼に謝る。
だが、トラヴィスは息子が危うい状態だったと認め、そのことから目をそらしていたと謝罪する。
アリシアはその謝罪を受け入れる。
ニックはボスのもとへ向かっていくが、彼らはこっそりと襲撃の予定を立てていた。
ニックは集落が突き止められたこともわかっている。
ニックは毎週薬を届けるから、集落に手を出すなと命じる。
マルコは「お前が気に入った」「アメリカ人にしては正直だ」とほめるが、もう薬はいらないと断る。彼らとは別に、薬を調達できるあてができたのだ。
死にたくなければ今日中に立ち退けというマルコ。彼が示すほうには、フランシスコ一家の死体が転がる。無残に、娘も殺されている。
「立ち去るか、死ぬか」
難民たちの食事の食事の世話をするアリシア。
医学の知識があるアンドレアスは、不休で難民たちの病気やケガの手当てをしている。差別混じりのジョークを飛ばしながら、下品に騒ぐアメリカ人に目を止めるマディソン。それは、ブランドンとデレクだ。アリシアすら、彼らを追い出したいと思っている。
トラックが横転事故を起こし、ブランドンが肩を脱臼しているから受け入れたというアリシア。そして、運転していた人間は死んだ。
「ガキに運転させるから、こんなクソだめにくるハメに」
ブランドンとデレクは口論を続ける。運転免許を持たず、16歳の少年に運転させたからだという口論を聞き、マディソンは何かに気が付く。
ストランドを頼るマディソン。彼女は、ブランドンたちがクリスの仲間だと気が付いた。
追い出したいが、クリスの話を聞き出せない。トラヴィスには知らせなくないが、どうしたらいい?
ストランドはマディソンを落ち着かせる。
マディソンの生きる力は子供たちだというストランド。マディソンやアリシアやニック、ストランドはトーマスのために頑張れた。
だが、トラヴィスが生きる希望を失ったら?
トラヴィスは壊れ始めている。絶望が待っているだろう。
ニックはコミュニティに戻ってきて、ルシアナにすべてを伝える。
彼らが襲撃してくることも。ニックはアレハンドロに打ち明けようというが、ルシアナは躊躇する。
「黙っててわるかった。でも、ウソはつかない」
アレハンドロは怒るが、襲撃はどのみち避けられなかった。戦ってもどういうもできないだろう。
すぐに逃げなければダメだ。だが、奥で寝ていた病人がウォーカーとなり、アレハンドロに噛みつく。ニックはそれを止めようとするが、ウォーカーごと下の階(この建物は吹き抜けになっていて、彼らは2階にいた)に落ちるニック。
ウォーカーは次々噛みついていく。鼻を食いちぎられる男、指を食いちぎられる女性(看護師)もいる。ニックはウォーカーの目玉にそれぞれ親指を突っ込み、目から脳を潰す。
アレハンドロが噛まれたことで、静まり返る彼ら。
オフェリアは一人で歩き続けている。
「我々は死から生まれ、死に帰る」
噛まれた者たちは、家族に別れを告げている。彼らはフェンスの外に出ていくつもりだ。
だが、ニックは「時間がない」と言う。噛まれたアレハンドロだ。彼だけは外に出て行かない。
「信仰が守ってくれる」というアレハンドロ。
ブランドンの肩を治すため、個室に連れ出そうとするマディソン。
だが、難民たちが態度の悪い彼らに個室を与えるのか、先に診るのかとザワつきだす。
混乱が生まれ、難民たちはマディソンたちに詰め寄る。
トラヴィスは個室で着替えようとしているが、たまたま外に目をやると、階下の混乱が見える。
「門から放り出す」
マディソンたちは彼らを追い出そうとしている。だが、トラヴィスはブランドンに気付き、そこにクリスがいると信じ込む。
追い出す直前、トラヴィスが追いつく。
ブランドンにクリスの行方を尋ねるトラヴィス。騒いでいた他の者たちは静まり返る。
