ネタバレ
ホテルに押し寄せる、大量の難民。たくさんの人が、ウォーカーのように門に群がっている。
マディソンが夜中に看板の電気をつけたせいだ。だが、その群れの中に、マディソンはトラヴィスを見つける。門にかけよるマディソン。
クリスが農場主を撃ったところまで、話は巻き戻る。農場主がジェームズを撃った弾は貫通していた。トラヴィスの指示をおとなしく聞く青年たちだが、脚の傷を縫うべきだとトラヴィスは農家に向かって走る。道具を見つけ、手当てをして、農場主の男を1人で埋葬するトラヴィス。墓に置く十字架を打つ。
彼は、農場主の名前も知らないことに気が付く。
若者たちはもうふざけている。撃たれたジェームズだけは寝込んでいる。トラヴィスは、人を殺した後に平気で飲み食いしているクリスを怒る。「友達(ジェームズ)を撃ったから」と言い訳するクリスだが、トラヴィスは彼らを野蛮人だと罵る。だが、クリスは彼らを友達だと言い続ける。
「罪の意識は?」
「これが現実だ。よく見ろよ。もう正義も善悪もない。ジェームズを助けるためにやった」
「会ったばかりだ」
「仕方なかった。後悔はしてない」
中学の時にはフットボール部の奴らにいじめられないように、隠れていたクリス。でも、トラヴィスは彼らに溶けこめとアドバイスした。それはブランドンの仲間になるために言ったわけじゃないというトラヴィスに、クリスは父こそ彼らに溶け込めていないと指摘する。だが、ジェームズを助けた今がチャンスだ。クリスは逆に父に警告する。そして、自分は彼らを必要としているのだと父に告げる。
マディソンは、トラヴィスのために門を開けるよう懇願する。
(ホント、この人のやることなすことトラブルを招きますね)
トラヴィスだけを通す仲間たち。2人は抱き合うが、難民たちは暴徒と化しそうな勢いだ。
トラヴィスは何も欲しがらない。久しぶりに会ったマディソンにも冷たい。ニックの行方について尋ねるトラヴィス。「出て行った、いつもと同じ」というマディソン。ニックはティファナにいると母は信じている。逆にクリスについて尋ねるマディソンだが、トラヴィスは答えられない。
若者たちは、農場から出て行こうとしている。鶏を食べつくしたからだ。トラヴィスは卵を食べるべきだと主張していたのに。だが、その考えが古いとクリスは笑う。
ケガしているジェームズはどうなのか?彼は自分の痛みが10段階のうちゼロだと言い張る。
彼らが目指している場所は、既に焼け野原だ。だが、それを受け入れない若者たち。クリスはその光景を見てきたはずなのに、知らないふりをする。
トラヴィスは農場主の名前を探し当て、それを十字架に彫り付ける。クリスが出発だと呼びに来るが、トラヴィスは「待たせとけ」と言い放つ。彼は墓と農場を見つめている。
その後、協力して、ジェームズをトラックの荷台に運ぶ4人。
出発すると、ジェームズはかなり痛そうにしている。車の振動が強く、傷口が痛むからだ。
だが、突然ジェームズは意識を失う。運転しているブランドンに合図をするトラヴィス。
「クソったれが」
ブランドンは呟く。
死にそうなジェームズを見続けて、1週間経過した。ブランドンたちは既に、ジェームズを殺す計画を立てている。
ジェームズが「わかってくれる」と言い張る彼ら。皮肉にも、トラヴィスだけが彼の味方だ。トラヴィスと若者たちは対立し、銃を向け合う。クリスは父の行いが信じられない。
「どうして?」
「お前のためだ」
クリスは驚きの目で、父を見つめている。
ジェームズを看病しているトラヴィス。ジェームズは、銃を持っている彼に、理由を尋ねる。トラヴィスは仲間が彼を殺すつもりであり、彼らはジェームズがそれを理解してくれるだろうと話したことを明かす。
ジェームズは以前の仲間について明かす。噛まれた仲間・トロイだ。死にかけたトロイのことをどうしたらいいのか、誰もわからなかった。本人もだ。ただ、無残な姿になりたくないと彼は懇願した。
トラヴィスは 「どこに行っても同じ話を聞く」と呟く。
だが、トロイはいざその時がくると嫌がった。ブランドンも躊躇し、ジェームズが代わりに彼を殺した。トラヴィスは少し黙り、「状況が違う」「君は死なない」と励ます。しかしジェームズは自分が死ぬと信じており、お荷物である現状をしっかり理解している。
朝。納屋にたてこもるトラヴィスたちのもとに、クリスがやってくる。食事を持ってきたのだ。トラヴィスは息子が銃を持っていないかチェックする。クリスは、父が命を大切にしているから、ジェームズのことを好きでもないのに助けたのだと理解している。トラヴィスは息子の言葉に少し感動して、彼を抱きしめる。
だが、次の瞬間、クリスは父を抑え、ブランドンたちが中に飛び込んでくる。ブランドンはジェームズに銃を突きつける。「すぐに治るから」と懇願するジェームズを、ブランドンはすぐに射殺する。抑えつけられていたトラヴィスは解放されるが、銃は彼を狙っている。
ブランドンたちは出発する準備をしている。トラヴィスは彼らと行動を別にする。
だが、父はクリスに伝える。彼が殺した男の名前(イライアスという名前だ)や生年月日を教える。彼は、クリスと同じ生年月日だった。
トラヴィスは息子を説得しようとするが、クリスは父を捨てようとしている・
「自由にさせて。僕を思うなら、行かせてくれ。僕は父さんが思うほど病んでない。ただ。この世界に慣れようとしていた」
クリスはトラヴィスを置いて、行ってしまう。それをずっと見ている父。
農場の一家の墓に、ジェームズの墓が並んでいる。
トラヴィスは農場を後にして、歩き出す。
トラヴィスはそのままさまよい、ホテルを見つけたという。
マディソンは「運がよかった」と言う。
「そうか?」
「どういう意味?」
「光を見なければ、何も話さずに済んだ」
マディソンは彼を慰めようとするが、トラヴィスは息子を見捨てたことを後悔している。トラヴィスは、クリスの責任はあくまで自分にあるという。死んだ元妻に、クリスを守ると約束したのに。
「歩きながら考えていた。彼に愛してると言わなかった。遠ざかるクリスに最後に言った言葉は、馬鹿野郎。父が息子に最後に言った言葉がそれだ」
クリスは優しくていい子だったが、両親の離婚、そしてトラヴィスがマディソンと新しい関係を作ったことに傷付いていたのだ。もう間に合わない。
「こんな状況ではいつ終わりが来るかわからない。チャンスは二度とないかもしれない。あの時伝えていれば…」
地下駐車場で、難民を受け入れているアリシアたち。43人も集まっている!
アリシアのもとに向かうマディソン。娘を連れ出す。そして、彼女は娘に父親のことを告白する。本当は事故で死んだのではない。マディソンはそのことをずっと隠していた。アリシアの父親は居眠り運転で交通事故を起こし死んだのではない。自殺したのだ。もちろん、アリシアはショックを受ける。
「愛してる。でも、限界だ」遺書にはそう書かれていた。
秘密にした理由はニックにあった。ニックは父と似ている。笑ったと思えば、急に暗くなる。マディソンはニックが同じ道をたどらないように黙っていたのだ。
「寂しい思いをさせてごめんなさい。でもあなたのことも、同じように愛してきた。本当よ。ただ、独りでも大丈夫だと」
アリシアはわかった、大丈夫よと呟くが、どこか虚ろで寂しい表情をしている。
「私も愛してる」
「ありがとう」
ホテルの門の前には、また数人の男たちが現れる。そこには、ケガをしているブランドンとデレクの姿があった。
感想
トラヴィスとクリスの別離を描いたエピソードなのですが、ラストがとても気になる終わり方をしています。ブランドンはクリスをどうしてしまったのか?衝撃的な展開は、次回に続きます!