ニックは荷物をまとめている。
「信仰は銃弾から守ってくれない」
ルシアナはここにいるべきだというが、ニックはアレハンドロにも彼らを守るのは無理だという。
そこにアレハンドロもやってくる。
アレハンドロの動揺と、その正体を見抜いているニック。無理矢理、彼の口から本当のことを言わせようとする。
アレハンドロは口を開く。
「免疫はない」
彼は今まで、みんなを騙していたのだ。以前噛まれたのは、薬物中毒の患者にだった。
他の者たちが、彼は免疫を持つと信じ込んだ。ルシアナもそれを広めた。
アレハンドロは、住人たちを守るためにその嘘を否定しなかったのだという。
ニックは、ルシアナと一緒に街を出ていきたいと思っている。
だが、アレハンドロは父親のようにルシアナに愛情を注ぎ、娘のように思い、守ってきたという。
ルシアナはアレハンドロを否定する。「死者は(外に)行かせた」から。
アレハンドロはそのまま、去っていく。
ニックとルシアナは抱きしめ合う。
「行こう」
「私は行かない」
「ダメだ。一緒に行くんだ」
ルシアナはあくまで「信仰が守ってくれる」と主張し続ける。
「多くの人が、初めて居場所を見つけたの。家族を」
やはり、ルシアナは出て行かないという。
オフェリアの足元を、銃が狙う。誰かが彼女を狙撃しているのだ。
オフェリアは木の陰に隠れ、祈りを捧げる。オフェリアはナイフを握りしめていたが、目の前に現れた人物にナイフを没収される。殺されると思い、身を硬くするオフェリア。
だが、その男性はこう話し始める。
「おはよう、お嬢さん。アメリカへようこそ」
マディソンとラヴィスは、ブランドンたちを別室に連れて行く。
まずは脱臼を治してくれというブランドンの願いを叶え、トラヴィスはブランドンの話を聞き始める。話をするのを躊躇するブランドン。話をする代わりに、デレクは車をよこせと主張する。
感染者や略奪者のせいで、遠くに行くことはできなかった。ブランドンとデレクは交代で運転をしていたが、クリスが運転すると言い出し、道を外れた。
だが、居眠り運転だろうか。車はそのまま横転して、何度も転がり、クリスはフロントガラスから飛び出して死んでしまった。
トラヴィスはそれが信じられない。衝撃でクリスの首は曲がっていたというブランドン。トラヴィスはクリスの遺体をどうしたか聞く。彼らは引っ張り出して埋めたという。
おかしい。彼らはクリスが衝撃で車から飛び出したと言った。それとも車の中にいて、遺体を彼らは引っ張り出したのか?
ブランドンとデレクは動揺する。彼らは車から飛び出した遺体を引っ張っていったのだ、と弁明する。
トラヴィスは、部屋の外にいたマディソンたちが入ってこられないように鍵をかけ、彼らと自分を閉じ込め、ひたすら殴り続ける。殴られた彼らは本当のことを言うと言い出す。
「僕らが殺した。仕方なかった。そうするしか」
クリスは車の事故のせいで、脚の骨が飛び出していた。ブランドンとデレクが、クリスを射殺したのだ。
トラヴィスは押し黙り、そして激昂する。彼らを蹴り、殴り、ひたすら暴れる。
部屋の中にいた、トラブルと関係のないオスカーも巻き込まれてしまう。
殺されたクリスの姿と、倒れている血まみれのブランドンの姿がダブる。
トラヴィスはふと座り込み、糸が切れたようになってしまう。
感想
まさかのクリス死亡。なんでこんなに唐突に死んだのでしょうか。
トラヴィスはブランドンとデレクを殺し、さらに関係のないオスカーに大ケガを負わせてしまいました。そして、ニックにも襲撃の手が迫ります。ちなみに、オフェリアはシーズン2最後の登場でした。彼女が出会ったのは誰なのか?そして、彼女はシーズン3にどういう形で関わってくるのか?